ifルート:ダメダメ!メアリーちゃんは立派なメイドさんになる!
もしもメアリーちゃんが可愛いダメダメガールだったら…?というお話です
原作メアリーちゃんは器用で色々できる女の子です。でもこんなキャラでも可愛いだろうな〜と思って書きました。時間軸としては、メアリーがシュナ宅に来てすぐくらいです。
ちなみにこの話のレシピは本当にハンバーグが作れます。美味しいです。新玉ねぎは使ってはいけません。水分が多くてべちゃべちゃになります。使う場合はパン粉を多めにいれるといいらしいです。
本日は、晴天なり。11:30現在、ルツェルンの気温は20°C。過ごしやすい気温となっている。平日、他の皆は用事があり、メアリーとシュナが2人きりの日だった。
「じゃあメアリーちゃん!一緒にハンバーグ作ろっか!」
「はいなのです〜、気合い入れていくのです〜!」
2人は、昼食にハンバーグを作ることにした。
メアリーは両手をぎゅ!と握って拳を作り、やる気を漲らせる。シュナは、白地に水色のフリルが付いたエプロンをぎゅ!とちょうちょ結びにする。
「まずは玉ねぎを大雑把に切って、ブンブンチョッパーに入れてね!」
「はいなのです!」
玉ねぎは大体、半分に切って半分切って半分に切る、つまり8分の1くらいのくし切りにしたらいい。使うのは4分の1だ。
「ぶんぶんしてね!」
「はいなのです!」
ガッ…グッ…
突っかかって上手く回らない。
「あれ?回らないのです」
「上手く嵌ってないのかな?ちょっと貸してね」
1度外して、もう一度つけ直したり、ぐるぐる回したりしてみる。
ぶん!ぶん!
「あ、できた!はい、メアリーちゃん。執念的に、執拗に回してね。刻み残しがあったら嫌だから!」
「ぶんぶん!なのです〜」
ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!
「出来たのです〜」
「はい!じゃあ合い挽き肉200g、塩コショウ、パン粉大さじ4、卵1個、牛乳大さじ1、薄力粉大さじ1入れるから粘り気が出るまで混ぜてね」
「はいなのです〜」
ぐちゃ、ぐちゃ、もみもみ
「出来たね!サラダ油をフライパンに出すから、ちょっと手に塗ってね!それでハンバーグを成形して、空気を抜いて、焼いてくよ!」
「はいなのです!」
〜
「空気抜くのです!」
メアリーは右手に肉だねを構える。
「とりゃ!!」
ブォン!!
べちゃ
壁に思い切り付いて、キッチンに落ちた。
「ぶん投げちゃったのです〜><」
「あらら、回収して神力で消毒しとこっか。もっとね、ちゃんと手のひらに狙い合わせてね。そんな力入れなくていいからね!」
「分かったのです〜」
ペち!ぺち!
「そうそう、じょーずじょーず!」
「ふふん、任せろなのです!」
「そしたら小判型にして、フライパンに並べてね。焼き色がつくまで焼くよ!」
「はいなのです〜」
火をつけた。中火である。
ピンポーン
「あ、誰か来たみたい!私対応してくるから、メアリーちゃんお肉見ててね!焦がさないようにね〜」
「は、はいなのです!」
メアリーには荷が重すぎたが、女メアリー、ここは力の見せ所!である。
少しして、いい匂いがしてきた。
「むむむ…いい匂いがしてきたのです。どれくらい焼けばいいのです?生焼けはイヤなのです…」
勿論、ただ焼くだけでは生焼けになる。だから焼き目がついたら100mLくらい水を入れて弱火で6分蒸すのだが、メアリーはそれを知らない。レシピは先に一度聞いておくべきである。
何分か経った。シュナは帰ってこない。
焦げ臭い匂いがしてきた。
「はわわわ、なんか焦げ臭いのです!」
メアリーは慌てて火を止める。すると、シュナが戻ってきた。
「戻ったよ〜、宗教勧誘だった!神の私を宗教勧誘?って思ったけど、その人の話が面白くてさ〜。神はカモノハシ?なんだって!カモノハシが色んな生き物に自分の特徴を分け与えたんだって言ってて〜、ってあれ、お肉大丈夫?なんか焦げ臭くない?」
「焦げ臭かったから火止めたのです、これ焦げてるのです?」
シュナはビーターでハンバーグを裏返す。ハンバーグは隙間なく真っ黒だった。
「うわ!真っ黒!!ベンタブラックじゃん!!(可視光の99.965%を吸収する真っ黒の物体)」
「し、失敗なのです〜」
「うーん、ハンバーグの時間を巻き戻しちゃうね!もう1回やろう!」
「うぅ、ごめんなさいなのです〜」
「いいのいいの、メアリーちゃんは可愛いのが役割だから!」
シュナはハンバーグに手をかざす。
「時間よ、10分戻れ!」
ハンバーグは焼く前の状態に戻った。
「よし、一緒にやろっか!」
「はいなのです!」
その後、ちゃんと焼き目をつけた後、水を入れて蒸した。
「出来たのです〜!」
「美味しそ〜!!」
レタスとトマトを乗せたお皿に、ハンバーグを乗せてケチャップをかける。お米を茶碗によそえば、完璧なハンバーグ定食の完成である。
「「いただきます!」」
メアリーはハンバーグを1口食べてみる。
「はわ〜!ふわふわで美味しいのです!軽いのです!」
「うん、美味しくできたね!良かった!」
「シュナお嬢様のお陰なのです!ありがとうございますなのです」
「いいよ〜。いくらでも力貸すから!頑張って練習しようね」
「はいなのです!」
しかし、メアリーが上手に料理を出来るようになる道は、なかなか険しいのでした…。
後日、パスタを茹でた日。
「沈めないで放置したら半分だけめっちゃ硬いままなのです〜、しかもなんか焦げたのです!!」
「あちゃちゃ」
「にんにくの代わりににんにくチューブ炒めたら全部跳ねてフライパンの外行っちゃったのです!!」
「にんにくチューブは炒めちゃダメだよ、そうなるからね」
「ダメダメなのです〜><」
「挑戦が大事だからいいんだよ!挑戦しないことには成功しないからね。一緒に頑張ろ!」
「シュナお嬢様〜!!はいなのです〜」
メアリーは物覚えもさしてよくないので、なかなか困難な道を辿るのだった。
だが、少しずつ確かに上達していった。そして1年後。遂にシュナがいなくても料理が作れるようになった!!
「美味しい!美味しいよメアリーちゃん!」
「や、やったのです〜!!」
「今日は記念日だね!!」
それからも度々失敗はするが、確実に少しずつ成功が増えていった。
「メアリーちゃん、いつもありがとう!」
「へへん、どういたしましてなのです!」
そうしてメアリーは、立派なメイドさん道を歩んでいくのでした。
〜〜~
メアリーは料理もダメダメだが、他の家事もダメダメだった。
「はわわ、なんか洗濯機の排水溝から泡が溢れてきたのです!?」
「洗剤入れすぎたのかな?後で掃除しとくね」
「洗濯物しわくちゃだ…メアリーちゃーん、これパンパン!ってはたかないとダメだよ〜」
「わわわ!ごめんなさいなのです」
パリーン!!
「お皿落として割っちゃったのです!」
「怪我ない!?私が片付けるからメアリーちゃんは待っててね」
パリーン!!!
「花瓶落としちゃったのです〜」
「あちゃちゃ…」
「メアリーちゃん!?お米洗剤で洗っちゃダメだよ!?」
「え?ダメなのです?」
全ての家事が出来なかった。仕事を一つこなす度に仕事を一つ増やすような女だったのだ。
「メアリーちゃんは、しばらく料理だけ頑張ろっか!他は、その後!!」
「ふ、不甲斐なし…なのです…」
「いいんだよ、一つだけ頑張ればいいからね!」
メアリーが立派なメイドさんになるまで、あと10年…。
〜〜~
メイド喫茶で働くメアリーちゃん!名物は…
「はわわ!ケチャップかけすぎちゃったのです!めちゃめちゃ飛び散ったのです〜><」
「ははは、いいよ。可愛いねメアリーちゃん」
「ごめんなさいなのです〜」
そう、不器用ケチャップがけである。かけすぎる、飛ばす、文字はぐちゃぐちゃで読めない、が定番だ。
「これはなんて書いたんだい?」
「えっと、ラブ!なのです」
「うん、読めないね。だがそれがいい」
「ご満足いただけたのです?なら良かったのです!」
「ははは、図太いなぁ」
「じゃ、せーので合言葉なのです!せーの!」
「「もえもえきゅーん!」」
なんだかんだ愛されて上手くやっていくのがメアリーなのでした。




