第19話 スキャンと、罰
Side:スパロ
『スパロ、お願いがある。イユンティちゃんにスキャンさせてくれないか聞いてくれ』
「変なお願いだけど、聞いてやるよ。精霊の言う事なんだし」
畑で祈りを奉げている聖女様を待った。
「何かお話でも?」
「精霊様がスキャンしたいと申してます」
「それはどのような儀式なのですか?」
「立っているだけで良いのです。採寸作業のようです」
『いいか、ここは重要だぞ。データは精霊と契る為に使用しますと伝えてくれ』
「データは精霊と契る為に使用しますと精霊様が申してます」
「それはどういう意味でしょう」
『あー、分身を作って、それが精霊と共に暮らす』
「聖女様の分身が精霊様と暮らすようです」
「聖女様、騙されてはなりません。これではまるで結婚です。契るとはあれを意味しているとしか」
「あれって何です?」
「こ、子作りです」
「まあ、私の分身が精霊様を身ごもるのですね。良いですよ」
『やったー!』
「聖女様!」
「だって、精霊様の子をなすだなんて、光栄な事だと思います。まさか否定しませんよね」
「ですが」
『ええと子はなせない。子供は出来ないんだ』
「聖女様、子供は出来ないようです」
「では子作りは出来ませんね。スクルス教では楽しみの為の姦淫を禁じています。教義には逆らえません。ですが、話し相手などで無聊をお慰めする事はできます。スキャンして良いですよ」
『くそう、何で上手くいかないんだ。とっつあん、そりゃないぜ。でもスキャンはしておく』
聖女様は女だけどね。
『終わったぜ』
「スキャンが終わったようです」
「何も感じないのですね。畑の作物が出来るのも魔力を感じませんでしたし。精霊の力でしょうか。精霊様にお願いがあります。私の分身に会わせて下さい。挨拶をしたいのです」
聖女様とそっくりな人間が空中に浮かんだ。
だけど、なんというか作り物めいた感じがある。
そうか、感情が無いんだな。
魂が入ってないのかも。
「精霊様のお世話をよろしくお願いします」
空中の聖女様が頷く。
そしてほほ笑んだ。
やっぱり人形みたいな感じは拭えない。
「精霊様に仕える私と、聖女の私。どっちが幸せなんでしょうか」
聖女様にも悩みがあるんだな。
Side:ハイチック8000
くそう、上手くいかない。
スキャンは出来たがエッチは出来ない。
裸にして眺める事も出来ない。
フィギュア代わりにしかできない。
VRに飾っておく物が増えただけだ。
RPGのパーティメンバーには出来るけども。
自棄ゲームだ。
【ログイン。行くぞ、イユンティ】
【お供します】
ゲームバランスは無茶苦茶だった。
イユンティ鬼強。
魔法バンバン撃って敵を寄せ付けない。
クエストクリアで褒美にエッチがあるなら、それでも良いんだけど。
こんなの楽しくない。
ウィルダネスウルフの大群がやってきた。
弾幕をすり抜ける奴が1頭。
俺はイユンティちゃんを庇った。
手は胸に行く。
至福の柔らかみが電子の脳を刺激した。
【辛抱、たまらん】
【使用許諾外です】
イユンティちゃんが消え去った。
俺のアバターはウィルダネスウルフの大群に四肢を噛みつかれた。
【痛い。ログアウト。何っ、ログアウト出来ないだと】
【使用許諾外の刑罰です】
【痛いって言ってるだろ。離れろ。くそっ、いだだぁ。くぁwせdrftgyふじこlp】
俺は気を失った。
気付いたら、アバターは骨になっている。
プロメテウスじゃないんだぞ。
俺のアバターが復活した。
ウィルダネスウルフの大群がまたやって来るのが見える。
うそん。
くぁwせdrftgyふじこlp。
もうやだ。
何回か骨と生身を繰り返した。
【刑罰終了】
酷い目にあった。
エッチな箇所は触れないようにガードを付けよう。
それにしても柔らかかったな。
ほわぁ。
天にも昇る気持ちとはこの事だ。
これでまた24時間戦える。
宿屋作ろう。
そうしよう。
ピンクの照明に、振動するウォーターベッド。
透明なガラスに仕切られたバスルーム。
うん滾ってきた。
【ログイン。宿屋にワープ。イユンティちゃんカモン】
よし、見られている場面完成。
今度こそ発電作業だ。
あの柔らかさを思い出して。
俺がエンジンになる。
筒の中をピストンが前後運動をした。
そして、ピカーっと。
ふひぃ、満足した。
賢者タイムだ。
コーヒーよ、来い。
イユンティちゃんがコーヒーを持って来てくれた。
あー、押し倒したいなぁ。
欲望に負けそうだ。
でも負けたら酷い事になるんだろうな。




