表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第一章 番外編
14/45

いつの間にか、忘れ去られていた約束。

雨降ってるから涼しい!


ということで、今回は番外編というか、短編集的ななにかです。

1.その後の話


「お兄ちゃん〜お茶〜」


「ほ〜い」


 その後。と言っても、直後の話である。


 悠莉はアイスを満足そうに食べたあと、俺にお茶を要求してきた。


 俺は冷蔵庫の中のお茶の入ったペットボトルを出し、コップに注ぐ。


「ほい、お茶」


「ん、ありがと」


 そう言うと、彼女は一気に飲んだ。


「おかわり」


「了解」


 そう言い、また俺はお茶を注ぐ。


「ほい、お茶」


「ん、ありがと」


 そう言うと、彼女は一気に飲んだ。


「おかわり」


「お、おう」


 よく飲むな、この妹。


 そうしてまた俺はお茶を注ぐ。


「ほい、お茶」


「ん、ありがと」


 そう言うと、彼女は一気に飲んだ。


「おかわり」


「ちょっと待って、悠莉ちゃん?」


「ん?どした?」


 ん?どした?じゃねぇよっ!


「何回飲んでんの?」


「え?南海キャンディーズ?」


「言ってねぇっ!」


 そういえば、最近見ないな、南海キャンディーズ。


「まぁ、なんというか」


 悠莉は手に持っているコップを弄りながら言う。


「お兄ちゃんで遊んでた」


「は?」


 これにはさすがの俺でもガチギレである。超優しいで定評のある俺でもだ。


「いやだって、お兄ちゃんに彼女がいるって知らなかったから」


「つまり…腹いせ?」


「まぁ、そんな感じ」


ていうかさ、と彼女は続ける。


「お兄ちゃんの彼女ってどういう人?」


「う〜ん…優しくて、料理うまくて、かわいい」


「へぇ〜かわいいんだ」


と、ニヤニヤしながら言う。


「そりゃかわいい」


「私とどっちがかわいい?」


「昨日までだったら完全に俺の彼女だな」


 でも、今日から悠莉は違うのだ。今日からツン悠莉はデレ悠莉に進化したのだ。


「今はどっちもかわいい」


「あっそ」


 と彼女はリビングから出ていった。

 自分から聞いてきたのに。変なやつだな。


 そうだ、今度家に赤城さんを呼んでみるか。




2.残りの時間


「そういえば聖剣」


「ん?どした?」


 日曜日。いつものように俺はラノベ、聖剣は漫画を読んでいた。


「俺の寿命どれくらいあったんだ?」


 そう。寿命が長いと言われたが、具体的な数字を聞いていないのである。


「う〜ん…まぁ、だいたい180年ぐらいあったかな?」


「は?」


 180年?つまり俺はだいたい200歳まで生きる予定だったのか。嫌だな、それ。


「じゃあ、今の俺の寿命は?」


「それは言えない」


「なぜ?」


「そういうルールだからだ」


「なんだそれ?」


「残り一年になったら教えてあげるよ」


「お前もしかして、俺が死ぬまで勇者やらせる気か?」


「まぁ、そうだね」


と、彼女は言う。


「おじいちゃんになってもか?」


「クックックッ…そんなわけないじゃないか」


と、笑いながら彼女は言う。


 どういうことだ?


「20歳になれば、君は死ぬんだから」


 え?


「うそ?」


「ほんと」


「なぜ?」


「そういうルールだからだ」


 意味がわからない。


 俺、20歳で死ぬのかよ…


 まぁ、別に俺が生きてる意味ってあんまないからな。


3.そういえば


 そういえば。忘れていたことがある。


 そう。日和桜との約束である。


 それに気づいたのは、あれから一週間たった時だった。


「あ」


「ん、どした?聖剣」


「忘れていた」


「なにを?」


「桜との約束だよ」


「あ」


 そうして俺たちは例の公園に向かった。


 聖剣曰く、彼女は何か約束をした場合、何があろうとその場から離れないらしい。何があってもだ。


「ほんとにいた…」


 公園のベンチにちょこんと座っていた。


「む、遅いぞ」


 いや、遅いとかいう問題じゃないと思うんですけど…


「いやいや、悪いね桜。こいつが忘れてたから」


「それは酷いな」


と言いながら、二人は俺を見る。えぇ〜俺が悪いの?



 それから俺たちは話をした。いろんなことをだ。いろいろありすぎて、語りきれないので省略させてもらうが。


 大事なことと言えば、日和桜はあの時、誰かに操られていたということだ。その誰かは聖剣が調べておくらしい。



 そんなこんなで、夕方である。しかし、もう夏なので、空はまだ明るい。


「む、もんこんな時間か」


 時計を見ると、19時過ぎである。


「では、私はそろそろ帰るよ」


「あぁ、またな。桜」


「さようなら」


 そう言って俺たちは家に帰った。



4.イケボ?


「おい、悠莉」


「どした?お兄ちゃん」


「そういえばシルバーマンの時のお前の声、あれどうしてたんだ?あと、なんであんなにガタイがいいんだ?」


「あぁ、それね。そろそろ話そうとは思ってたんだけどさ」


 そう言うと彼女は手を挙げて、


「出てきて、シルバーブレッド」


と、言った。


 そこにいたのは、ガタイのいいイケメンだった。そう。イケメンである。俺がこの世で一番嫌いなものだ。ちなみに、二番はリア充。


「はじめまして、と言うべきかな?千鶴火憐」


 イケボだ。シルバーマンの声だ。


「おうおう、どんなやつが出てくるかと思ったら、ただのイケメンじゃねぇかよっ!なめてんのか?あぁ?」


と俺は喧嘩腰で言ってみた。


「ほう」


と彼は言うと、俺を持ち上げた。片手で。力ありすぎだろ。


「ちょっ!ちょっと待てっ!ジョークだよ!ジョーク!アメリカンジョーク!」


「知っている」


と俺はおろされた。優しくだ。イケメンかよ。


「で、どういうことだ?」


「え?なにが?」


「いや、だから。お前はどうやってシルバーマンになっていたんだ?」


「あぁ、そういうこと」


 簡単だよ、と彼女は続けた。


「体と声はシルバーブレッドで顔は私」


「なぜ、顔だけ?」


「そういうルールだからだ」


とシルバーブレッドが言った。それこの前も聞いたぞ。


「まぁ、そういうわけだから、よろしく頼む。千鶴火憐よ」


「あぁ、こちらこそよろしくな」


と、俺たちは男の硬い握手をしたのであった。



5.とある一日


「寝みぃ」


 嫌いな曜日はなに?と言われたら、即答で答える自信がある月曜日である。まぁ、そもそもそんなこと聞かれないけどね、ぼっちだし。


「おはよう〜千鶴くん!」


 おっと、天使…いや女神?いやいや、赤城さんである。


「おはよ、赤城さん」


「今日はお弁当作ってきたんで、一緒に食べません?」


「当たり前だよっ!昼休みが楽しみだ!」


 訂正。俺はぼっちではない。



 午前の授業をなんなくこなし、昼休みである。


「じゃ〜ん!今日は千鶴くんの好きなからあげで〜す!」


「さすが、赤城さん!わかってるな〜」


と、完全にバカップルである。


「うわっ!うまっ!」


「よかった〜」


と、完全なリア充である。


「そうだ、千鶴くん」


「ん?どした?」


「次のデートどこに行くか決めましたか?」


「あ、そういえば次、俺だったな」


「え〜決めてないんですか?もう、ばか」


と、彼女は頬を膨らませる。やだ、かわいい。


「まぁ、今日中にでも決めておくよ」


「絶対ですよ?」


「うんうん、わかったわかった」


「うわーそれやらない人のセリフだー」


 これが俺の日常だ。え、充実しすぎでしょ。っべー。マジっべーよ。



「そうだ!」


お弁当も食べ終え、雑談をしていたが、思いついた。


「ん?どうしました?」


「次のデート遊園地はどうだ?」


「おぉ〜いいですね、遊園地」


「何気に行ってないもんな」


「じゃあ、次のデートは遊園地ですねっ!」


と、彼女は目をキラキラさせながら言った。


次回から第2章ですが、先に違うシリーズのほうを書こうかと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ