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未明記 -黎明譚- その壱 「生」

黎明譚、は「彼」の話。

にんげんがつくられるさま。こわされるさま。


ちょっと残酷かもしれません、男の売春の描写もちょっぴりございます。

エロくもグロくもないつもりです。わたくし基準。

  俺が望まれたのは、望まれていたのは、ほんの一瞬だったんだろう。


 2人の子を持つ女が、ホストに狂って。過ちの果て。

乗り換えるつもりだったのだろうか?線の入った検査薬を見せて。

「あなたの子」とでも言ったんだろうか。皺の出てきた笑みで。

わからなくもない――遊んでたオバサンに、求婚されりゃあな。

逃げ出すだろうよ。若かったそうだしな。


  そこまで、そこまでだろう。俺が賜った幸せってのは。


 物心ついた時、そうだな、覚えてるのは3歳ぐらいか。

無視されるのは当たり前だった。姉は近づいてきて、怒られるまでがワンセットだったかな。

俺は存在がタブーだったような気がする。当たり前だけどな。

―――俺の存在を認めないことで、許されようとした母親。

浮気相手の子供でも、殺さないでいてくれた義父。

怒られても、小さい子には優しくしてくれた義姉。

ストレスを俺で発散してた義兄。仕方のない事だ。


  それから、どんどん、どんどん…殴られる事が増えていったと思う


残飯しか食べられなかったからな、抵抗する体力も無くて。

出生の理由なんてまだ知らなかった筈なんだがな。諦めてたんだ。

本能か?なんとか耐え切って、生きようと思ってた。

昼間…誰もいない時間。自由だった。開放されていた。

家中の本を漁った。知識をむさぼるのが楽しくて仕方なかった!

それが自分を縛る鎖になるなんて思わずにな…笑うのが精一杯だぜ…


ああ、そう。それで。小学校には行ったんだよ。世間体でな。

それで、開花しちまうって訳なんだよ。え?俺の秀才っぷり!

そう…見つけたんだよ。「いらない子」(オレ)の「使い道」をさ。

将来の自分等の貯蓄にしようってな!いやぁ外道だと思わねえ?一応自分の子供なのによ。

まあ、自立心が芽生えると、そんなの反抗するよな。

「嫌だ!なんで将来まで全て決められなきゃいけないんだ!

しかもお前らはまともに僕を育てようともしてなかった癖に!」

そんな事を言った。


…その時だよ。全てが固まったんだ。俺の生き方考え方全てな。


「お前は他人に利用されるためだけに生まれたんだ!

産んだのは批判の矛先を私から逸らす為だ!生かしておいたのはサンドバッグだよ!

義務教育が終わったらいい奴隷になると思ってな!!

とにかくお前は自分の為に何かなんてできないんだよ!

お前は他人様の為に行きて他人様の為に死ね!!!

お前に生きてていい価値なんてない!お前は人間じゃない!!」


この言葉だろうな。それから俺は自分を人間だと思わなくなった。

他人の為に生きるのが最上の幸福ってな。


でもこんなとこに帰んの嫌だったから中1か中2で殆ど帰らなくなったよ。

下校して、そのまま夜は金稼ぎ。何やってたかって?

中坊ができるのなんて限られてんだろ?

HPで顔とか体とか晒してさ。オジサマから注文して頂く訳。

イケメンでもないし…ガリガリでもさ…ガチの中学生ってのでめっちゃ売れたんだよ。

あー、そうだな。これも「他人の為」だよな。俺の体は軽視してたんだからな。


それで高校は全部自分の金でだよ。中卒とか嫌だったし。

進学校行かせたかったらしいけどもう縁切るつもりだし勝手に決めたよ。

家からできるだけ遠い所。そんだけの理由だよ。

それでお前に喧嘩売って、お互い人生変わるんだもんな。運命?馬鹿か


で、現在に至る。だ。以上。


え?能力の経緯?

…そうだな…また今度だ。面倒。寝る。

でも大体予想は付くだろ?つかない?バーカ寝ろ

次は「光明譚」とかだと明るくていいやもしれません。

あと7人。黎明譚の続きがあるかも。総合編かも。

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