クリスマスパーティ!
maly mo○nのコスプレ服は可愛いので是非検索してみてください。メリークリスマス!
朝、庭の花に水をあげようと外に出たアスモデウスは、本当に驚いた。
玄関に、プレゼントが置いてあるではないか!!
「え、やばいですよやばいです」
「なになに、どうしたの…?」
寝起きでむにゃむにゃ言ってるシュナを玄関まで連れて行く。あくびをした後、擦りながら目を開けたシュナも、同じ光景を目にして目を飛び出させた。
「え!やばいやばい皆来て来て」
「急いで階段降りてください」
「どうしたのです〜」
「そんなに急いでどうしたんだよ」
「そうですよ、こんな朝に」
「まさか、変なものでも見つけたのかしら?」
「変なものなど見たくないぞ」
階段の下で足踏みしているシュナとアスモデウスが、他5人を急かす。
しかし玄関に出た5人は、また同じように目を飛び出させるのであった。
「「「えーっ!!」」」
「えっ、私達にも、プ、プ、プレゼントなのですの!?」
「私の分もあるのです!」
「俺の分も!」
「僕もあります!」
「俺も」
各々、名前のカードがついたプレゼントを大事そうに抱えて飛び跳ねて喜んだ。
「メアリーちゃん、これ知ってた!?」
興奮してはすはすはぁはぁ言いながら、シュナがメアリーに問いかける。
「ふふ、実は私知ってたのです。生まれた時からサンタさんは来てくれてたのです」
「えーっ!!凄い!凄いよ!!本物のサンタさんが来てくれるんだ!!」
「因みに予算は5万エニー以内って小さい時にママから聞いたことがあるのです」
「あまり高いとプレゼントしていただけないのですね」
「あと現ナマはないって言ってたのです」
「夢がないですものね」
メアリーが得意顔でそう説明する。
「それから、玄関開けとくとツリーの下に置いてくれるのです!」
「えーっ!!!開けとけばよかった〜!!」
悔しい悔しいと思って地団駄を踏む。先に聞いておけばよかった。夢が壊れたら嫌だなと思って聞くに聞けなかったのだ。
ともあれ、なんと本物のサンタさんからクリスマスプレゼントを貰うことが出来た一同だった。
〜〜〜
夜。クリスマスパーティが開催される。
シュナ、パイモン、メアリー、アスモデウスはマリームーンズのセクシーなニットバニーのコスプレを着て、他の男子組は普通にサンタさんのコスプレをした。そういえば、サンタさんのトナカイは8匹でそれぞれ名前も決まっているらしい。
アポロンからは写真係としてガブリエルが派遣された。きっとアポロンも天界でクリスマスパーティでもしているのだろう。
「えっと…シュナ様…メアリー、パイモン、アスモデウス…その…すごくセクシーですね」
「可愛いでしょ!言ってくれればガブリエルの分も買ったのです」
「この上なく似合うでしょう?自信ありますわ」
「2人とも似合ってるよー!もちろん私も可愛いけどね!」
ことある事にコスプレをする可愛い私達は自信に満ち溢れている。
「並んでください」
アスモデウスが腕を振ってクリスマスツリーの前に誘導する。皆で並んだ。
ガブリエルが写真を撮ってくれる。アポロンに渡す分もね。アクアブルーの髪にトナカイの角がついていて、スタッフっぽい。黄色の羽も鈴の色と似ていて可愛らしい。シュナ宅にもトナカイが来たのだ。
「撮ります」
クールなので素っ気なく吐き捨てるようにそう言って、写真を撮る。
パシャリ。
「あ、ガブリエルも入る?」
「いえ、私はいいです…」
眼鏡の奥でちょっと迷惑そうな顔をするのでちょっと申し訳なくなった。せっかくのパーティなのに辛気臭くて可哀想である。彼女も楽しませねば。こう見えて根は優しいので可愛い部下である。
「せ、せっかくだから楽しんでってね!」
「はい…。あ、そういえば私もプレゼントを用意したのでした。お世話になるのだからと、アポロン様に言われて持ってきました。こちらどうぞ」
そう言って渡してくれたのは、花が入ってハーバリウムのようになっている透明リップ。女性陣にはそれで、男性陣にはチョコでコーティングしてナッツとかで可愛く彩られたラスク。センスがいい。
「こちらはアポロン様からで、私からはこちらです。悪魔達にもあげましょう」
どうやら今のはアポロンが気を利かせて持たせたものらしい。一体何を渡してくれるだろうか。
「わ…いいセンスしてるのね…貴方…」
頂いたのは絶妙なダサさの5頭身のサンタさんのぬいぐるみ。細長い。パイモンが手のひらに乗っけて見つめながら、微妙な顔をしている。
「可愛い!ありがとうガブリエル!」
「いえ…すみません可愛くて」
「ありがとな!」
私は素直に可愛いと思った。ダサいものってかわいいのだ。昨日のニットしかり。あれは今日も夜寝る時に着ようと思う。本当はもっと早く買って毎日着ればよかったんだけどね。
「ガブリエル!私からもクリスマスプレゼント!マグカップどうぞ!」
「わ…ありがとうございます」
ガブリエルの髪をイメージしたアクアブルーのマグカップだ。ラッパの柄が小さく沢山ついていて、とてもガブリエルに合うと思って買ったのだ。ガブリエルはラッパを吹いて死者を甦らせるから。取っ手も金管楽器のモチーフで可愛い。ホルンみたいなやつ。
他の2人、ミカエルとラファエルには天界にいる別の私からクリスマスプレゼントを渡すように連絡をしておいた。
「料理は既に作ってあります。皆で協力して作ったんですよ。」
「そうなんですね。楽しみです」
アリトンが爽やかにガブリエルをエスコートしていた。喧嘩っ早いミカエルとは喧嘩になりがちだが、今のガブリエルとは仲良くできそうだ。
「本日のメニューは豪華ですよ。私が説明しますね」
アスモデウスが料理を持ってきてくれた。
「こちらが見ての通り七面鳥、パエリア。」
「次にサラダ、もちチーズボール、トマトのトルテリーニ」
「ガーリックトースト、カナッペ、ブッラータと苺」
「ラザニア、エビグラタンパイとキーマカレーパイ」
「食後にはケーキもあります。沢山食べてくださいね」
大きなテーブルが埋まるほどの料理が並べられた。豪勢なクリスマスパーティの始まりだ。
目をキラキラさせた一同が両手にカトラリーを持って今にも料理にありつかんとしているところに、アスモデウスがひと声掛けた。
「あ、食べる前にすみません。写真撮らせてくださいね」
「あぁ、はい、どうぞ」
写真家アスモデウスは流石にこの写真を撮らずにはいられないだろう。
「撮れました。はい、お待たせしました」
「やったー!パーティだ〜!」
「やったーなのです〜!!」
「楽しもう」
飾り付けしたリビングで、美味しい料理を食べ始めた。
シャンパンも開けた。シャンパングラスで、皆で乾杯した。
七面鳥をナイフで切って取り分ける。
「ん〜!お肉ジューシーで美味しい!タレも美味しいね」
「もちチーズボールがもちもちなのです〜!」
「カナッペのカマンベールチーズが合うな!」
「ブッラータと苺って合いますね!爽やかな感じがします!」
「美味しいです…!」
各々感想を述べて料理を楽しんだ。
ガブリエルも目をキラキラさせているので、楽しんでくれていることだろう。
「メアリーは昨日唯理有と出かけたんでしょ?私もアポロンと天界のクリスマスマーケットに行ったよ!」
「そうなのです!イルミネーションを見に行ったのです。クリスマスプレゼントも交換したのです」
「へぇ〜。私のところ車が突っ込んで来てさ〜。アポロンが殴って止めてくれてカッコよかったんだけど、危なかったよ」
「えぇ!?!?無事でよかったのです」
たわいのない話をしながら食べ進めた。
暫くもぐもぐイェッイェッ(ち○かわ)とご飯を食べたら、お腹はいっぱいになるのでした。
「もうお腹いっぱいなのです…」
「でもケーキは別腹ですわね」
「結構食べましたね」
「だな」
シュナはちょっとだけ食べすぎたな…と思いながら、神力で胃の働きを活性化させていた。胃薬要らずである。
「ケーキ持ってきますね。8人いるので2ホール買いました」
今年の苺は何故か知らないが自分で乗せるタイプになったらしい。コスト削減だろうか。
「メアリーちゃんそっちのケーキに苺乗っけてね!私こっちやるからね」
「はいなのです!ふふーん、オリエンスには出来ないのです、乗せるセンスがないから」
「あぁ!?じゃあやらせてみろよ俺に!」
「やってみるのです?どうせぐちゃぐちゃなのですwぷぷー」
「むっかー!!」
ということでひとつはオリエンスがやった。
「わ…やっぱりそうなるよね」
「バランス悪いな」
「疎密ですね」
「オリエンス…センスないんですね」
「あー」
苺を置くだけでもこうもセンスが出るものなのか。寄った部分と疎らな部分が分かれているし、隙間の大きさもバラバラである。あと苺が斜めってたりもする。
オリエンスは悔しそうに声を上げていた。いつもこうなるのだが学ばない。もはやオリエンスの定番ネタである。
「というか切った後に乗せたらよかったね。切りにくいや」
「その方が苺の数も同じになりましたね。調整しましょう」
「…私が切りましょうか」
「お!ガブリエルできる?お願いね」
ガブリエルがケーキを切るのに挑戦した。クールなガブリエルだが、プレゼントのセンスは無いガブリエルだが、その腕はいかに。
「…オリエンスのこと言えないですわね、これは」
「すみません…大人しくアスモデウスに頼めば良かったです」
「おぉ…仲間か…お前も…」
凄惨なものであった。なかなかに大きさがばらばらである。4等分なのに。なんでだろうか。一気に縦に切らないで4回に分けて切ったから駄目だったのだろうか。
「どうします?ケーキ小さくてもいい人いますか?」
「私小さくてもいいよー!」
「私もお腹いっぱいなのです」
「大きいのでお願いしていいですか?」
「元凶が図々しいですね。まぁお好きにどうぞ」
ガブリエルはクールなポンコツということが判明した。普段の仕事ではそんなことないのに。普段優秀なのは長年頑張ってきたからなのだろうか。涙ぐましい。
ともあれケーキも切り終えたので、いただくとしよう。
「「「いただきまーす」」」
「ん!クリームが!美味しい!」
「なんか有名な産地の牛乳を使ってるそうですよ」
「美味しいのです〜!」
「苺も熟してますね」
「美味しいですわね!」
「…ガブリエル、頬にクリームが付いているぞ」
「あ、ありがとうございます。オリエンスさん食べ方汚いですね」
「お前に言われたくねぇよ」
オリエンスとガブリエルはなんだか真逆に見えて似ているところがあるようだ。荒っぽい男とクールな女なのに。悪魔と天使なのに。面白いことだ。
ぱくぱくと食べて、あっという間に食べてしまった。
「ガブリエル、ほっぺ拭いてあげるね。眼鏡にもついてるよ、どう食べたら付くのそこ」
「すみません…お恥ずかしい」
「オリエンスも拭いてあげるのです?ぷぷー」
「自分で拭けるわ!!」
「後は後片付けですね。楽しいパーティでした」
流石執事、もう片付けの事を考えている。
クリスマスはやはり特別な日であった。お酒も飲んで程よく酔った。
「そうなのです、片付けをしないと」
「カーッ、片付けるかぁ〜っ!」
「おっさん臭いな」
「手伝いますね」
皆も流石である。私もちゃんとせねば。
ということで片付けをした。お皿を持って行って、食洗機にかけた。ゴミも捨てて、机も拭いた。
「写真も上手く撮れました。今日はお世話になりました、ありがとうございました」
「うん!来てくれてありがとうね!楽しかったよ〜!」
「ガブリエルと仲良くなれて嬉しかったのです!」
「またな〜」
「来てくれてありがとうございました」
ということで、ガブリエルともばいばいして、クリスマスパーティはお終い、幕閉じとなったのであった。
「楽しいクリスマスだったねー!」
「そうですね、我が君が楽しめたようで良かったです」
「皆も楽しかったー?」
「楽しかったですよ」
「だな!」
「楽しかったですわ〜ワクワクでしたの」
「良かったですね」
「同じく」
「楽しかったのです!」
「よかったよかった!」
みんな楽しめたようで良かった。
後は今日はお風呂に入って寝るだけだ。
私は暖かいお風呂に入って、もこもこのパジャマに包まれて寝たのでした。




