夏の風物詩!カッパはどこだ!?
8月上旬は忙しかったので夏らしい投稿が出来てませんでしたね〜( ´∵`)ということでカッパです!!
Deum deorsum traheの方はもうしばしお待ちください〜!
少し前、8月上旬辺り。ルツェルンの森に、カッパがいるという噂が立った。アレット森ではない。魔物が出ない森があるのだ。
それをカフェの店員から聞いたシュナは色めき立ち、家の一同にも話す。その時のシュナの興奮といったら、ありはしない。
「カッパだよ、カッパ!皆、探しに行かない?」
「カッパ、ですか…。いいですね」
「ホントにいるのかぁ?」
「絶対可愛いですわ〜!!」
「だよねだよね!皆でカッパが好きそうな食材買ってさ、カッパ探そうよ!!」
「いいですよ〜!」
ということで、着替えて、近所のスーパーに来た。
シュナはシンプルな白Tにジーンズ。Tシャツには"神です"の文字。背中にはアポロンの象徴である太陽のゆるいイラスト。シュナの手書きである。好きな人の関連した物も身に付けたいのだ。しかしいわゆるオリジナルダサTである。
麦わら帽子を被って、夏らしい装いである。
メアリーも今日はピンクのTシャツだ。書いてある文字は、"一番可愛い女"。なににおいてかは書かないのが争いを避けるポイントだ。
背中には歯車のイラスト。機械の扱いが得意な唯理有をイメージしている。
白色のハットを被っていて、涼しげだ。
アスモデウスは黒のTシャツ。筆で書いたようなフォントの、"魔王"の文字を背負っている。とても魔王の服装とは思えないほどダサい。だが主であるシュナのノリに合わせて作って着ている。
スーパーに入ってすぐ、正面には沢山の果物が並んでいた。
そのうちのプラスチック風包装に入った赤色の一つを指さし、シュナは首を傾げる。
「ねぇ、メアリーちゃん。カッパってスイカでも捕まえられるかな??」
「いけるのです!多分!」
「そうだよね〜。私もそう思う!」
2人は気が合う。
ということでシュナはスイカで挑む。余った分は皆で食べよう。
「俺はー……ナスだな!!」
「ナスか〜。確かに夏野菜だしいけそう!」
オリエンスはナスで挑む。
「私はトマトで行きますわ!」
「きゅうりと同じで水分多いもんね〜!」
パイモンはトマト。
「では僕はきゅうりのタタキの梅和えでいきます」
「カッパ梅食べるかな〜?」
アリトンはきゅうりのタタキの梅和え。お惣菜コーナーで買った。
「……レタス」
「レタスか〜!渋くない?ちょっと」
「いい」
アメイモンはレタスでいくらしい。カッパ、レタスなんか食べるだろうか。
「アスモデウスは?」
「そうですねぇ、シャインマスカットはどうでしょうか?」
「えっ、カッパに!?いいなー、私にも一つちょうだい!」
「では2つ買っていきましょう」
アスモデウスはシャインマスカット。
「私はメロンにするのです!」
「あ〜カッパ好きそう!瑞々しくて緑色だし!」
メアリーはメロン。
ということで、各々カッパの餌が決まった。
お会計して、ガッサガッサと袋を持って、森へ行く。
「虫刺されたらヤダからさ、皆に虫除けの魔法かけてあげるね!」
「やったなのです〜!」
ということで虫に刺される心配は無い。
川の近くの開けたところに、目星をつけた。
「えーっと、とりあえずこの辺に並べてみよっか!」
食べ物にも虫除けの魔法をかけて、各々別の紙皿に並べる。
「なんか、半分とかに切ったら匂いが出るかな?」
「それいいですね!」
「じゃあ神力で切っとこう!」
スパ!と幾つか切って、並べておく。
その写真を1枚撮ったアスモデウスが、楽しそうに話す。
「面白いですね。夏休みの自由研究、というやつですか?」
「確かに!魔界にもあるの?」
「魔界にもありますよ。人間のものとは雰囲気が違いますが」
「へー!」
魔界の教育ってどうなってるのだろうか。
「魔界の教育ってどうなってるの?」
「基本は力がものを言いますね。上位者のみ体系立てた教育を受けられます」
「なるほど〜!」
そんな話をしながら、こそこそと近くの茂みに隠れる。
「来るといいね〜、カッパ」
丁度いい姿勢を探しながらシュナは言う。
「そうだな!」
「トランプ持ってきたのです〜!カッパが来るまでやるのです!」
メアリーが小さなバックからトランプを取りだした。
「おや、では私は見張りをしておきましょう。我が君の為に」
「さっすがアスモデウス〜!頼りになるぅ!」
アスモデウスは有能である。
「では、僕も途中で交代しましょう」
「……俺も」
「え、いいの?ありがとうですわ!」
「パイモンは交代しねぇのかよ」
「そういうオリエンスもでしょ?」
「俺はトランプしながら見っから!!」
「ふーん」
パイモンがじとっと疑わしげにオリエンスを見る。が、まぁいいかと視線を外した。
ということで一同はトランプを始めた。ババ抜きである。
「むむむ……こっちだーー!!」
「あー!取られたのです!!」
「あの、もう少し静かにした方がいいのでは……?」
「そうだぞ、来るものも来ないだろう」
「わ、ごめんごめん!」
そんな風にしていた。
しばらくした、ある時。
「っっっ……!!皆さん!皆さん、カッパ来ましたよ!」
アスモデウスが小声で皆に声をかけた。
「えっ、ほんと!!」
「静かにしてください、逃げるかもしれません」
その声で見つかってしまったらしい。
こちらを見たカッパの1匹は、申し訳なさそうに、シャインマスカットを1粒プチッ!と取って、てってっと走って持っていく。
「はっ、はっ、はっ、!興奮が止まらないよ!!」
シュナは顔を上気させて、手をぶんぶん小さく上下に振った。
「カッパって本当にいたんですねっ!!」
「…!!」
「可愛かったのです〜!」
「ですわ〜!」
「アスモデウス、写真撮ったか!?」
「撮りましたよ!!綺麗に収まっています」
皆興奮して、口々に話し出す。
「私のシャインマスカットを持っていきましたね!!」
「シャインマスカットだったか〜」
カッパもシャインマスカットが好きなのか。
その後、またカッパが来た。
「っ!また来ましたよ。別の個体に見えます」
「さっきのも一緒にいるね」
「場所を教えたのでしょう」
カッパが3匹やってきた。友達だろうか。
「何を持っていくのでしょうね」
「見てみよう」
じーっと皆で見つめる。
見ていると、一匹はメロン、もう1匹はきゅうりのタタキの梅和えを持って行った。さっきの個体はシャインマスカットをもう1粒ちぎった。
こちらを少しみて、ぺこっと頭を下げて、てってこ歩いて行った。
「わ〜!可愛かったねぇ!!」
「いい子だったのです!頭下げたのです」
「トマトは嫌だったかしら?」
「1匹につき一つって決めてるのかもよ」
「じゃあ好みがモロに反映されるですわね」
「そうだね〜」
その後の待ち時間、なんとなくトランプも飽きてきた頃に、シュナはボソッと呟く。
「頭のてっぺんから禿げてく人は前世カッパだったんだって」
「え、ホントなのです〜!?」
「ううん、ウソ!!」
「えー?」
来たうちの1匹が、餌の前で右往左往して、悩んでいた。さっきのシャインマスカットの個体だ。次は何を取ろうか迷っているのか。
シュナはスイカを手に転移させ、カッパに近づく。
「これ美味しいよ!食べてみない?」
「か、かぱー!!!」
カッパはビックリして逃げてしまった。
「あ!あーあ……近づいちゃダメだったか〜」
「ちょっと欲張りすぎましたね」
「うん」
その後も何匹かちょこちょこやって来て、3時間ほどで、計18匹やってきた。
「結果は……、スイカ3!」
「ナス1だぜ!」
「トマト2ですわ!」
「きゅうりのタタキの梅和え2です!」
「レタス1」
「シャインマスカット5です」
「メロン4なのです〜」
「……ってことは、アスモデウスが1位!!」
「やりました!!!」
「「「お〜」」」
皆で拍手する。アスモデウスは腕を組んで誇らしげにする。
「カッパも見つかった事だし、帰って残った分食べよっか!」
「はいなのです〜」
皆大満足で家に帰っていった。
そして、そこについて行く影があった……。
帰った一同は、スイカとレタスをシャクシャク食べながら、七輪でナスを焼いていた。
「えーっと、何人でこの10本を分け合えばいいのかな?いーち、にー、さーん、しー…8人?」
「そうそう8人…」
「8?1人多くないですか?」
皆はお互いを見つめ合う。そのうち1人が、間抜けな緑色だった。
「かぱー……」
点の目とシンプルな半月型のお口をした、ゆるい顔の緑色の生き物がいた。
「!?カッパがいる!!!」
「あっ……!み、見つかったカパ……!!」
「きゃー!!かわいいですわ〜♡♡♡」
パイモンはメロメロになって、カッパのほっぺをつんつんした。冷たくてぷにぷにしていて、気持ちがいい。
「お、お前ナスでもいけたのか!!!」
「ただのナスは僕は食べないカパ。焼きナスが一番美味しいって知ってるカパ」
「そうだったのか……焼けばよかった……」
オリエンスはがっくりと肩を落とす。
「はい、どうぞ!熱いから気をつけてね」
シュナが紙皿に分けたナスをカッパに渡す。
「ありがとカパー!スイカでもいいカパよ〜」
「そうなの?でもスイカ持って近づいたら逃げたじゃん」
「その辺の人間達に捕まえられたら命がないカパ!仲間達も気をつけてるカパ」
「意外と考えてる……」
シュナは神妙な顔になってしまった。
「でもここには来たよね?」
「おまえ達は害がなさそうカパ!仕方なく来てやったカパ」
「やった〜」
「ありがたく思えカパ!!」
「なに、カッパだからって傲慢だね〜。私は神様なんだけど?」
笑いながらちょっと圧をかけるシュナ。
「ギャ!!怖いカパ〜。おねえちゃん〜」
カッパはパイモンをおねえちゃん呼びしてその影に隠れる。
「キャーかわいい!♡♡シュナ様カッパのこと虐めないであげてくださいですわ!!」
「あ〜、こいつあざとい!ま、かわいいからいっか〜!」
「シュナお嬢様は私とかカッパみたいに可愛いものには目がないのです〜」
「うん!どうせならさっきの友達も連れてくればよかったじゃん!」
「そこにいるカパ」
「「「えっ!!!」」」
指さされた方を見ると、確かにカッパが2匹隠れていた。
「お、おじゃまするカパ」
「きゅうりくださいカパ」
ひょっこり顔を出して、こちらにやってくる。
「かわいいのが増えた〜!!」
「皆で写真撮りましょう!!」
「いいカパよ」
「あの美味しいきゅうりくれたら撮ってあげるカパ」
ということで、1匹にはキュウリのタタキの梅和えをあげて、皆で写真を撮った。
「美味しいカパー!!」
「よかったねぇ」
「メロンも美味しいカパ!!」
「よかったのです〜」
「焼きナスうめっうめっカパ」
「よかったぜ!!」
美味しそうに好物を食べるカッパ達に、笑みが止まらない。
「トマトも食べる?」
「レタスもあるぞ」
「あ、レタスとトマトはいらないカパ」
「なんでですわ〜!?こんなに美味しいのに!」
「僕達の好みじゃないカパ」
カッパは手のひらをこっちに突き出して首を振り、NO!!の姿勢をとった。その姿もかわいい。
「夏以外は何してるの?」
「洞窟で眠ってるカパ」
「へ〜!」
そんな感じでカッパ達とおやつを食べた。
「川まで帰れる?」
「それが……」
「それが??」
「み、道がわかんないカパー!!」
カッパは泣き出してしまった。バカである。
「わ、わ!じゃあ私が転移門で送ってあげるから、元気だして!」
「わ、ありがとうカパ!!そういえば、名前はなにカパ?」
なんにもなかったみたいにケロッとして(カッパなのに)、名前を聞いてきた。図太い。
「私はシュナ!」
「メアリーなのです」
「アスモデウスです」
「パイモンですわ」
「オリエンスだぜ!!」
「アリトンです!」
「……アメイモン」
名前を聞いたカッパ達は考え込む。
「……シュナだけ覚えたカパ!!」
「「僕もカパ!」」
「ありゃりゃ。じゃあまた今度ごはんあげに行くね!」
「待ってるカパー」
そうして、カッパ達は転移門で帰っていった。
カッパの写真は、友達間だけの秘密にした。カッパに害があったらいけないので。
そうして、真夏のカッパ騒動は終わったのであった。新たなページをアルバムに付け加えて。
感想、星5、ブックマーク、リアクションお待ちしております!この話が面白かったよ、癒されたよって方はぜひ!!してくれた方はありがとうございます!励みになります!




