設定資料
開始しました。
続けて本文の第一話も入ります。
設定資料です。
ネタバレを含み、随時更新されます。本編のみを楽しみたい方は飛ばしてください。
『キマルケ巫女』
キマルケというのは国名。二千年ほど前、ゲノイアという国に滅ぼされた。現文明はいわゆる地球的な科学文明を持たないのに宇宙文明まで到達していた稀有なる世界であるが、太古には科学文明が存在した形跡があり、またそれがゆえに地下資源に乏しく自然環境も劣悪。緑もほとんどない。
ゆえに彼女ら巫女の仕事は『生存圏の確保』。つまり惑星そのものと対話する事により荒廃した環境を和らげ、緑をよみがえらせる事である。
『キマルケ巫女のランク』
上座、中座、下座という3つのランクが知られているが、下座の下に初心者巫女、あと全てにおける領域外として『星辰の巫女』がいる。
・『初心者』であるが、これは本当の初心者から、杖と心を通わせ、実際に術を行使するまで。
・『下座』つまり下級巫女は力点を術の発現から制御に移す。神殿の日常業務の全てを杖を使ってできるようになるまでが下座の範疇。
・『中座』はいわゆる中堅巫女で、ほとんどの巫女はここに属する。一般的な神殿業務等は彼等が仕切る。中には上座の制限(還俗できない)から逃れるため、わざと中座のままでとどまる者もいるが、巫女として進みすぎてトランス状態が顕著になってくると、強制的に上座に編入される事がある。
・『上座』緑の呪文を使う者。キマルケ巫女の主役であり、中座以下は彼女らのサポートにすぎない。全ての日常業務から開放されているが反面、常に意識のどこかがトランス状態になる傾向が現れ始め、上位になればなるほど、そもそも一般業務が不可能になっていく。また上座の巫女は還俗もできなくなる。
・『星辰の巫女』。ランク外。これは神器『星辰の杖』とのワンセットであり、人でありながら人でない。星辰に愛されし存在であり、人界の運命はもはや彼女には決して届かないとされる。最初のキマルケ巫女はこの星辰の巫女であったと言われ、また、キマルケありし時代の最後の最上級巫女も星辰の巫女であったという。
(参考)『|遠くへ行く者(エルグァラントスレキ゜シビビデア)』※カタカナでは正確な発音不能。
キマルケ在りし時代、最後の星辰の巫女であり、キマルケを滅ぼしたゲノイアの宇宙艦隊とたったひとりで最後まで戦い、壊滅寸前にまで追い込んだ伝説の存在。
子供のように無垢、そして豪放で細部に頓着しなかったと言う。巫女としての能力は高かったにも関わらず座学が大嫌いで宿題忘れの常習犯でもあり、落ちこぼれ巫女たちにたくさん友達がいたという。またその性格のせいか、外からやってきていきなり星辰の巫女になったという立場にも関わらず、先輩巫女たちにも非常にかわいがられていたという。
『宇宙はヒマでできている』
大昔の銀河旅行家の言葉らしいがルーツは不明。おそらく元のセリフを言った者は億年単位の昔の人物であろうとされる。