明日試験のルツェルンの民へ
センター試験が1/18、19との事で少しだけ書いてみました。短編です。私からもささやかながら受験生の方々の受験が上手くいくようお祈りしております!頑張ってください!
私はルツェルンのしがない高校3年生。
私は明日大学に入るための試験を受ける。私は不安で堪らなかった。
しかし、ここまで長いこと頑張ってきたから、努力は報われるはず。私は早めに床についた。
夢の中で、ロココ調のピンクの教会にいる。ここは、シュナ教の教会…?
そこには1人の女神様がいた。流れる銀髪に、サファイアのような青い瞳。私はこの方を知っている。ルツェルンの神のシュナ様だ。白いローブを着ていて神々しい。その顔は自信に満ちてキラキラ輝いていて、なんだか尊いものを見た気がしたのだ。
「こんにちは!皆の幸せが私の幸せ!シュナだよ!明日試験の子だよね?」
シュナ様はほっぺをツンと突いて、片足を曲げてポーズをとる。
「は、はい」
私は頷く。
「皆に応援したいんだけどね、こっちから出向いた方が早いかなと思って!応援しに来たよ!」
シュナ様はくるりと一回転する。すると、水色のチアリーダーの格好に早変わりした。
「不安かもしれないけど、大丈夫!頑張ってきたもんね、出来るよ!フレー、フレー!受験生!」
そう励まし、応援してくれた。
「とりあえず、睡眠の効果倍増のおまじないかけといたから!明日起きたら目覚めスッキリ!バッチリ!なはずだよ〜!!じゃ、頑張ってね!」
「ま、待って…!」
私は思わずシュナ様を引き止めてしまった。
「ん?」
「わ、私本当にできるのでしょうか…受かれますかね…?」
「うーん、なんて答えるのが正解なんだろう…。うーん、まぁ、受かる受かるぅ!気楽にやりなよ、これで人生終わるわけじゃないんだから!道って沢山あるよ!私は見守ってるからね。貴方の守護霊も!ご両親も!安心してね!」
なんだか間の抜けた応援であった。シュナ様らしいといえばらしいが。
「私、シュナ様の学業成就のお守り買いました…!」
「おっ、それはありがたいねぇ」
シュナ様は胡散臭い笑顔で喜ぶ。人間臭くて可愛らしい。
「あれは勉強関連の記憶力増加とやる気アップを込めたんだっけな。ま、努力次第でどうにかなる為のお守りにしたはず!」
「そうなんですね」
あのお守りってそうなってたのか。
「時には無理矢理選ばされる道もあるけどね、それも運命ってやつ。救いになるかは自分の捉え方次第だからね、思い詰めないことが大事だよ!」
「ふふっ…分かりました、精一杯頑張るので、見守っていてください!応援ありがとうございます!」
「おうともよー!!じゃ、おやすみ〜!頑張れ〜!」
「ありがとうございました!」
私の意識は再び暗闇の中へと沈む。
次の日、朝起きた私はその爽快感に驚いた。いつもの何倍も寝起きが良い。これがシュナ様の力か。
その日のテストは万全の調子で受けることが出来て、後悔はなかった。シュナ様の応援のおかげで、精神面も安定して体調も良かったのだ。
そして合格発表の日。私は自分の番号を探す。
「121…121…あったッ!!!!」
私は喜びの声を上げた。無事合格したのだ。春からは大学生である。
私はお礼参りにシュナ教の教会にまた赴いた。お賽銭もちゃんと投げて(シュナ教の教会にはお賽銭箱がある)、感謝の意を示した。
「ん?張り紙…?」
賽銭箱の隣にボードが立っている。
"受験生の方へ!
受かった方!おめでとう!入学料は払い忘れないようにね!期間決まってるからね!因みに払い忘れてる方には私の方から夢の中に赴きます!信者の悲しみは減らしたいからね!よく頑張りました!
受からなかった方はどんまい!思ってたのとは違う道を歩むことになるけど、私もそんなのばっかだったけどなんだかんだ楽しかったよ!安心してね!貴方が頑張ったのは紛れもない事実だよ、それは認めてあげてね!
ともかく皆お疲れ様!これからもシュナ教をよろしくね!"
「あっ…そうだ、入学料金払わないと…!」
私は顔をさぁっと青くした。忘れていた。こんな所でも救われている。
その後無事入学料も払い終えたので、今度こそ無事春からは大学生である。私は大学生活に思いを馳せたのでした。




