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ある日の日記  作者: 朝日奈流星


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退屈な日常の些細な日記 251109

普段の生活。何気ない日常。喜怒哀楽もあります。

そんな些細な日常の何でもないことから

わたしの気持ちが高揚することもあるのです。

御一読いただけたら・・・


これは大変に嬉しい出来事のひとつです。

 このシリーズの第一話が過去の出来事であることをお許しください。


 桜の花が咲き始めるのも近い3月の末頃。

わたしは所用で西日本の中国地方のとある街まで新幹線で移動していた。品川駅からの乗車だったが途中の停車駅からは様々な人々が乗り降りする。

 指定席通路側に席を取っていたのだが、外の景色ばかり見ているわけにもいかず仕方なしに雑誌やスマホを眺めているのだった。

 やがて富士山が見える頃になると通路を挟んだ左後方の座席が賑やかになって来た。

外国の方達であろう。

『フジサン!$#@%!?&!!*』

などと大声で話している。しかし彼らの席からでは座っていては富士山の姿は拝めないのだろう。通路を挟んだこちら側に押し寄せてくる勢いである。

 彼らは若いから注意すれば大人しくなるだろうが・・・

せっかく「 JAPAN 」まで来たのである。ここは気持ちよく日本一の「富士山」を拝ませてあげたい!

の一心で一時的に席を譲った。

 彼らは思う存分写真を撮ったみたいだ。ひとしきりシャッター音が響いたら席に戻った。席に戻ってから丁寧に礼を述べられたあと、未開封のイカの珍味を差し出されたのだがここは丁重にお断り申し上げた。

「 旅の道中はお互い様 」ていうのもあることだし。お互い気持ちよく過ごせればそれでいい。


 しばらく退屈な時間が続いた。東京から中国地方までは結構な時間がかかるのである。本州最西端の山口県まで約4時間と少し。話し相手のいない独りの時間は長く感じる。

 やがて新幹線は新神戸に到着した。私の席から通路を挟んで左前方にある女性が座った。

歳は30代の・・・後半になりつつある、といったところであろうか・・・顔は見ていないのではっきりとはわからないが。女性に対する感性は人一倍あると自負するわたしが言い切るので間違いはないと思うが、決して嫌なタイプの女性ではない。むしろ好感が持てるのだが・・・


 好感が持てるのにどうして『・・・』なのかというと

彼女の雰囲気がとても通常とは思えなかったからである。

なぜか。

それは初対面で顔すら拝見していないのに、明らかに悲しみに満ちた雰囲気だからである。それは数分後に明らかになった。


 彼女は席に座るなり誰かと文字(LINEなど)で連絡をしていた。ひと通り連絡は終えたみたいである。


 【ここではっきり言っておくが、わたしが彼女の動作をチェックしていたのではないことは最初に言っておく。あくまでも偶然目にしたことだけをかいつまんでいるだけだ】


 なんということか

斜め後ろから眺めていてもはっきりと分かるのが、どうやら彼女の目には涙が溢れているらしいことである。ハンカチで目頭を押さえているようだ。不謹慎ながらわたしは最初「遠距離恋愛の彼氏にでもフラれたのか」と思ってしまったのだった。(彼氏、または不倫相手とか)


 彼女の涙はしばらく続いた。


驚いたのは(見ていたのではなく何となく目にした結果だが)


スマホの画面は何も変わらず、だ。

送信も返信もない


ずっと変化なく同じままだ。


ここで初めて気が付いた。

先ほどの無粋な憶測を心から謝らなければならないと感じた。

画面の相手は、 もしかして親?!


彼女の年齢からしても親は決して「若い」とは言い切れないだろう。御健康であるかどうかも分からないが・・・返信がないということは

・・・過去を振り返り親との交流の記憶を・・・


神戸からここ中国地方の街。

すぐに帰れる距離じゃない。


もし

万が一


間に合わなかったのなら・・・


スマホの返信が更新されてなかったのも・・・もう・・・


もしそうだとしたら

わたしは彼女にひと声でもいいから声をかけてあげたかった。

だけど真相は分からないし変に思われるだけだ。


あろうことか、彼女はわたしと同じ駅で降りたのだった。

ホームに着くと足早に改札を出たであろう。

初対面で何か声を掛けるわけにもいかず、彼女の心情を思うとやりきれなかった。



今、季節は秋。

なぜ今になってこの出来事を思い出したのかはわからないけど


あの時の彼女へひと言・・・


『悲しいことがあっても いつかそれ以上の喜びが訪れる それを叶えるのは貴女自身です

どうか 幸せな人生であってほしい』


たかが人生の一瞬のわずかな時間でも同じ空間にいただけでも

それでも何かの縁。

貴女が今、幸せであることを

遠いこの地より祈っています。



人は生きていれば毎日何かしら出来事があります。

そんな

「何かしら」

の小さなことから

少しの幸せを見つけられたら。

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