✦ 第五章：暁の息吹 ✧
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森はゆっくりとした息吹とともに目を覚ました。葉先にきらめく露は細かなガラスの粒のようで、暁光が木々の隙間から差し込み、湿った大地に温もりの瞬間を奪い取る。しかしそれは欺くような美しさ――嵐の前の静けさであった。
ロイドは巨大な木の幹にもたれかかり、胸を苦しそうに上下させていた。肩と腕には乾いた血がこびりつき、一挙一動が皮膚を焼くように痛む。それでも彼の瞳は内側に向けられていた――自分自身の鼓動とは別の脈動を聞き、大地が彼の名を囁くかのように感じる何か隠されたものを。昨夜の記憶がよみがえる――悲鳴、血の熱い鉄のような味、制御する奇妙な感覚。
彼は目を閉じ、息を整えようとした。胸を静かな湖のようにしようと試み、呼吸が落ち着くにつれて内心で呟いた：集中せよ、感じよ、恐怖に語らせるな。すると、まるで血管を何かが流れるように、胸から指先へ温かな刺痛が広がるのを感じた。それは気の一端――闇の底にある小さな光であった。
重い体を引きずって立ち上がり、慎重に地面を踏みしめた。昼間の森は容赦ない――拳ほどの虫の音、ベタつく植物の臭い、ほとんど窒息しそうな静寂。一歩一歩が慎重さの教訓であった。肩の傷を覆うために広い葉を取ると、ゆっくりと動き、今日のためのより良い隠れ家を探した。
その時、沈黙を轟音が破った――普通の咆哮ではなく、地の底から響くような音。それと共に木々の葉が震え、空気にかすかな衝撃が走った。霧の中から巨躯が現れた：黒熊、岩塊のように巨大で、毛皮は露にきらめき金属の輝きを帯び、双眸は血のように灼熱していた。男の指ほどの長さの爪は、一歩ごとに大地を引き裂く。
ロイドは凍りついた。喉はカラカラで、寒気が骨髄まで這い上がる。熊は一震いすると、猛然と突進してきた。
この獣は狼とは違った――肉と筋肉の山であり、突進する際には湿った毛皮から鋭い臭いが放たれ、砕かれた草まじりの水しぶきが飛んだ。ロイドはかわそうとしたが、その爪は近くの木の幹にぶつかり、もろい枝のようにへし折った。木片が空中に散り、一つが彼の頬に当たり、新たな血流が伝った。
ロイドは密集した木々の間を駆け抜け、熊を直接追わせずに柔らかい土地へ誘導しようとした。恐怖は明らかだったが、それはすぐに計算へと変わる。昨夜の感覚を思い出した――狼たちの血流を感じ、彼らより先に息遣いを聞き取ったあの感覚。今回は無謀な賭けではない――追える細い糸があった。
大きな傾いた木の陰で突然止まると、木の剣を握りしめて関節が白くなるまで力を込めた。獣が通る隙間を見据え、息を詰めて集中した：胸の軽やかさ、鼓動、大地の震え…そして聞き取った――右側からの熊の足音、かすかなよろめき、バランスを取ろうとする樹皮への衝撃。
熊が選んだ経路近くに足を踏み入れた瞬間、ロイドは跳んだ――無軌道ではなく、斧のように。片腕を前に、咆哮を上げ、鋭い音を立てる刃。鉄が皮膚に触れる反響、空気から滴る音：剣が空間を切り裂き、獣の肩端に命中し、刃が厚い皮に触れた時に細かい火花が上がった。血は切断された動脈のように噴出し――熱い鉄の臭いがロイドの鼻を満たした。熊は咆哮し、激しくもがいたが、倒れはしなかった。
反動でよろめくロイドの手のひらは握りしめた痛みを感じたが、彼は苦い笑みを浮かべた。成功だ。神経や腱を断つ一撃ではないが、もっと重要なことをした――突破口を開き、この巨体に計算をやり直させるには十分な痛みを引き起こした。
獣は執拗に襲いかかり、その衝撃はロイドの胸から息を搾り取った。彼は痛々しい腕の下を滑り抜け、舌を出して息を切らし、毛皮と汗の混じった香りが鼻を満たした。時間が凝縮されるのを感じた――動作はすべて遅く、空気はことさらに重い。瞬間を選んだ：後脚への素早い一撃、骨の軋む音、熊はひざまずいた。傷口から血が迸り、細かい流れとなって草を覆った。
ロイドは大して喜ばなかった――喜びなどこの瞬間にあるはずがなかった。獣の動揺につけ込みさらに前に出ると、ほんの数秒だけ息をついてからその胸へ跳び乗った。小さな手が分厚い皮膚に食い込もうとする。第二撃――木の刃が厚く熱い肉塊を貫き、血の臭いが歯の間に充満した。熊は長く続く苦痛の声を上げ、狂ったように彼を振り落とそうともがいた。
地面に捻じれ落ちるロイドの手元は土の上を滑ったが、彼の手は止まらなかった――ここで斬りつけ、そこを突き、一撃一撃が残酷かつ活発に制御される。決定的な瞬間、彼は熊の肋骨の間に隙間を見つけた――とどめを刺そうと剣を固定させようとしたが、背後で何か巨大なものが空気を震わせた。
stray rockが上から降り注ぎ、彼の頭部を打ち皮膚を切り裂いた。一瞬視界が揺らぎ、冷たい血が額を伝い、すべての動作が神経を引き締める裏切りの糸となった。熊は今にもその爪を彼の首に埋めようとしていたが、突然速度を落とした――森の何か別のものがそのリズムを乱したかのように。ロイドはそれを震えながら目にした：動きが遅くなる…何か別のものを感じている。
ほぼ最終的な疲労の中、彼はどうにか剣を熊の胸深くへ引きずり込んだ――精密な一突き、心臓を断つ刃。身を引くと、空気は熊の倒れる金属的な断末魔で満たされた。最後の一撃がその頭部に加えられ、すべてが止まるまでが一時間にも感じられる一分が過ぎた。
沈黙が訪れた――湿った毛布のように重い。散らばる三つの体――月明かりにきらめく小さな血の水たまり。ロイドはひざまずき、息を切らし、唇を舐めながら全身の筋肉が悲鳴を上げるのを感じた。傷は脈打ち、汗と血が顔で混ざり合った。
努力して近くの木に登り、陰になった枝に座った。額を押さえる布切れには血が染み込み、指は血にまみれ――一針一針が新たな痛みであった。空を見上げると、月は青白かったが、彼の瞳は別の何か――重い決意を輝かせていた。
自分自身に折り重なる中で、彼は聞いた――今回は遠くの振動、森の深部から響くさらなる咆哮、熊よりも強い響き、まるで大地自体がその下で呻くかのように。未知の戦慄が彼の胸に忍び込んだ――これは単なる獣などではない――より大きく、より古く、より残忍な何かが動き始めた印であった。
木々の沈黙は耳を澄ませているようで――風さえもほとんど止んだ。ロイドは力を集め、残った傷を手当てし、次日に備えた。夜は長く、森は――単なる試練場というより――今や彼を新たな存在へと導くか、永遠に滅ぼすかする変容の舞台となった。
✧ 第五章の終わり ✧
また次の章でお会いしましょう。さようなら
