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神様にお任せ!!  作者: 砂之寒天


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トップの引き継ぎ②

政治に詳しくないのもあって難しかったです。というか政治に関してこんな設定初めは全然無かったです。白越の役割を話した黒の洋館⑤でもこんな事話しませんでしたね。今回生えました。なので⑤の方を編集しました。結構堅い話です。

そういえば、シュナの誕生日の2/16の誕生花は月桂樹で、アポロンの象徴とする木だという話はしましたっけ。今しました。

「…落ち着いたようだから引き継ぎを始めるよ。」

「お願いします!」


 白越は感情の読み取れない真顔で、書類を片手に持つ。緋銅の円型のピアスが光り、つり目が鋭くシュナの目を射抜いた。シュナはごくりと唾を飲み込む。白越は一つ頷いて、話し出す。


「仕事をピックアップしておいた書類が渡っていると思う。上から説明していく。まず天界の政治。」

「はい!」

「基本的には優秀な神や天使が裁判官や政治家として活動しているから、任せていい。素人のお前はほぼ何もしなくてよく、一個人としての意見を出していればいい。」

「俺たちが頑張るからなー」

「私も頑張るわよー」


 知らない神々が各々手を振ってくれる。


「ありがとー!」


 シュナも手を振り返してお礼をした。


「うん。だが、私達が殊出張らなければならないことがある。それは、コスモポリタンと呼ばれる、様々な異世界の死者が集まった異界の天界における話し合いだ。」

「コスモポリタン…初めて聞きました」

「世界主義、国家や民族の枠を超えて、人類全体を一つの共同体と捉える思想を指す。コスモポリタンは非常に文明が進んでいる、大都会だ。異世界中の技術が集まった世界で、常に進化し続けている。そこに住めるのは階層で言えば95階層以上の死者、つまり人間の中の超エリートだな。旅行自体はパスポートと通行料があればいける。ホテルもある」

「へー!行ってみよ!」


 そんな大都会があるのか。知らなかった。どんな技術が横行しているのだろう。実際に行った時の楽しみに取っておこう。


「うん。その時は私が着いて行って説明してあげるよ。」

「ほんと!ありがとう!」


 白越とコスモポリタンで遊ぶ約束ができた。


「私達がいる星はアストラルティアと呼ばれており、私達が普段いる天界は、アストラルティア・セレステリアと呼ばれる。様々な異世界がある上で、最も立場が高いのは私達であり、コスモポリタンにおける最高権力者は私達になる。コスモポリタンの政治を執り行っているのはそこにいる奴らだが、重要な話し合いには私達も参加しなければならない。」

「重要な話し合いというと?」

「新しい天界ができた時なんかは、新しい天界にどれほどの文明を与えるかとか、どれ程の権利を新しい世界の死者に与えるかなどを話し合う。ちなみに我らがアストラルティア・セレステリアの文明は地球より少し進んだ程度で、それ以降は研究次第と決められている。天界の政治についての説明は以上だ。」

「分かりました!」


 シュナは阿呆だが勉強は割とできるタイプなので、白越の言ったことをスルスル理解していく。そして、相変わらず何も考えて無さそうな笑顔でニパ!と太陽やネコのように笑った。


「次に、人間界の重要事項の決定と、人間の見守りと導きについて。」

「うん!」

「人間界の重要事項というと、津波や嵐などの自然現象、世界の創造と破壊、大きな戦争、世界中で流行する疫病などだ。私達白と黒の神の上位者は人間達の運命を時に決め、時に人間達に任せ、時に導く。勿論人間の運命の全てを決めるわけではないが、基本的には黒の神が災害や疫病の発生、人の死や失敗、闇の才能などを決め、白の神が人の誕生や成功、光の才能などを決める。」

「へー…。」

「シュナにも白の神の上位者として、人の運命を定める手伝いをしてもらう。そこでは神語という特別な言語を使う。神の上位者のみが理解する特別な言語だ。この言語の1文字の情報量はコイネーの何不可思議倍、何無量大数倍と多く、それを用いて沢山の人間の運命を定めていく。世界の真理なんかも神語で定められている。」

「へー、それってどうやって話せるようになるの?」

「上位者は自然と理解できるようになる。話し方も聞けばわかる。例えば、お前の生前の人生は…」


 白越はシュナの耳元に口を近づける。


「■■■、こんな感じだ」


 さっぱりとした声音で白越は囁いた。


「わ!凄い、人生が走馬灯みたいに頭の中に流れる!しかも全部理解できる!■■■、こうでしょ?」


 シュナも真似して、白越の耳元で同じように囁いてみた。


「そうだ。ただ、注意点があってな。間違っても神の上位者以外の前で使うな。脳がパンクして死ぬ。」

「死ぬの!?!?」

「死ぬ。鼻血を出して倒れるぞ。神の上位者は脳の作りから変わるから解するが、鈴なんかはまだ立場に実力が伴っていないから解さない。だから囁かせてもらった。あそこにいる彼女に聞かれたら困るからな。」


 示された鈴は、ダチョウ(脳が小さくバカ)みたいな無垢な可愛い顔で首を傾げる。シュナが手を振ると、鈴もひらひらと手を振り返してくれた。


「そうなんだ…便利だけど危ないんだね」

「そう、それから…運命を決めることに関して、もう1つ重要な仕事がある。これをするのを許されているのは極一部の神だけだから、解散した後に話させてもらう。」

「?はーい」


 なんの話しだろう?シュナは不思議に思った。


「次に神の統治だが、これはゼウスから説明して貰う。ゼウスの方がこの仕事は専門だからだ。」

「うぃーっす、俺様が説明するよん」


 ゼウスは両手を頭の後ろにやり、巫山戯た態度でダラダラと中央まで歩いてきた。


「じゃ、俺様から説明するぜ〜。神の統治は複雑じゃねぇ。激しい争いが起きた時に調停する。そんだけ。」

「あ、簡単だね!楽そう!」

「んまぁーシンプルではあるけどぉ、時には忍耐強く交渉する必要もあるから大変ではある。…な。あとやっぱ威厳って大事だから、お前も恐れられる神にならなきゃいけねぇよ!」

「へー、ゼウスって恐れられてんの?」

「ったりめーだろぉ、俺様ってば怒ったらクソ怖ーいからな。」

「え〜想像つかない!」

「ん〜まぁお前を怒る日が来ないといいけどなぁ。」


 やっぱ普段だらんとしている人の方が怒ると怖いのだろうか。シュナには想像もつかないが。確かに輝かしいオーラはビシビシと感じている。


「俺様からはそんだけ。次に…悪魔が襲ってきた時と、異世界で反乱軍とかが暴れた時な。これはアテナが説明するぜ〜」

「では、ワタシから説明させて貰おう!!」


 いつの間にか後ろにいたのは、知恵と戦術、工芸の神のアテナ。濃いめの茶色の艶々のショートの髪、そのアーモンドアイは青灰色だ。凛々しくて威厳のある綺麗な顔立ちをしている。

 綺麗な織物の服を着ていて、オリーブの髪飾りとフクロウのブローチをしている。


「聞け、シュナ!!!」

「は、はいっ!!!」


 バキッ!と効果音が付きそうな程強くハッキリと話す人だ。頭が良さそう。


「ワタシ達の仕事は、悪魔や堕天使が襲ってきた時にそれを鎮めること。それから、異世界の反乱軍を黒の神と共に鎮めることだ!!!」

「分かった!!」

「よろしい!!反乱軍も堕天使も悪魔も、神に抗う奴らは危険思想の塊だ。毅然とした態度で接して戦うこと!!」

「わ、悪くない悪魔もいるよ?」

「それは個体差だな。後シュナの元についてる奴らは、あくまでシュナの元にいるから安全なんだ。他は2度言うが危険思想の塊だ!!心して挑む様に。これに関しては実践がものを言う。また反乱軍が旗を揚げた時はお前も呼ばれるかもしれん。気を張っているんだな!!」

「わ、わかったぁ…!」


 こういう厳しくてしっかりした人と相対すると圧に押されてへにょへにょとしてしまう。気を張るのは疲れるのでしないが。


「ふむ、今回のシュナはアテナと相性が良くないのか?」

「白越?今回って?」

「あぁ、後で話す。ともかく、これで私以外の奴らの引き継ぎも終わったな。よし、白の神。解散していいぞ。お疲れ様」

「ありがとございましたー!!」

「うん、鈴もまたね」


 鈴の大きな声に白越が相槌を打つ。

 そうして白の神の上位者の皆は各々家や持ち場に帰って行った。


 中央にはシュナの白越だけが残る。今日の髪はハーフアップにしてティアラをつけて高級感を出した。トップになった祝いにアポロンから貰ったのだ。白の神のトップっぽいと思う。幾らするかは知らない。恐らく10億エニーくらいだろう。白色と水色の細めのドレスを着てきた。

 皆が帰るまで、手持ち無沙汰に巻いた髪を弄る。

 白越は朱色と白と金の袴を着ている。白のハーフアップとポンパドールにされた髪と、キリッとした顔によく似合っている。


「そうだ…ここで話してもいいが…アテナの図書館に行く必要がある。そこに行けば説明しやすいからな」

「アテナの図書館?そんなのがあるんだ!」

「うん。行くよ」


 白越の緋銅色の転移門で向かった。白越の転移門は緋銅色の小さい円が浮かび上がりながら消えていった。


 そこは天界のオリュンポス山にある巨大な図書館。コリント式の壮麗で壮大な建築である。


 庭にはオリーブの木が沢山植わっており、アテナの肩にフクロウが乗ったブロンズ像があった。


 入口はブロンズの大きな両開きの扉だった。


「シュナ、開けてみるか?」

「え、この見るからに重そうなの?むりむり」

「そうか。シュナなら出来ると思ったのだが…」


 なんか過大評価されてるな?とシュナは思った。別にそんな膂力の強い方ではないのだが。

 扉を思い切り押してみる。重すぎてビクともしなかった。


「まぁ神力で軽くするとか、腕力上げるとかすれば出来るかな?」

「なるほどな。やってみろ」


 私は神力で腕力を上げてみた。

 先程はビクともしなかった扉が軽々と動いていく。


「おぉ…あんまりこういうことはしたこと無かったけど、やってみると面白いね!」

「そうか。私はシュナは戦いの適正があるものだと思っているから、そういうものなのだろう」

「へー?私弱いよ?」

「そうなのか…?」


 白越は、赤ちゃんアザラシくらいキョトン…!とした顔で首を傾げた。シュナも小鹿ぐらいきゅるん…!とした瞳で頷き返す。


(なんでこんなにイメージが噛み合わないんだ??)


 シュナは不思議に思う。しかし真相はもうすぐ明らかになるのであった。

新生活が始まりました。手が空いたら書きます。ぼちぼちやっていきます。応援よろしくお願いします!

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