どうやっても見つからない、よし帰ろう。
サボり分です
「んで──どうやって見つけるんだ……?」
威勢よく飛び出したアヴァロンに追いついて、街をあてもなくぶらぶらと歩く俺たち。
如何せん、幼女ふたりに男ひとり、如何しようもないくらいに目立ってしまう。このへんは、現実世界でも異世界でも、たいした差はないということか。火憐ちょっと学習したよっ!
まあそんな、詰まらなくてどうしようもない話はさて置き、とにかく、兎にも角にも、【願い玉】を見つけなければいけない俺たちで、それを見つけなければ、話にならないわけで──かと言って、それがこの世界の、何処にあるのかさえわからない。ましてや、それがどういうものなのかさえもわからない俺たちは、探しようがなく、途方に暮れている最中であった。
「誰かに……訊きますか?」
聖剣が提案する。
悪い意味で目立っちゃってる俺たちの問いに、果たしてこの世界の一般人は答えてくれるのだろうか。
「…………」
しかしまあ、やるしかないよな。
「あの、すみません」
決まれば早い。
聖剣は、早速近くにいたガタイのいい、逞しそうな男──もちろんエルフ──に話しかけていた。
「あ?」
男はその尖った目を俺らに向けて、挑発するような、煽るような声を出した。反応してくれただけ、マシなほうなのだろうか……。
「ちょっとお尋ねしたいんですけど……【願い玉】って、ご存知じゃないでしょうか……?」
その目に圧倒されて、おどおどとしどろもどろになりながらも、恐る恐る、いつもの敬語を使って、訊いた。
「…………」
男は数十秒間黙って俺らから目を逸らし、空を眺めていた。
──と、思うと。
「わりぃな、わかんねぇわ。力になれなくてすまん」
言うと、俺らの返事も聞くことなく、何処かへ去っていってしまった。
「い、意外といい人……でしたね……」
「ああ、確かに……」
第一印象とは打って変わって、何だかすごく接しやすい兄貴のような人──と言うかエルフであった。
「まあ、そりゃあそうだろうね。このへんの人達は、いや、このへんじゃくても、【願い玉】を知っている人は数少ない。ましてや、その場所を知っている人なんて、もういないに等しいんじゃないか?」
アヴァロンは言う。
確かに、さっきのエルフみたいに、何にも知らないエルフが多いだろう。
「はあ……どうしたものか……」
八方塞がり。
万策尽きた。
今なら、ムサニにいた制作デスクの気持ちがわからなくもない。
絶望的だ。
「ねぇねぇ、勇者様」
幼女ふたりと可愛く頭を抱えていると、俺の真後ろから、ショタショタしい声が聞こえてきた。
向けば、ショタがいた。
なあ、何でここまで小さいやつが出てくるんだよ、ここ。
「【願い玉】の場所、知っているよ? 教えてほしいよね、勇者様?」




