火蓋が切られる
俺は、いつも通り訓練場で、ジョニさんとカリンさんと訓練をしていた。
「カリン、コウゼ、だいぶ仕上がってきたな。」
俺と、カリンさんの対人を見ていたジョニさんはそういった。
「隊長、俺もコウゼも剣技ランクまだまだっすよ。」
「あぁ、ランクは二人ともまだまだだ。けれど基礎は、だいぶできてきた。これならケバブ隊も正式に軍に認められるぞ。」
ジョニさんはそう言った。ケバブ隊というのは国の第三戦力であるのだが、軍としては、国から認められて居ない。その理由は、強いのはケバブ隊ではなく、ジョニさん単体で、えげつない強さを持っているからなのだ。
だけどジョニさんは国王に、他にも人材を用意すれば軍と認めると言われたらしい。そうなれば、正式な国の第三戦力になる。現にこの前の調査では、ケバブ隊ではなく、ジョニさん一人が呼ばれたらしい。
「だがコウゼ、お前はこんなところにいる能力ではないからな。もっと強くなれるはずだ。」
これもジョニさん毎回言ってる。
俺はある程度まで強くなったらケバブ隊にはいられなくなる。それは、もう決まっていることだ。ジョニさんがいうには、そろそろコウゼは、はじまりの剣士のほうに持っていかれると言っている。だから、強くなるというのは、俺的には嬉しいんだけど、もうジョニさん達といられなくなると思うと、少しさみしいことでもある。
そんな中、「ウー、ウー、ウー」
「な?なんだ!?」
急に訓練場の近くのスピーカーから、サイレン音がなった。
「魔族襲来、魔族襲来、」
「は?魔族?なんでだ?」
ムーマ王国には、魔族が複数人入ると、反応する結界がある。
「ついに、始まるのか。」
ジョニさんはそう言って上を見上げた。
「戦争ですか?」
「あぁ、そうだ。カリン、コウゼ、お前ら今のままでは駄目だ。多少甘く指導していたが、戦争が始まったとなれば話は別だ。」
ついに、魔王陣営との戦争が始まるみたいだ。俺のこの世界に来た目的。魔王を倒すんだ。
「これから、俺達3人集まって訓練場で訓練することは、できなくなるだろう。だが、時間があればその時間全て剣に使え。」
「はい!」
俺とカリンさんは二人で返事した。
国から呼ばれるのはまだジョニさんだけだろう。俺とカリンさんはまだ戦力不足だ。
だけど、みんなからの俺の期待値は、高いだろう。早く強くならなければ。
結局その日、王国内に入ってきた魔族は、魔王の手下で、近衛騎士団がすぐに駆けつけたが、もう何人か住人を殺していて、それは魔王陣営と、ムーマ王国の戦争を決定づけるものとなった。
次の日から、訓練場にくるのは、俺とカリンさんだけになった。ジョニさんは、ケバブ隊の隊長だけど、近衛騎士団とともに行動していて、ジョニさんの肩書きは、ケバブ隊隊長兼近衛騎士団団員となっている。
俺と、カリンさんは黙々と剣に集中し、俺は、剣技ランクBにカリンさんは剣技ランクAになった。
「おまえ、もうランクBまであがったのか。」
カリンさんが俺にそんな事を言ってきた。
「カリンさんこそもうAじゃないですか。あと一つあげれば、Sですよ。」
「ちげえよ。Sにあがるのは極級だけ。初級の俺はAが最大だよ。」
「じゃあ次はレベルあげですか?」
「まぁそうなるけど、戦争が始まった今となっては、森に入ってモンスター討伐とか禁止されるだろうな。危ねえから。」
確かに。レベルあげの森はムーマ王国の結界の外にある。戦争が始まって、どこに魔王の手下が、いるか分からない状況でそんな事をするのは、ただの死にたがりだ。
「だから当分は、お前に付き合うよ。」
「まじすか?それはありがたいです。」
「隊長が、近衛と合流する直前に言われたんだよ。コウゼは、お前に任せたぞって。」
「ジョニさんそういえば大丈夫かな?」
「隊長は死なねえよ。隊長が、負けたことなんて一度も見たことねぇ。」
「まぁ確かに、超強いですもんね!」
「あぁ。」
そう、思っていた。ジョニさんが死ぬことなんてありえないと。俺もカリンさんも。
だけど、現実は違った。
いつも通り剣の訓練をしていたら、全身血だらけのジョニさんが、訓練場に入ってきた。
一旦こっちは休止してます。