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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第三章 巡り廻る景色の中で
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探してみよう、こんな世界で。

ごめんなさい、色々あって投稿遅れました。今回もたいして進みません。いつも通り、ゆっくり行きます。

「エルフをみな、人間にするのさ──」




「…………ふぁ?」


 …………?


「日本語でおけ?」


 何言ってるんだってばよこの娘。

 エルフを、人間に?

 馬鹿馬鹿しいにもほどがある、そんなこと、どうやってすると言うのだ。どうやっても、そんなことは出来ない、断言できる。


 ──しかし。


「悪くは無い……」


 もし。

 それが出来たのならば、『エルフを全滅させる』と言う女神アルザナティからの依頼、と言うか命令みたいなもんだが、とにかく、その命令はこなすことが出来る。あくまで、殺すのではなく、無くす。聖剣の考えであるそれは、何となく、本当に何となく、叶いそうではあった。


「でも、そんなことどうやってやんだよ。エルフを人間に、って、そんなこと、果たして俺たちで出来んのか?」


 チッチッチ、甘いな君はー。

 とでも言いたげな顔で俺を一瞥したアヴァロン。


「簡単なことさ。と言っても、今さっき来たばっかりのお前にはわからないだろうけれど……、何でも願いを叶えてくれるものがあるんだよ、この世界には」


 なんて言うと、着ていたドレスのようなものをひらりと翻し、フッと不敵に笑った。


「何でも……、願いを……?」


 何だかかんだか、何処かで聞いたことのあるセリフだ。

『何でも願いを叶える』

 そう言った彼女は、今いったい何処で何をやっているのだろうか、なんて、少し考えていると。


「それってもしかして、【願いの玉(ホープ・アイテール)】のことですかっ!?」


 さっきまで涙目であった聖剣だったが、いつの間にか目を輝かせながら、アヴァロンに問う。いや何故に目を輝かせてんだよ。


「あぁそうそう、それそれ。【願い玉(ホープ・アイテール)】だよ、思い出した思い出した」


 聖剣が言った、【願い玉(ホープ・アイテール)】と言うのが、『何でも願いを叶えてくれるもの』なのだろうか。


「なぁ、その、【願い玉(ホープ・アイテール)】と言うのは、どういうやつなんだ?」

「うーん……。神話上のもので、私も詳しくは知らないんですけれど、さっきアヴァロンさんが言った通り『何でも願いを叶えてくれるもの』なんですよ。確か、水晶みたいなやつです。ほら、地球でもよくやりますよね? 占いのときとか」

「…………ん、あー…………」


 何となく、想像はついたんだけれど。


「ちょっと待て、神話上のものって、それ、本当にあんのかよ?」


 訊くが、聖剣は顔を渋らせる。


「さ、さぁ……? わかりません、この私でも、見たことないですし……」


 言って、アヴァロンに救いを求めるような眼差しを向ける。


「…………ま、まあ、そのへんの人に訊けばいいんじゃないっ?」


 と威勢よく言ったかと思うと、すばやく、その小さな頭から伸びたツインテールを揺らしながら、路地裏を出て行った。


「だ、大丈夫かな……?」


 聖剣。それは俺のセリフだ。

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