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神様にお任せ!!  作者: 砂之寒天


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1周年記念!② :唯理有がメアリーにデレる話、世界さんが麗子の良い所を沢山言わないと出られない部屋

唯理有が語るのは短い期間で分かることで、世元が語るのは長い期間で分かることで、対比しています。勝手になった?はい…。そうです。自然にそうなりました。

✤ここで2つ、設定Q&Aを書いておきます。


Q:なんで世界さん達超有力神様はルツェルンの天界にいるのか?コスモポリタンにいればいいのではないのか?

A:シュナがどこかのループでルツェルンに行くことを選び、その後に世界さん達がシュナに興味を持って、同じ世界に生きてみたいと思ってそこに移動したから。


Q:ルツェルンに日本や地球の文化があるのは何故?

A:世界さん(日本出身)達がそうしたから


今現在の私の中での設定です。変化もあるかもしれません。


以上です!閲覧ありがとうございます!1周年記念②、お楽しみください!

────────────────────


 某日。大暑のこの頃、ルツェルンでは最高気温34°Cほどの猛暑が続いていた。肌が痛いほどではないし、外に出るのが嫌になるほどではないが、蒸し暑い。ずっといるとダラダラ汗をかいてしまう。


 メアリーと唯理有(イリア)の2人は、天界のカフェでデートをしていた。


 クーラーの効いた涼しい店内に入ると、まるで天国のようだ。否、天国である。


 注文した品が届いて、2人は見つめ合いながら、雑談していた。

 因みに注文したのは、2人とも季節の桃タルトだ。アイスティーと合わせて、スッキリした夏の甘味を味わっている。お揃いにするところが可愛らしい。


「ムフフ〜メアリーたんは可愛いですな〜」

「唯理有さんも可愛いのです!私の事を見つめる時はいつも甘くって愛おしくて堪らないって顔をしてるのです!」

「えっ!?デュフ、そうでござるか?照れるでござるな〜」


 美形2人がデレデレしているのを周りは微笑ましい気持ちでスルーしている。


「唯理有さんはぁ、私のどこが好きなのです?♡」

「え、でゅふっ、言っていいんでござるか?」

「もちろんなのです!」

「長くなるでござるよ?」

「嬉しいのです!」

「じゃ、遠慮せず。ッスー…。」


 唯理有は大きく息を吸って、そろばんの10段の読み上げ算くらい早口で話し出した。


「最初に一目見た時は、拙者に使わされた神の使いかと思ったでござる。てかうちの天使より天使してた。そのほんのりピンクに染まったほっぺ、プランパー塗ったんかってくらいぷるっとした唇、パリジェンヌ翌日ばりのくるんとした長いまつ毛。ピンクの超似合ってる髪色。ツインテールはあざと可愛すぎて反則っすわ。ほのかに香る甘い匂い。大きなピンクの瞳は星空みたいにキラキラきゅるきゅる光ってて、凄く惹き込まれたのを覚えてる。でも見てるだけで可愛すぎて照れてきちゃって、真っ赤になったの覚えてるでござるww。いやーあの時はやらかしたでござるな、無事付き合えたから良かったものの、神だからっていきなり告白は人間界では危ないですわww。でもそれでも付き合ってくれたメアリーたその寛大さと言ったら……。それに、料理も凄く出来るし、家事も完璧…らしいでござるな?ほんと嫁ポイント高すぎない?性格のぶりっこさも最高でござるし、仲良い人にだけ見せるいじわるな面も可愛くて好き。拙者にだけみせる優しい慈悲深い顔も大好きでござる。母性たっぷり笑みまじ最高……。死んだ後も拙者の所で一緒に一生暮らそうね♡」

「え、死んだ後も一緒になれるのです?」

「は?当たり前では?ww離れられるとお思いで?」

「いや、嬉しいのです!唯理有さんのこと大好きなのです♡」

「フヒヒ、拙者もメアリーたんのこと大大大好きでござるよ♡」


 そんな甘々な雰囲気の2人だった。


「絶対離さないからね…♡魂も骨の髄までも拙者のもの……♡」


 唯理有は影の差した大きな笑みを浮かべた。


 メアリーはそのボソッとした小さな声を聞きとったが、その重い愛を受け止めて、幸せそうに微笑んでいたのだった。


────────────────────


 休日を過ごしていた世元。今日は麗子とゆっくり過ごす予定だったので、世元は自室で待っていたのだ。


「ん?」


 今、人の気配がした。ドアの向こうに。だが、麗子のものではない。


「誰だ?」


 ギィ……。少し重たい扉が開く。


「あぁ、お前か、ル────────」


 世元が彼女の名を呟こうとした、瞬間。

 目の前が真っ白になった。


「ーマ……は?」


 周りを見渡す。12畳程の普通の部屋。壁は真っ白で白いソファが2つと机が1つある。


「はー……。なんのつもりだ?ルーマ」


 ため息をついて髪をかき上げた世元が、真っ直ぐ正面を見たまま声を出す。すると、その場に人が現れる。薄いオリーブ色がかった長い髪の女。彼女の顔が静かに悪戯な笑みを象る。


 ルーマは、密室の神。条件をつけることによって出られない部屋を作ることの出来る神様だ。割と古参だが、何回か転生している。条件を達成しないと出られない部屋というものは、かなり昔から存在するものだ。

 人間も経験しており、その時から独特な話し方をする。地はそれだが、一部の人の前以外では普通に話す。独裁者に憧れており、とある世界では一国の王をしていた。


「へへへーへ・へーへへ、実はとあるお偉いさんから、2人のいちゃいちゃする姿を見たいと言われましてね」

「お偉いさん?俺らを閉じ込められる程の?」


 そんなの2人しかいない。白越とシュナである。

 そして、こんなことを企画するのは、一人しかいない。


「シュナか……。なんなんだあいつ」

「全くだね。人の恋路に首を突っ込むもんじゃない(正論)。まぁこちらも依頼だから、熟すだけでつけど!それじゃ、本日のお題はこちら!ザン!!」


『麗子さんのいい所を沢山言わないと出られない部屋』


 無機質なアナウンスが流れると同時に、部屋の壁に看板が下げられる。

 因みにこの部屋のシステムも時代と共に移り変っており、今は現代的な監視カメラとスピーカーが付いている。


「ほう。俺にこのお題を出すか」

『楽しみ!!』

『界司〜!楽しみにしてるよ〜!』

「シュナに、麗子もいるのか」


 壁に大きな高画質のモニターが現れ、そこに麗子とシュナが映し出される。管理室的なところに居るらしい。


「じゃ、さっそくお願いしまつ〜!あ、座っていい?」

「好きにしろ」


 ルーマより世元の方が目上なので、一応断ってからソファに座る。世元も向かいのソファに座った。モニターは世元と対面している。別に勝手に座っても、まぁ一応一言言うが、本気で叱るほどの仲じゃない。つまり仲は良い。


「……どこから話そうか。上手く言えないが、麗子はいつまでも見ていたいと思える。俺の生きる悠久の時の中でも、いつまでも。花は散るが、麗子の美しさ、可愛らしさは永遠だ。例え年老いたとしても、俺の中で一番美しい人は麗子だ」


 世元は真剣な瞳でモニターの麗子を見つめる。麗子は優しい笑みを浮かべている。

 世元は真剣に、誠意を持って愛を紡ぐ。シュナも、照れるというよりは、彼につられて真剣な顔をしていた。


「俺が辛い時、壊れそうな時、いつも麗子が隣にいて支えてくれた。俺がここまでこれたのは、俺がこの全世界の支配者でいられるのは、俺だけの力じゃない。麗子の支えと助けがあってこそだ。感謝している」

「俺の中心にはいつも麗子がいる。俺の理が揺らがないのは、麗子がいつもそこにいるからだ」

「……私も、界司がいつも真ん中にいるよ!」

「なら、いつまでもいさせてくれ。永劫に、俺は麗子を愛し続けよう」

「ふふ、ありがとう、界司!私もずっと界司のこと愛してるよ」


「それから……麗子の作る手料理、淹れる茶に勝るものはない。麗子の俺への想いが、魂の温度が、料理に溶け込んでいる。食べる度に俺が肯定される気がするし、心が浄化される。俺がこの世界の王でいられるのは、その味がいつも俺の帰る場所であってくれるからだ」

「……うん」


「強くあろうとする人間は多い。だが、麗子は"強くあった"人だ。何度も、誰にも知られずに。……俺はそんな麗子を尊敬し、憧れている」

「麗子の強さは、誰かに見せびらかすものじゃなく、静かに燃えていた。あの日、世界の秩序が崩壊しかけた日。トップの3人が狼狽えた中、麗子だけが立って前を向いていた。誰かのためじゃない。自分のためでもない。ただそこにある強さに、どれだけ救われたか分からない」


「俺がこの宇宙で一番誇れるのは、“麗子と添い遂げている”という事実だ。それだけで、神としての存在理由は十分だ」

「麗子がいること自体が、神の論理を超えた奇跡だ。麗子が俺を選んだ時、俺の世界は完全になった」


 世元はそう言い切った。


「……こんな所か?」


 腰に手を当てて、僅かに首を傾げる。

 ルーマは空気を読んで、麗子を密室に、ルーマは管理室に転移した。


「……ふふ、そうやって褒めてくれるって、分かってたよ」


 少し目を伏せてから、涙目で見上げる。


「でも、聞けてよかった。界司の口から、ちゃんと。でもね、私が強くあれたのは、界司がいたからだよ。ただ、界司がいるから、私は折れなかった。それだけなんだよ」

「私の強さは、界司がいてくれたから。……あなたの隣で、弱さも全部、預けていけるって知ってたから。界司、ありがとう。界司がそう思ってくれてるって知れて、私、救われたよ」

「それは良かった。何度でも言うが、俺も麗子に救われているからな」

「うん、これからも、支え合おうね!」

「当たり前だ」


 2人は、惹かれ合うようにして抱きしめ合った。その目尻には涙が滲んでいた。


 ……それを見ていたシュナも、感動して涙をボロボロ流していた。


 そっとミュートボタンを押す。


「ね、ねぇルーマちゃん見た〜!?今の!!!凄かったね!!」

「そうだねぇやばかったねぇやばかったねぇ!!いやー、純愛熟年夫婦故の尊さみたいなのが溢れ出てましたねえ」


 シュナは足をバタバタさせて、ハイテンションに興奮していた。頬を赤く染めて、困り眉で泣いている。

 この企画、企画して良かった!!と心底思うのである。

 ルーマもルーマで涙を滲ませていた。その顔は静かだが、わたくし、いい仕事したな…!という達成感の満ちた表情をしている。


「ね〜!いや〜、私もアポロンとあんな風になりたいと思った!なれるかな〜」

「まぁ別に同じ形を目指す必要はないのでは?愛の形は千差万別だし。アポシュナなりの愛の形があるでしょ」

「それもそっか〜!」


 そんな話をしながら、世元達が落ち着くのを待っていた。


 暫くして、2人が離れたので、マイクをオンにした。


「めっちゃ良かったよ〜!!感動して号泣しちゃった!」

「見世物じゃないんだがな。別に俺もイチャつくことを隠す気はないからお前くらいは好きに見ればいいが、一言断れ」

「うん!ごめんね〜」

「思ってないだろ」


 ごめんね!のポーズをして、ウィンクする。ドッキリ的なことも兼ねていたつもりだが、言わぬが仏である。


「いやさ、この間麗子さんが私にプレゼントしてくれたじゃん?だからお礼にと思って!」

「そうそう〜!せっかくシュナちゃんが気を利かせてくれたなら受けようかなと思ったの!」

「シュナ、余計なお世話だ。俺は俺のペースで麗子に愛を与える」

「まぁまぁそんなこと言わずに!私は嬉しかったらさ〜!それに、界司から沢山良い所言ってもらえる機会なんてあんまないでしょ?」

「それはそうだな。確かにいい機会だった。だが、聞かれないから言わないだけだぞ?」

「そうだね〜。愛してる、って言葉自体は毎日貰ってるし!」

「まぁな」

「そんなラブラブなんだ〜、いいね〜!」

「アポロンは違うのか?」

「アポロンも忙しいからね〜。その分会った時は重たいくらいの愛を渡してくれるよ!」

「アポロンの愛な……。あいつは重いヤツだからな、シュナくらいあっけらかんとしてるヤツが合うだろうなとは思う」

「うん!凹凸がピッタリ合うタイプではないと思うけど、違う気質同士上手くやれてると思う!」

「あぁ。そうだな。……で、条件クリアだから、出られるんだよな?ルーマ」

「あ、もち。今出すね」


 部屋は消失し、4人は世元の部屋の扉の前に現れた。


「じゃ、私達は帰るね!2人は休日楽しんでね〜」

「うん!シュナちゃんありがとう!素敵なお返しだったよ!」

「俺からも礼を言おう。ありがとう、シュナ。ルーマも」

「うっす。どいたま!じゃ、ばいちゃ!」


 そうして、春のように暖かな空気を残して、解散したのだった。


──────────

〖1周年記念コメント〗


 1周年おめでとうございます!そして、ありがとうございます!ここまで一緒に来てくださった皆様には大変感謝しております、皆様のお陰でここまでこれました!

 まだ小説案は尽きておりませんのでモチベーションを続かせられる限りは書きます。

 別作品の案も沢山ありますので、私の作品に興味があるよ!っていう優しい方がいらっしゃったら、私の他作品や新たな作品にも目を向けてくださると嬉しいです♡特に、ルーマの方、『独裁者の箱庭』も書いていきたい!え、パラレルワールドは?いつか書きます…。なんでも書きたい時に書かないとね〜。

 改めまして、1周年ありがとうございました!


──────────


°・*:.。.☆かみまか、1周年おめでとう!!°・*:.。.☆


星5、ブックマーク、感想、リアクションお待ちしております!この話が良かったら是非!お願いします!

1周年おめでとうの祝言もお待ちしております!いくら言われても嬉しいですからね、お待ちしております!

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