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神様にお任せ!!  作者: 砂之寒天


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唯理有とメアリーのデート①

唯理有は黒の洋館①で、自室でセキュリティ関連の仕事もしてましたが、どっちもやってます。働き者です。

メアリーちゃんが着てる服のイメージをTwitterに載せました。砂之寒天で検索すると出てくるので是非ご覧ください。とても可愛いです。

toメアリーちゃん

こんにちは。元気?最近寒くなってきたでござるね。温かくするでござる。拙者女の子にメールするとか緊張するでござるwどうかお手柔らかにw

本件なんだけど、今度デート行かない?天界のさ、都会に案内するよ。高層ビルとか、普段見ないよね?ルツェルンは6階建てくらいまでしかないし。新鮮で楽しいと思う。拙者もオシャレしてくから、楽しみにしてて。

from唯理有(イリア)


 ドキドキ、ドキドキ。唯理有の大きな心臓が元気に脈打つ。

 文書はこれでいいだろうか。何度か読み返してみたが…


「まぁこれでいい希ガス」


 メールなんて要件が伝わればいいだろう。その辺さっぱりしてるので、唯理有はこの内容で送った。


 それが朝の話。転移門で社長室に出勤した後、天使に髪を梳かれながらコーヒーを優雅に飲む唯理有。今日のスケジュールを別の天使が教えてくれるので、それを聞いていた。


「今日は13:10から会議があります」

「うわっ、そうでござった」


 手をポンッと打つ唯理有。


 普段は研究員として活躍していながら、用事の際は社長としての役割も果たす唯理有。なかなか忙しい日々を送っている。


「あ、髪の毛ありがと。じゃ、行ってくるでござる」

「行ってらっしゃいませ」


 美しい天使に頭を下げられながら、唯理有は研究室に向かう。

 虹彩認証と暗証番号と指紋認証をくぐり抜けて、研究室に入る。めちゃめちゃお金のかかった研究室なので、これ程の認証が必要なのだ。


 天界には既に量子コンピュータがある。小型化していったそれの、更なる小型化を目指すのが現在の唯理有の研究である。3次元トポロジカルがどうとかを弄っているのだ。


 お昼休み、私用のスマホを取り出してメールを確認する。


「おっ…メアリーたそから連絡アリ!」


 通知の欄をみて舞い上がる唯理有。好きな子からの連絡とは恋心に捧げるジョウロの水である。


toイリアさん

デートの件、分かったのです!お誘いありがとうなのです。○日のお昼13:00でどうなのです?夜ご飯一緒に食べるのです!お迎えはお願いしますなのです。

私も可愛いカッコするのです。お楽しみになのです!

fromメアリー


「カーッ!可愛いでござるねぇ、これだからメアリーたそは…」


 メールを高く掲げて足をバタバタさせる。了承の返事を送って、ひとまずこれでデートの約束が出来た。


〜〜~


 約束の日までの数日間、唯理有はメイドカフェに通いつめた。


「今日さ、この髪型やってくれない?昼休みにメイドカフェ行くんだよね」

「かしこまりました」


 天使に写真を見せてお願いする。それは横を編み込みにしたハーフアップである。唯理有はウェーブの黒髪の長い美男なので、色んな髪型が似合う。


「あれ、唯理有、髪型変えた?」


 出勤すると、同じ研究室の男が聞いてくる。


「そうでござるww髪型変えたなりww」

「へー、似合ってんじゃん」

「ありがとナス」


 ニコリと笑って感謝を告げる。


 昼休み、メイドカフェでは1番高いシャンパンを入れるのを忘れない。チェキも撮った。髪型変えたからね、記念にね。それにメアリーの給料に入るし。


「メアリーたそ~!!今日も大好きですぞ~♡」

「ありがとうなのです!今日はくまさんのポーズなのです」


 メイドカフェでのメアリーは相変わらず釣れないが、そういうお店では無いのでいいのだろう。


 また後日。


「あれ、唯理有、香水変えた?」


 また同じ男が聞いてくる。


「そうでござるww香水変えたなりww」

「ほー、いい匂いじゃん」

「ありがとナス」


 同じ研究室の男は思った。なんか…最近唯理有が色気づいている?


「おい、唯理有!お前最近色気づいてきてね?」

「ギクゥ!!」


 唯理有は擬音を口に出しながら肩を跳ねさせた。


「お、怪しいぞ。さてはお前好きな人出来たな?」


 ニヤニヤしながら顔を覗き込む男。


「ギクギクゥ!…ま、隠すことでもないでござるな。出来たでござるよ、拙者、好きな人が!!」

「おー!誰誰?」

「下界のメイドカフェのメアリーちゃんでござる」

「下界?じゃあ普段合わなくない?」

「昼休みにね、毎日のように通ってるでござる」

「わーこわ…」

「こわ言うな!」


 ビシィ!とツッコミをいれる。


「可愛いんでござるからな!チェキ見るでござるか?」

「おー見る見る」


 写真を見ると、そこにはピンク髪のツインテールの美女と、目の前にいるのと同じどイケメンがいる。

 ちなみに現在進行形で盗撮してる映像から撮った写真も見せそうになったが、危うく隠した。


「うわかわいッ。唯理有の好みっぽいな~アニメキャラみてぇだもん。目ぇくりくり」

「そうでござろう?ほんとエロス氏の矢が刺さったかと思いましたわ」

「はー。上手くいくといいな」

「実はデートの約束取り付けたなりww」

「うわっお前やべー!!まぁ顔も性格もいいもんな、唯理有。モテねぇ訳がねぇもん。上手くいくといいな」


 現在進行形で盗撮をしている神が性格がいいのかは疑問が残るところではあるが、こんなの神の中では可愛い方である。強姦強奪当たり前の神の中では可愛い趣味であった。


「サンクス!健闘を祈っててクレメンス」

「はいはい」


 そんな話をしてから、仕事についたのであった。


〜〜〜


 デート当日。


 唯理有は黒のシャツにダークグレーのアウターとズボンを合わせ、Ferragamon(フェラガモン)のブーツを履いた。ROLEXesの時計をつける。

 靴と時計にお金をかけるのは金持ちの特徴だと言うが、唯理有も例に漏れず靴と時計にお金をかけていた。

 Maison(メゾン) Margielana(マルジェラーナ)のジャズクラブの香水を振った。ラム酒の上品な香りの高級香水だ。

 完璧にコーデを組んだ唯理有は、鏡の前で頷いて、黒の洋館を出た。


 唯理有は予定時間ぴったりに、メアリーの家もといシュナ宅の前に転移門を出して、やってきた。


 ピンポーン


 少し高めの可愛らしい音のチャイムが鳴る。


「はいなのです~」


 中から出てきたメアリーは…


「えっなに!?お姫様じゃんメアリーたそ!?」


 正にお姫様のような格好であった。

 devil inspiresのピンクと白のロリータワンピース。ベルスリーブで、胸元と腰にリボンが幾つか付いている。チュチュのようにスカートはふわふわで、フリルが何段にもあしらわれていた。


「かわいいのです?」

「それはとてももう!!超可愛いっスわ!!」

「えへへ、デートのために新しいのを買ったのです」

「えッ!!」


(それってつまり、拙者のためにお洒落してきてくれたってこと?たまらんですなぁ…)


 耳を赤くしてニヤニヤする唯理有。


「ありがとうメアリーたそ…!非常に眼福でござる」

「喜んでもらえてよかったのです」


 メアリーもにっこりだった。それがあまりにも眩しくて、唯理有はイカロスの翼のように溶けるところだった。海にではなく恋に落ちていた。


「じゃ、行こっか。ちなみに普通は生きてる人間を天界に案内するのってあまり良くないのでござるが、拙者の権限で押し通したでござるw」


 転移門を潜りながら言う。行先は天界のとある都会である。日本でいえば港区の六本木とか。

 公私混同である。それって大丈夫なの?とまともな人ならツッコんだだろう。しかしメアリーはその辺緩い。ぽんこつみがあるのが可愛いのだ。


「唯理有さんはお偉いさんなのです?凄いのです!」


 両手を合わせて、ぱわわ!と褒める。


「ネット回線とか機械の製造、修理とか色々してる会社の社長だよ。一応オタクの神として名は通してるでござるがw」

「社長!たしかに言ってたのです!凄いのです~!!かっこいい!!」

「そうかな…ぬほほ」


 ぴょんぴょん跳ねながら褒めるメアリーと、ぴょんぴょん汗を飛ばして照れる唯理有。


「あの空を飛んでるのはなんなのです?」

「あぁ、あれは車。馬車とかあるでしょ?あれみたいな感じ」

「凄いのです!建物も高いし…きれーなのです~」

「ふひ、ふひひ…」


 唯理有はオタク特有の笑い声を上げて喜んだ。好きな子が楽しんでる。Happy。


「あ、あのビル拙者の会社のやつ」


 一際高いビルを指さして、唯理有が言う。


「高いのです!すごいのです~!!」


 両頬に手を当ててメアリーは驚いた。語彙力が凄いしかないのはご愛嬌である。


「そっちの建物でお買い物できるから…一緒にお買い物しよ」

「色々買ってくれるのです?」


 メアリーはぶりっこポーズをして、上目遣いで唯理有を見上げた。唯理有はこれも眩しくて仕方なくて、思わず後ずさった。


「もちろん拙者が買いマース!!!カーッ可愛いねぇあざとくて!!」


 大企業の社長であるから、好きな子にブランド品を買ってあげるのは痛くも痒くもない。寧ろ喜びであった。


 まず行ったのはCHAUMETS(ショーメッツ)


「メアリー氏はブルベ夏だからシルバーとかホワイトゴールドが似合うでござるよね。勿論ゴールドも似合うけど」

「えッ、見てわかるのです?」

「分かるよ」


 好きな子の顔はじっと見がちなので尚更よく分かった。


「これなんかどう?」


 唯理有が言ったのは、ジョセフィーヌ コレクションの、ホワイトゴールドとアクアマリンとダイヤモンドのペンダント。ホリデー限定で、90万エニー位する。


 メアリーは値段を見て少し目眩がした。しかしすぐ正気を取り戻し、図太く…


「かわいいのです!それ欲しいのです♡」


 と言い放った。これがメイドカフェ店員、メアリーの気概である。


「じゃあ、店員さんこれ下さい」

「畏まりました」


 1店目。


 続いて行ったのは、ルイ・ヴィトロン。


「あ!ルイヴィトロンなのです!私ここで欲しいバックがあるのです」

「ほう?どれでござる?」

「アルマ!私の憧れなのです」

「ほう、いいセンスですな。見た目の割に収納力も良さそうでござるし…使いやすそう」


 値段は28万エニーだ。


(おかしいのです、十分高級なのにさっきのを見たあとだと安く見えるのです)


 金銭感覚がおかしくなりそうである。


「冬バージョンもあるけど普通のでいいでござるか?」

「普通のがいいのです!季節関係なく使いたいのです」

「でござるな」


 ということでお会計した。


 2店目。


 続いて行くのはDiora(ディオーラ)である。


「クリスマスコフレとか買うでござるか?」

「Dioraのクリスマスコフレは、シュナお嬢様がプレゼントしてくれたのです!だから大丈夫なのです」

「えッ、マ?拙者の恋のライバルってシュナ氏だったりする?」

「シュナお嬢様もいっぱいプレゼントくれるのです。嬉しいのです」

「まぁメアリーたそは可愛いでござるからな」


 唯理有は頷いた。


「これかわいいのです!」

「こちら新作のCDNavyピアスになります」


 店員さんが説明してくれる。それはピンクでハートもついたピアスであった。


「可愛いでござるね。買う?」

「買って欲しいのです!」

「りょ」


 サラッと財布を出すところに懐の深さを感じるのであった。


「またつけたの見せて」

「もちろんなのです!なんなら今付けたいのです」

「いいでござるな!」


 ということで新しいDioraのピアスを付けて、またウィンドウショッピングを始めた。

 3店目。


 その後も何店舗か回って、好きなコスメを買ってもらったのであった。


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唯理有の金持ち具合が清々しいですね。羨ましいです。

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