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ケバブ隊

俺とジョニさんの特訓が始まってから2週間ほど過ぎた。俺の今のステータスは、レベルはまだまだ変わらず0だが、剣技はFに上がった。普通、剣技ランクをGからFにあげるのは初心者だと1〜2ヶ月くらいかかるらしい。ジョニさんは黒夜剣ダークナイトソードだから何か不思議な力とかあるのか?って聞いてきたけど俺はわかりませんって答えた。

ジョニさんとはだいぶ仲良くなってきていて、ジョニさんは、最初に会った時の優しい爽やかな感じはほとんどなくなり、熱血体調みたいな感じになっていた。たぶん隊の中ではいつもこんな感じなのだろう。人見知りの俺としては、結構ばしばし来てくれる方がありがたい。

「どうだコウゼ、そろそろケバブ隊に挨拶しにいくか?」

そういえばそうだった。近いうちにってジョニさんは言ってたけど、俺もジョニさんも剣の訓練に気持ちが入りすぎて忘れていた。

「流石にそろそろいっときましょうか。」

「そうだな。あいつら、お前の事結構気になってるらしくて、酒場で会うたびに聞いてくるんだよ。」

「そうなんですか?」

俺はこの2週間一度も酒場へ行かなかったのでその事は知らなかった。

「てか、ケバブ隊の人達は剣技ポイント集めなくていいんですか?」

「いや、ケバブ隊には、国から贈呈されたケバブ隊専用の訓練場がある。」

「へぇ~」

初めて知った。

「なら、ジョニさんはそこで訓練しないでなんでこっちに来てるんですか?」

今俺たちがいる訓練場は、誰でも自由に使える訓練場だ。ジョニさんの剣技なら、ここでやるより、ケバブ隊の訓練場でやったほうがもっと伸びるだろう。

「それがさ、この前隊員の奴らに言われたんだよ。隊長がいると、面白くないし、見惚れちゃうから違うとこでやってくださいってな」

うわ。気持ちわかるな〜。

ジョニさんの剣技は確かにとても美しくてとても強い。俺はこの2週間何度かジョニさんと対人で戦ったけど、全くはがたたなかった。

「まぁ、とりあえずあいつらに顔見せに行こうぜ。楽しみにしてるからよ。」

「それはありがたいんですけど、弱さで馬鹿にされたりしませんかね?」

「ハッハッハ、ケバブ隊は、みんなお前とおんなじようなレベルだよ。馬鹿にされたりなんてしない。」

「いや、そんな事はないでしょ。」

俺はツッコんだ。

「みんなお前とおんなじようなレベルだよ。」

ジョニさんはまたそう言った。


「あ、隊長!来たんですね。新人の子連れてきました?」

「おう!連れてきたぞ。」

俺は前に出された。

「こいつが、はじまりの剣士の能力である、黒夜剣を持っている我がケバブ隊の新戦力コウゼだ。まぁみんな仲良くしてやってくれ。」

「おぉ、この人が!噂になってた通りあまり強くなさそうですけど大丈夫ですか?」

なんか俺結構煽られてる?

「大丈夫だって、こいつはまだ剣技ランクFだけどな、試しに誰かコウゼと戦ってみたらどうだ?」

ジョニさんは何を言ってるんだろう。この世界に来て、たった2週間ちょっとの異世界人が国の第三戦力であるケバブ隊の隊員に勝てるはずがない。あ、でも俺最強能力か。

「じゃあ俺やりたいっす。」

「おお、カリンお前がやるのか。」

「うっす!」

ジョニさんにカリンと呼ばれて出てきた男は、年齢は俺と同じくらいだけど髪はピンクでなんかチャラそう。

「あいつはカリン。能力は戦士、初級能力だ。だけどあいつは接近戦に長けていて、近づかれると厄介だ。そこら辺気を付けて戦えよ。」

なんで最初っからちょっとめんどくさそうな相手なんだよ。はぁ。だけどもうやるしか無い。

「二人とも位置について、・・・・・・はじめ!!」

ジョニさんのその声とともに相手は飛び出した。両手に短剣を持ちクロスしながらこちらに来る。俺はタイミングを見計らって木刀を縦に振ったけど見事に空をきった。その隙に相手は内側へ潜り込んでくる。

「もらった!!」

相手は俺の顔めがけて短剣を突き刺そうとする。

バチン!

かろうじて俺は短剣を防いだけど、今のは普通に刺さったら死ぬ。顔見せに来ただけなのに容赦ないな。

「そこまで!!」

ジョニさんの声が響いた。

「コウゼ。今の攻撃をよく防いだな。最初に比べればとても成長している。」

「カリン。よく攻めたな。そのスピードをもっといかせ。」

ジョニさんは、そんな評価を2人にしてから、みんなの方に向いた。

「今のでわかっただろう。コウゼの強さが。みんなコウゼの入隊を許可してくれるか?」

「もちろんですよ。」

そう言ったのはカリンだった。

「俺の攻撃を防げたのは今まで戦った相手の中で隊長でした。けど、今日隊長とそいつになった。あと、最初の一撃、俺はかわしたけど、あたってたら致命傷になってた。」

「カリンがそう言うなら間違いないな。みんなももっと強くなれ。」

隊長はそう言った後、俺を連れて訓練場に戻ってきた。

「あいつ、魔物とか倒したこと少ないからレベル全然あがってなくて戦士なんだけど、剣技の訓練だけはたくさんしててあいつの剣技ランクはBなんだ。ケバブ隊では俺の次に高い。お前は今の試合全然駄目だったなと思ったかもしれないが、まわりから見たらすごいことになってたんだよ。」

そうか?俺は一発外して一発ギリギリ防いだだけだ。

「お前はこの2週間確実に成長してる。このままいったらまじでこの世界最強になれる。」

なんか俺はジョニさんにすごい期待されてるらしかった。

「明日からも訓練やるだろ?」

「やります。」

「じゃあ明日からカリンも呼ぼう。あいつのためにもなるしな。」

「わかりました。」

その後次の日からカリンも加わり俺の剣技ポイント集めは順調に進んでいく。だけど一つだけ、この世界はもうすぐ魔王国との戦争がはじまるということを忘れてはいけない。


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