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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第一章 伝わるはずないこの恋を
12/45

きっと彼女は、このときを待っていたのだろう。

暑い!暑い!マジ暑い!

「うわああああああああっ!」


 まただ。またこの痛み。


 クソ!何故気づかなかった!


「せ…いけ…ん…」


「あぁ、わかった。だが、一旦離れるぞ!」


 そう彼女は言うが、刀は抜けない。


「殺す…殺す……殺す殺す殺す!?!!!?!」


 まてよ。今がチャンスなんじゃないか?多分、相手にはこちらの声は通じないはずだから、


「聖剣、治療できるようになったら、すぐしてくれ」


「了解した」


 痛い。だがしかし、さすがに二回目だ。剣は振れる。


「はあああああああっ!」


 剣を振った。刀に向けて。思いっきり。すると、刀は折れた。俺は全速力で逃げる。


 これで治療ができるはずだ。


「我、聖剣エクス・カリバー。聖剣の勇者、千鶴火憐と契約を結びし者なり。精霊よ、我に大いなる力を!」


 たちまち俺の腹部の傷は消えた。


 これでいける!!


 相手の刀も折ったので、1ぽn……え?


「二刀流?」


 彼女は刀を2本持っていた。


 あれれ?もしかして三刀流の方だったり?竜巻を起こしちゃったりするの?それどこのワンピ〇ス?


 でも、二刀流だからといって、俺の敵ではない!


 深呼吸をして、よし!


「はあぁあぁ!!」


 走る。全速力で。体力はまだ余裕がある。いける!


 聖剣と刀がぶつかり合う。今度はもう1本の方を気にしながら。


 避ける、剣を振る、避ける、剣を振る…の繰り返しだ。


 しかし、これでは体力勝負になってしまう。これは最終奥義しかないな。


「今だっ!」


 隙ができた。たった一瞬だった。しかし、俺は見逃さなかった。


「はあぁあぁ!!」


 みぞおちのあたりを思いっきり殴る。


 たちまち、彼女は刀を振るのをやめ、地面に倒れ込んだ。


 殺さないとか、マジ俺紳士。


「で、この娘どうすんの?」


 聖剣にきいてみる。


「首に首輪らしきものがあった。たぶん、それを切れば彼女は正常になるだろうよ」


 そう言われ、彼女についていた首輪を切った。


 すると、目が覚めた。


「あれ、ここは?……って、うひゃっ!」


 彼女は俺の顔にびっくりしたのか、思いっきり後ろにさがった。酷いな、おい。


「だ、誰だ?」


 それはこっちが聞きたい…と言おうとしたが、こちらから名乗るか。


「俺の名前は千鶴火憐。んで、こっちが聖剣エクス・カリバー」


 俺は人間の姿に戻った聖剣を指さして言う。


「久しぶり、桜!」


 すごい親しげに彼女に話しかける聖剣。


「え、お前知ってんの?」


「知ってるも何も、彼女も君と同じ勇者だよ?」


「……え?そうなの?」


 俺は桜と呼ばれた彼女に問いかける。


「あ、あぁ、そうだ。私の名前は日和桜ひより さくら。名刀正宗の使い手だ」


 まじか。あ、そういえば、


「日和さんは三刀流だったりする?」


 超絶気になっていたことを聞いてみる。


「は?まさか、そんなわけないだろう。漫画でもあるまいしね。私は1本しか使いきれないよ」


 知ってた。


「まぁ、今日はいろいろあったし後日また話そう。では桜、また今度」


 そう聖剣が言う。


「む、それもそうだな。では、明日の正午にまたここで会おう」


 そう言って、日和さんは帰っていった。


 そういえば。そういえば、悠莉は…


 そう思ってさっきまで悠莉がいた場所を見てみた。


 ……いない。


──コンコン


 肩をつつかれた。


──ぷにっ


 振り向くと、ほっぺをつつかれた。


「ゆ、悠莉!お前!」


 言おうとしたが、彼女は手でそれを制止した。


「帰ろ、兄貴?」


「あ、あぁ、そうだな」


 それから、悠莉とは一言もしゃべらずに家に帰った。


 ◇◆◇



──コンコンコン


 いつものようにラノベを読んでいると、誰かが俺の部屋のドアをノックした。


「兄貴、いる?」

「あぁ、いるぞ」

「入るよ?」

「おう」


 そんな短い会話が終わると、悠莉は入ってきた。すごく真剣な顔で。


「あれ?聖剣さんは?」


「え、聖剣は夜風にあたってくるって言って、さっき外に出てったぞ?」


「そっか、」


 彼女はそう言うと、こちらを向いた。





「大事な話があるの」

Twitterはじめました。(ツイートするとは言ってない)

「天りあ」でケンサクケンサク

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