第55話 山が大発展と、輸送船
Side:スパロ
職人も移住してますます村が発展していく。
この分だと山の開拓したのと合わせて、結婚祝い金の金貨1万枚は、すぐに達成できるだろう。
ドラゴンの山に視察に行った。
道を登っていくと何人も人と行き会う。
「こんにちは」
老婦人と行き会ったので挨拶する。
「こんにちは」
「不便な所はありますか?」
「転移陣がもっとあればねぇ」
山の所々に転移陣は設置されている。
でもそこまでは歩かないといけない。
下りなら滑り降りるとか使えそうだけど、昇りがちょっときつい。
ゴーレムに運ばせるのもありかな。
「ナノ、ゴーレムで人を運べないか?」
『ゴーレムタクシーか。いいねぇ。やろうか。形は多脚戦車で良い?』
「虫型のあれは不味いよ」
『二足歩行は安定性に欠ける』
「譲っても馬型だな」
『8本足の馬とか良いかもな。確か神話にあったぞ』
「知らない神話だね。ナノが言うのなら、そういうのがいそうだ」
人型のゴーレムが8本足の馬になる。
『乗ってみて』
「うん」
乗り心地は普通の馬と変わらない。
足が多いので安定性は良いようだ。
山の坂でも、ものともしない。
『空を飛べたらもっと便利になるけど、規則で出来ないんだ』
ナノも規則に縛られているようだ。
「残念だね」
8本足のゴーレム馬は凄く流行った。
「道を広めに作っておいて良かったよ」
『銀河連邦標準の道幅だから。これくらい広くないと暴徒鎮圧用の戦車が入れない』
精霊の世界にも暴徒がいるんだな。
戦車を使って鎮圧しないといけないなんて、物騒な話だ。
精霊の持っている力を考えたら仕方ないのかも知れないけど。
山はますます便利になった。
安心安全で、交通の便利も良い。
ゴーレムが絶えず巡回しているので盗賊や不貞の輩の心配が要らない。
馬の形をしていても、いざという時は人型に戻る。
土地のほとんどは売れ、遂に金貨1万枚分の財宝は貯まった。
商業ギルド経由で国に払う。
肩の荷が一つ下りた気分だ。
Side:ハイチック8000
8本足の馬ゴーレムを運用する事になった。
虫型も良いけど馬型も良いな。
そろそろ、ワープ付きドローンが見つけた無人惑星から資源を採取しよう。
それには輸送船を作らないといけない。
資源が山ほど要る。
山一つくり抜いたのでも、1隻が限界だな。
人目につかない所で作りたいな。
浪漫的には湖か。
俺はプランタートラックを総動員して、湖に資材を持ち込んだ。
「ナノ、何で湖に資源を持ち込むの?」
スパロが湖の視察にきた。
めんどくさいな。
『星々を渡る船を作る』
「えっ空の星を渡るの?」
『ああ、そうだ。ロマンだろ』
「うん。星の世界を見てみたいな」
【宇宙に関する情報は開示出来ません】
『駄目だってさ。規則なんだよ』
「分かるよ。神々と精霊が住む世界なんだよね」
『まあね』
適当に誤魔化せたな。
星なんて、ただのでかい火の玉なのに。
輸送船が完成した。
スパロと共に出発を見守る。
反重力エンジンが起動して船体が湖の底から浮かび上がってくる。
舟はイルカを思わせる形をしている。
「すごい、小さな街ぐらい入りそうだ」
『恰好いいだろ。ドルフィン1号だ』
「ナノはあれに乗って帰ったりしないよね」
『しないぞ。事情があってしばらく地上にいる』
「どれくらい」
『人間の寿命より長いかもな』
「そっか。安心したよ」
ゴーレムのカメラでドルフィン1号を追う。
段々と小さくなって最後は豆粒になった。
資源を集めるのは良いけど、何に使おう。
宇宙船を作るのはありだけど、帰れないのに作っても意味がない。
帰れそうにもないし。
スパロが治めている村を近代化してみるか。
高層ビルとか建ててさ。
【実現には領有権の交渉をして下さい】
領有権を認めさせるのは至難のわざだな。
国の中に他国の飛び地が出来るのを歓迎する為政者はいない。
スパロの物は俺の物ってわけにはいかないよな。
それが通用するならベルベルちゃんの裸を拝んでる。
とりあえず道路と水道のインフラに資源を使おう。
地味な仕事で嫌なんだが後進国支援だとそんなところかな。
もちろん金はとるけどもな。
金=資源だものな。
資源使って資源を得る。
ほとんどただ働きの無意味じゃないか。
俺って要らない子。
駄目だ。
こんな事を考えると、消滅してしまう。
何か目標を持つんだ。
長期目標はエッチ。
短期目標は?
そうだ、イユンティちゃんの布教活動を手伝おう。
きっと俺に惚れてくれるはずだ。
ベルベルちゃんは諦めた。
スパロとよろしくやれよ。




