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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第三章 巡り廻る景色の中で
33/45

こうして少年は、本物に出会う。

どもー。最近、『──』が多くつけすぎて、困ってます。あと『、』も。

そんなわけで、32話です、どぞー。


新キャラの予感……!

 異世界転生。

 夢にまで見たそれは、あまりにも残酷なことだった。

 『エルフを全滅させてこい』

 そんなこと、できるわけがない。いったい、何人いると思っているのだ。それに、どうやって戦えというのか。聖剣はもう──いないのに。


 そんなことを考えながら、何度も通った田んぼ道を歩く。『異世界』というところでなんとなく察していたが、やはり、異世界というのはここ──マーズ星だった。


「はぁ……」


 ため息とも言えないような息を吐く。

 もう、戦いたくない。しかし、それが彼女──赤城南乃花ともう一度会うためにしないといけないことならば、しないわけにはいかない。

 だがしかし、俺のやる気はたいしてなかった。大好きだった彼女と話をしたいはずなのに、会いたいはずなのに──俄然やる気が出ない。


 いっそのこと、もう一度死んでしまおうか──とも思った。けれど、それでもやっぱり、そういうわけにもいかない。


 俺がうんうん唸っていると、いつの間にか、街に出た。

 壁に囲まれている、小さな街。あの時のように教会の鐘が鳴っていて、テンプレラノベによくある、中世ヨーロッパをイメージさせる街。建材は木材や石材でほぼ統一。人はたくさんいて、賑わっている。

 しかし、それは人ではなく、エルフ。


 俺が──千鶴火憐が、これから存在ごとをなくさないといけない──エルフ。


「はぁ……」


 今度は、ため息が出た。


「あれ……?」


 昔、と言ってもたいして昔ではないのだが、数ヶ月前。俺が聖剣と出会った場所。つまり、俺が小一時間かけて並んだあの場所。


 そこにまた、人だかりができていた。

 もう──聖剣はないはずなのに、人だかり。


 はてさて、いったいなにがあるのだろう、と。そう思いながら、俺は並んだ。前に比べ人は少なくなっていたが、それでも、かなりの時間並んだ。

 もちろん、ぼっちの最終奥義である『ぼーとする』ということをしながら。…………だから、ぼっちの最終奥義しょぼ過ぎだろ!


 それでも、なんとか並んだ。本当は並びたくなかったのだが、やはり、行列が出来ていると並びたくなってしまうんだなこれが。

 だから、「なんで並んでんのかよくわからんけど、とりあえず並んでみよ〜っと」と、そうなってしまうのだ。


 そしてそして、遂に俺の番。俺のターン、ドローッ! というわけでもなく、普通に、俺の番がまわってきた。時間で言えば、30分程度。それでも、長かった。ぼーっとしていただけなんだけど、長かった。


「さて──」


 さて、この行列はなんのためにあったのか。それが今ようやく、わかる。


「──え?」


 そこにあったのは紛れもない、聖剣。まるで俺が抜いたときのように、いや、そのまんまだ。俺が抜いた(正確には抜いてはいないのだが)聖剣が、地面にぶっ刺さっていた。


 なぜ。

 どうして。

 そんな言葉が、頭の中を占めている。


 ──ゴクリ。


 自分の固唾を呑んだ音なのか、それとも、後ろの人のなのか。

 それはわからないが俺は、この状況を受け入れることができなかった。

 果たして──これは、聖剣なのか。あの、聖剣エクス・カリバーなのか。


 わからない。わからないのだけれど、しかし、抜いてみるほかなかった。でもまあ、そもそもこれを抜くことができるのか、なんてことさえもわからないのだけれど。


「さぁて、抜きますか!」


 ◇◆◇


 気づけば──俺は眠っていた。


「あ、やっと起きたんですか、おにぃちゃん?」


 お兄ちゃん。そう言われるのも久しぶりに感じるが、けれど、違った。前とは──声が違った。


「誰だ──お前」


 それもそのはず。言ったのは、悠莉ではないから。けれど、俺には悠莉以外に弟も妹もいない。ましてや、兄も姉もいない。


「もう、忘れちゃったんですか? 酷いなぁ」


 なんて言いながら、まるで、『ぷんぷん』とでも言いたげな顔で、こちらを見る彼女。

 見たところ──幼女。どう考えても幼女。年齢的には、10歳から12歳と言ったところか。くりっとした目が特徴の、金髪の、美少女──というわけでもないから、美幼女? なんだそれ、バカか。


「美幼女──アリですね!」


 グッドポーズ。はにかみながら。

 この物語の登場人物は、心を読むのがデフォなのか。

 そう思っていたのだけれど、しかしまあ、とってもどうでもいいことであった。


「では、自己紹介でもしましょうか」


 言って、立ち上がる。長い金髪を、風に靡かせて。


「私の名前は──聖剣エクス・カリバー。もちろん、あなたが使っていた聖剣ではありません。『本物の』聖剣エクス・カリバーです!」


 無い胸を張って、声高らかに、そう言った。

美幼女はもう存在するということに書き終わってから気づいたので、そのへんは許してください。なんでもしまs(ry

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