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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第三章 巡り廻る景色の中で
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すべて赤になる、その前に。

短っ!?

 漏れでる息は白く、真っ青な澄み切った空へと溶けだしてゆく。

 まだ十月だと言うのに、今日はやけに寒かった。


 いくらインターホンを押したって、返事がないのは知っている。しかし、私は押し続けた。


「はぁ……」


 仕方なく、家の中に入ることにした。


 ◇◆◇


「なんで……」



 ──赤に染まるリビング。



 一体、何があったのか。遅れてしまった私には、分かる筈がなかった。


 そこに、人がいたのか。血溜まりがある。


「不気味ですね……」


 政宗が、そう呟いた。

 私はそれに答えることなく、頭を働かせる。


 と、そうしていたら。


「んん? 誰だぁ?」


 おかしい。気配はしなかったはずなのに。

 思いながら、私はすばやく後ろを向いた。


 彼は──そこにいるのが当然、と言うような顔で、私たちを睨んでいる。


「勇者……だったりするのかな?」


 学ラン姿を見ると、学生なのだろうか。

 しかし、普通黒い筈の学ランは、赤に染まっていた。

 このリビングと同じように、血、なのだろうか。


「名刀の勇者だけれど……あなたは?」


 彼の問いに、私は静かに答える。


「まあ、似たようなものです」


 言って、間を開けて。


「妖刀の勇者──名は青薔薇あおばらと申します。名刀の勇者、日和桜ひより さくらさん……」

「…………!?」


 ゾッとした。背筋が凍りつく。


 さっきまで、私に『誰?』と問うていた彼が、何故、私の名を知っているのか、もあるけれど、それよりも。


「青薔薇……!?」


 その名には、聞き覚えがあった。

 もし、彼が、千鶴火憐ちづる かれんの言っていた『青薔薇』だとするのなら、もしそうなら……。


「どうした、ブルーローズ」


 不意に、彼の後ろから、低い男の声がする。

 向けば、黒いローブを着た、背が高くて、ガタイのいい男が立っていた。生憎、フードを頭から被っていて、顔を見ることはできない。


「いや、大したことじゃないよ、村正。ただ、仲間を見つけただけさ──」


 言いながら、彼は私の手を取り。


「僕と一緒に、戦ってはくれないだろうか」

テストがあるので、二週間お休みさせていただきます。

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