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今世はのんびり釣りをしたい ~元技術者で今は冒険者の、微妙にままならない日々~  作者: 於田縫紀
第2章 猫の餌付け? あるいは比較的平和な釣りと採取の日々

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第31話 予定の決定

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

 俺は依頼票をさっと一読する。


『調査業務。内容:カサクラ廃坑内部の調査。報酬:原因究明で394万円。解決で1,027万円。原因の一部解明、及び廃坑内部の情報入手等の場合は3万円~。依頼元:ヘルミナ国東部治安事務所

 内容:カサクラ廃坑は王国歴192年3月に大量の魔物が出現して以来、廃坑となっている。この廃坑の現状を調査すること。そして可能なら魔物出現の原因を究明すること。更に可能なら本事案を解決することを目的とする。

 以下は参考事項。

 ① 魔物の出現理由は不明。魔物出現前日に採掘現場奥で落盤のような轟音が聞こえたという証言があるが未確認

 ② 坑道の全長は2,435m。詳細は別添資料の通り

 ③ 出現した魔物はポイズンスライム、ゾンビバット、ポイズントード。ただし調査したのは入口付近のみ

 ④ 最近は魔物が坑道から外に出てくる事はない

 ⑤ 坑道内を流れる水は毒汚染されている。現在は坑道前に大型沈殿池を設け、毒水の流出防止中』


 カサクラはミシェルミー川の支流、ラグライダ川の上流にある村だ。

 距離は此処ドーソンの町から200km程度と、そう遠くない。

 しかしこの依頼内容は、ちょっと……。


「この依頼は、俺の能力の範囲外という気がするのですけれど」


「エイダンさん1人にお願いする訳ではありません。エイダンさんには偵察代わりに透視魔法を使っていただく他、行動中の食料運搬、飲用可能な水の確保、大量に魔物が出現した際の電撃魔法による掃討などをお願いするつもりです」


 確かにそれらの業務ならば俺には可能だ。

 クリスタさんの説明は更に続く。


「エイダンさんの他に、前衛攻撃要員の戦士を1人、治療回復及び抗毒魔法を使用する補助魔法使い1人を予定しています。坑道内では多人数では動きがとりにくいので、3人で行動する予定です」


 なるほど。それなら何とかなるかもしれない。

 3人というのは人数的に最小限という気がするけれど。

 待てよ、これだけ人数が少ないという事は……。


「3人と言う事は、今回は調査が目的で、解決までは考えていないと思っていいでしょうか」


 それならそう危険な事はない筈だ。

 クリスタさんは頷く。


「基本的にはその通りです。ただ狭い坑道では、B級5人程度のパーティよりむしろ戦力は上でしょう。エイダンさんの雷撃魔法は出力的には攻撃専門のA級魔法使い並みです」


 確かに俺は、攻撃魔法に転用可能な魔法を幾つか持っている。

 その気になれば攻撃魔法使いとしても、それなり以上には強いだろう。

 戦闘経験はほとんど無いけれど。


「また今回前衛をお願いする予定の戦士も、戦力は並のB級以上と思っていただいて結構です。剣も槍も人並み以上に使いますが、本来は籠手を使用した近接格闘術を得意としています。本人にB級になる気がないのでC級ですけれど。性格的にも初心者には親切で親しみやすいです。欠点は若干大食いという点ですが、エイダンさんの魔法収納(アイテムボックス)があれば問題無いでしょう」


 ならパーティを組む相手として申し分ない。

 特に前衛を安心して任せられるのはありがたい。

 俺は実戦経験がほとんどないから。


「また補助魔法使いも、それなりの戦力になる事を保証します。補助魔法や回復魔法の他に、氷系統と風系統の攻撃魔法も使えますから」


 補助魔法使いというよりは全方位魔法使いだろう、それは。

 頼りにはなるけれど。


「パーティ装備や食料等の準備は、こちらで致します。ただし資材の積み込みと現場までの戦士の移動は、エイダンさんにお願いする予定です。エイダンさんの魔法収納(アイテムボックス)なら生きている人間であっても収納可能ですし、時間停止タイプですから収納して問題が生じる事はないでしょう」


 なるほど。そうやって高速移動魔法を使えば戦士の人も移動出来る訳か。

 でもそうなると、補助魔法使いさんはどうなのだろう。


「補助魔法使いの方は、現地近くにいらっしゃるのでしょうか?」


「補助魔法使いの移動については、考えなくても問題ありません」


 よくわからないが気にしなくていいようだ。


「今回の調査依頼は、2泊3日を予定しています。補助魔法使いが脱出魔法を使用可能ですから、3日目の昼過ぎまで調査にかける事が可能となっています」


 ここで日程を確認しておこう。


「1日目に此処ドーソンを出て、3日目にドーソンに戻ってくるという事でいいでしょうか」


「その予定です。エイダンさんが承知していただき次第、戦士の方と接触して、日取りを決めます。おそらくは来週第2曜日になると思いますけれど」


 この世界は1週間は6日だ。

 今日は第4曜日で、第6曜日がお仕事休みの日となっている。

 つまり来週の第2曜日は、4日後だ。


「補助魔法使いさんの方は、大丈夫なのでしょうか」


「大丈夫です。ただそちらもあまり手間はかけたくないので、2泊3日と最小限の日程になります」


 2泊3日という事は、洞窟内で仮眠等をする事になるのだろう。

 そういった場合、ただ討伐だけでなく見張りとか料理当番とか色々な役割がある気がする。


「俺はご存じの通り冒険者としての経験が少ないですし、パーティを組むという経験もはじめてです。それでいきなり野宿ありの依頼を受けても大丈夫でしょうか」


「今回は現場で宿泊しますが、通常の野宿よりは負担がかからない方法を考えてあります。その分エイダンさんの魔法収納(アイテムボックス)に頼ることになりますけれど。ですので心配する必要はないと断言出来ます」


 なるほど。なら……

 他に問題は無さそうだ。


「わかりました。それではその依頼を受けます」


「ありがとうございます。それでは他とも連絡した上、決まり次第エイダンさんに連絡を入れますので、よろしくお願いいたします」


「こちらこそよろしくお願いします」


 結局ミーニャさんが危惧したとおりになってしまったなと思う。

 でも今の話が確かなら、問題はないだろう。

 クリスタさんの説明に嘘や誤魔化しはないだろうと思うし。


 さて、来週に依頼を受けなければならない訳だ。

 ならその分、今週の残りは釣りや釣り道具作成に力を入れることにしよう。

 さしあたっては新しいリールを作ろうと思っている。

 鉄製スピニングリールはやっぱり重くて、コントロール性が今ひとつだから。

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