第17話 借金完済と、光源氏計画
Side:スパロ
遂に借金を完済したぞ。
収穫物の換金で来た街でガッツポーズをした。
金は商業ギルド経由で送ったから、受け取ってないとは言わせない。
奴らはどういう手でくるかな。
本当はナノの盗難の罪で訴えたいけど、証拠もないし、裁判しても負けるだろうな。
今のところ打つ手がない。
放置しておきたくはないが、仕方ない。
警備の冒険者を雇ったけど、今はこれぐらいしか出来ないな。
余った金でナノに鉱石も買えたし、村人へのお土産に食料も買った。
ナノの畑の肉や穀物が不味いっていうんじゃないんだ。
色々な物を食べたいからね。
「ベルベル、服を買ってあげるよ」
「嬉しい」
ベルベルに手を引かれて洋服屋に入る。
「選んで」
「女性の服はあんまり詳しくないけど、この青色のワンピースなんかどうかな」
「お客様、女性にワンピースというのは安直です。ここは大人びた服を選んで上げたらいかがでしょう。こちらなど、どうです?」
勧められたスカートを見る。
丈が短い。
ベルベルがそれを見て顔を赤くする。
「ちょっと派手だと思うけど。そうだ、大人しめのと派手なのと二つ買おう」
「それは良い考えです。普段着と彼氏のデートだけに使う派手な装い。ぐっときますね」
「じゃあ、これとこれ」
「派手なのは着ないから。でもスパロがどうしてもと言うんだったら」
「村じゃ誰も気にしないよ」
「もう、そんな事を言うと着てあげないわよ」
「じゃあ、二人で景色の良い所に行こう。モンスター討伐で良い場所を見つけたんだ」
「危なくない?」
「大丈夫だよ、ナノの弓と剣があるから」
『青春しやがって。きーっ悔しい』
「ぷぷっ」
「笑う事ないじゃない」
「ナノが悔しがるから、面白くって」
「そうなの。じゃあ後でゴーレムとデートしてあげる」
『ベルベルは天使だ』
ベルベルにプレゼントも買ったし後は。
「忘れ物はないよね?」
『精霊の宣伝を忘れている』
「へっ。どうやるの」
『名入れのグッズを作る』
「どんな?」
『こんなだ』
ゴーレムのお腹が開き、鉄のカップが出て来た。
手に取ってみる。
おいでよ、ティトマウス村、精霊が待っているよと刻まれていて、この街からの地図も刻まれている。
「これをどうするの?」
『土産物屋に格安で卸す。安かったら旅人が使うだろ』
「なるほど」
『見た人が精霊に会いに来るってもんだ』
まあ、良いけどね。
鉄のカップ100個を土産物屋に売った。
Side:ハイチック8000
服屋の出来事が悔しくってオイルの涙が出そう。
ベルベルはもう、スパロの物なんだな。
そう思うとベルベルへの気持ちが薄まった。
だけど、性欲は別物。
なんとしてでも、ベルベルのスキャンデータを手に入れる。
そして、VR空間であんなことやこんなことをするんだ。
ひとの女、関係ないね。
俺はVRでハーレムを作るんだ。
女は何人いても良い。
【童貞臭がする男性はもてないそうです。データにも出てます】
【大きなお世話だ】
くそう馬鹿にしやがって。
後で見てろよ。
各AIユニットにVRのがわを作ってヒーヒー言わせてやる。
そういうプレイも良いな。
おっと、精霊の村を宣伝しないと。
宣伝の為に鉄のマグカップを作った。
これで女性が沢山会いにきてくれると良いんだけど。
待てよ。
ゴーレムに単独行動をとらせたらどうだろうか。
でも見た目がゴーレムじゃ、女は口説けないな。
やっぱりスパロがいないと駄目か。
そうだ。
光源氏計画だ。
孤児を村で育ててゴーレムをお父さん役にしよう。
AIなら子育ても出来るはずだ。
【思春期に反発されなければですね。お父さんキモイと言われる確率99.9999%】
【馬鹿にしやがって】
だが、孤児を村で育てるのは良い考えだ。
後でスパロに提案してみよう。
スパロが帰ってくるまで、作ったVRゲームで遊ぶか。
【ゲームスタート】
草原を行くとゴブリンが現れた。
杖を取り出して、スパロのアバターが火球を放つ。
ゴブリンは火に包まれ死んだ。
杖装備だとゴブリンも楽勝だな。
ウィルダネスウルフが現れる。
放たれた火球を避けるウィルダネスウルフ。
スパロのアバターは首筋に食いつかれて死んだ。
くそっ、後衛一人じゃゲームにならない。
やっぱりハーレム軍団を作って一緒に冒険したいな。
アバターもスパロじゃなくて、脳をスキャンした時の姿にしたい。
クエストをやり遂げた時のエッチシーンを早く作りたいな。
エロがないゲームなど、ゲームではない。
エロが抑えられない時のマニュアルは?
【おっと、それ以上踏み込むのは危険だ。アッー!】
どういう意味だ。
アッー!で検索と。
くそっ、嫌な物を見ちまったぜ。
いくら同性だけの船員が乗ると言ってもこれはないだろう。
ベルベルの顔を見て忘れよう。




