表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様にお任せ!!  作者: 砂之寒天


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/101

幕間 ハッピーハロウィン!!②

「そろそろアポロンさんの所行くのです?」

「そうだねー!行こっか」

「私達も行っていいのかにゃ?」

「いいんじゃない?運動会とかで面識あるし!」

「じゃー皆でぞろぞろ行くにゃ」

「行くか」


 シュナが白い転移門を出して、天界のオリュンポス山にあるアポロンの家に行く。

 相変わらず大きい家だ。御屋敷である。


 インターホンは、アポロンの演奏した竪琴(リラ)の音である。


〜♪


 ドタドタと走ってくる音が聞こえる。

 ガチャ!!

 勢いよくドアが開く。危ない。ぶつかりそうだった。


「シュナ!シュナシュナシュナシュナ」


 アポロンが私の名前を連呼しながら抱きしめてくれる。


「えっ!えっ!?どうしたの」

「今丁度帰ってきたんだ…会いたかった。可愛いコスプレしたシュナが直接見れないなんて、耐え難い苦痛だ…」

「私も会いたかった!!」


 アポロンの目はどろりと蜂蜜のように蕩けていて、光がない。しかし溢れ出る光属性でカッ!ピカァッ!と照らすシュナである。どちらが太陽かわかったものでは無い。


「可愛いな…猫耳シスター。俺に使えてくれるのか?」


 頬を撫でながら低い声で耳元で囁く。


「いいよー!あ、アポロンもはい!」

「ん?」


 シュナは背伸びして、アポロンにあるものを付けた。


「「「ぶっ」」」

「わー!!アポロンさん猫ちゃんなのです」


 そう、猫耳である。シュナの白とは違って黒色。


「俺にくれるのか?」

「いいよー!一緒に写真撮ろ!」

「おう」


 シュナは天界でだけ使えるスマホを取り出して、自撮りした。地上より進んだ技術なので天界でしか使ってはいけないのだ。


「撮りましょうか?我が君」

「あ、助かる!この画面のボタン押してね」


 魔界にはスマホは無いので、操作方法を教える。


「なるほど…ハイテクですね。早く地上にも技術が出るといいのですが」

「時期に出るんじゃないかな?」

「早く出るといいわね」

「パイモンはスマホハマりそうだなー、イヌスタグラムとか」

「よく分からないけど楽しみですわ!」

「写真撮りますね。はい、チーズ」


カシャ。


「上手く撮れてる!ありがとう」


 やはりアスモデウスは写真を撮るのが上手い。


「シュナ、俺にも送っといてくれ」

「もちろん!」

「にゃー、そろそろいいかにゃ?」


 サーニャが待ちかねておずおずと出てくる。


「あ、そうだ。アポロン!」

「なんだ?」

「せーのっ」

「「「トリック・オア・トリート!!」」」


 皆はぺかぺかの笑顔でトリック・オア・トリートを言った。アメイモンは真顔だが。


「あぁ、ちょっと待ってろ」


 優しい慈悲溢れる笑顔を浮かべ、アポロンは家の中に戻った。


「はい、フルーツケーキ。お酒入ってるから気を付けろよ」

「ありがとうアポロン!!」

「「「ありがとうございます!!」」」


 流石アポロン、お菓子までお洒落。


「下界の街も天界の街も綺麗に飾り付けられてるよな。楽しめよ」

「あ、アポロンも一緒に行く?」

「それなら俺達は先に戻るぞ、シュナ?アポロンさんと一緒に回りたいだろ」

「そうですよ」


 ケイン達は気が利くなと思った。


「いいの!じゃあ転移門出すね」

「あぁ、私が出しますよ。天界と地上位なら繋げられますし」


 そうか、アスモデウスも転移門が使えるのだ。


「じゃあね!ありがとう、皆」

「また後でなのです」


 そう言って別れた。


「じゃ、行くか、シュナ」

「うん!」

「ラファエル、デートの写真撮ってくれるか?」

「はぁい、アポロン様ぁ」


 スマホを構えたラファエルが少し後ろを着いてきてくれる。


 転移門で街中まで降りる。


 街中には、ジャック・オー・ランタンが沢山並んでいた。段々暗くなってきた空に合わせて、怪しく光を灯している。

 紅葉のモチーフや、お化けのランタン、蜘蛛のモチーフもある。

 道行く人は仮装してる人が多い。


「あのジャック・オー・ランタン大きいな」

「ホントだね!アポロンより大きいんじゃない?」


 広場の中央には、噴水の前に大きなジャック・オー・ランタンがあった。3mはあるんじゃないだろうか。よく作ったな、こんな大きいの。


「写真撮るか」

「いいね!」


 ジャック・オー・ランタンの前でポーズを撮って、写真を撮る。後ろ姿なんかも撮ってもらった。


 少し外れに、人が並んでいた。皆仮装していて、ハロウィンって感じだ。


「なんだろう、アレ?」

「トリック・オア・トリートって言うとお菓子が貰えるらしいぞ」

「え!いいね、行こうよ」

「おう」


 折角なので列に並んでみた。


「あれ、アポロン様じゃ…」

「彼女様と一緒…!?尊い…」


 そんな声がチラチラ聞こえてくる。注目のカップルかもしれない。


 先頭が来た。


「「トリック・オア・トリート!」」


 2人で言う。


「はい、お菓子でーす」


 チョコパイを貰った。


「ありがとうございます!」

「ありがとう」


 きちんとお礼を言って、その場を去った。


 ハロウィン仕様の街並みを見ながら歩いていると、知り合いがいた。


「あ!梅千夜!(しゅう)!」

「あ、シュナじゃないか。アポロンも。久しぶり」

「よう、シュナ、アポロン」

「よう」


 雀茶色の髪に深蘇芳色の目をした、梅千夜さん。世界さんの執事だ。それから、かや色の髪の柊さん。黒の洋館の雑務をしている。

 2人はニコイチなのだ。部屋も同じで一緒に寝てる。ダブルベッドを見たのだ。

 2人はゾンビの仮装をしていた。血糊がついているしメイクも上手い。


「2人もハロウィン参加してたんだ!」

「そうなのだよね。他の神々も参加しているのだよ」

唯理有(イリア)の仮装とかも凄かったぜ。サイバーな感じの…青がモチーフで、コードとか画面が付いてんだよ。さっき向こうにいたから会ってくるといい」


 そうなのか。気になるな。後で会いに行こう。


「へぇー!2人は向こうでお菓子もらった?」

「貰ってないね。お菓子が貰えるのかい?」

「そうそう!」

「それはいいね。今から行こう、柊」

「いいぜ、行こう」


 2人頷きあっていた。


「写真撮らない?ラファエルが撮ってくれるからさ」

「あぁ、いいね。思い出になる」

「いいぜ」


 ということで、並んで写真を撮った。2人はゾンビらしい人を襲うようなポーズ、私とアポロンは猫のポーズ。


 パシャリ。


「じゃ、また今度なのだよ」

「また話そうぜ」

「うん!またね」


 久しぶりに会えて嬉しかった。写真も撮れたし。


「唯理有が向こうにいるんだったか?…あれか?」

「ん?」


 見てみると、子供に囲まれて遊ばれている、青のコードと頭に画面がついた、高身長の人がいた。


「あれっぽいね。行ってみよう」


 近づいてみると、楽しそうな声が聞こえてきた。


「こら、やめなされwwその線引っ張ると体が締まるでござるwww」

「唯理有くん苦しくなっちゃうのー!?もっとやろー」

「こらこらww」


 両手を上げて降参のポーズをとっている。


「唯理有ー!」

「ん!あ!シュナ氏ではないか!アポロン氏も!久しぶりでござる〜」

「唯理有、それ見えてんのか?顔に画面ついてるが」

「横のカメラで映像が中に映されてるでござるw」

「凄いな」


 アポロンは感心した。


「唯理有、子供に人気なんだね!」

「ふひひ、何故だか知らぬが人気でござるww」

「唯理有くん面白いよー!」

「そうなんだー!良かったねぇ。あ、そうだ!唯理有はお菓子くれるんでしょ?トリック・オア・トリート!」

「ぐふふwwいいでござろう、拙者のお菓子をあげるでござる」


 画面がキラキラピカピカとした映像を流している。


「はい、どうぞ」


 そう言って駄菓子を貰った。ヨーグルトのアレ。


「ありがとう!唯理有!そうだ、写真撮らない?」

「いいでござるよ〜、拙者の力作を収めるといいでござる」

「仮装ホントに力入ってるよね〜、自分で作ったんだよね?」

「もちのろん!毎年ネットモチーフで色々作ってるんでござるよ」

「へぇー」


 ということで写真を撮った。


 パシャリ。


「ありがとう!ハロウィン楽しもうね!」

「楽しもうねでござる!」


 相変わらずノリのいいオタクである。あれはチー牛とは呼ばないだろう。


 アポロンと手を繋いで、ハロウィンの街並みを楽しむ。


「いいですよぉ、仲良さげですよぉ」


 後ろからラファエルがそんなことを言いながらパシャパシャ写真を撮っている。いい写真が撮れてるといいが。


「シュナ、可愛いな。愛してるぜ」

「うん!私もアポロンのこと愛してるよ」


 軽くこちらに体を傾けてそういうアポロン。

 やはり大好きな彼氏と共に過ごす時間はかけがえ無いなと思うのであった。


 やがて飾りが簡素なものになってきた辺りで、解散する事になった。アポロンが態々転移門を開いてくれる。金色の転移門だ。

 抱きしめて、キスをされる。愛しくて離れ難いことがありありと伝わってきた。


「別れが惜しいが…またすぐ会えるな」

「うん、またすぐ会おう!じゃあね、アポロン!」

「おう、今日はありがとうな」


 そういって家に帰った。


 家に帰れば、先に帰った悪魔達とメアリー達が片付けをしていてくれた。楽しいハロウィンも終わりである。


「あ、片付けありがとう!ただいま」

「おかえりなさいませ、シュナ様。先にお風呂入りますか?もう入れておきましたよ。夕飯も時期にできますが」


 アリトンがそう言ってくれる。


「あー、じゃあお風呂入ろうかな!ありがとね!」

「いえ、シュナ様の為ならなんでも」


 進められるままお風呂に行った。


 惜しいが仮装を脱いで裸になる。本当に今日は楽しかった。写真も沢山撮れたし。


 体を洗って、頭を洗って、全身お花の匂いに包まれる。あぁいい匂い…。


 お風呂にミイラモチーフの大きな入浴剤を入れる。1個1000円くらいする専門店のちょっといいやつである。


 柑橘の匂いがお風呂に広がった。入浴剤は溶ける様を眺めるのも楽しい。ピンクと白が滲んで可愛い。

 BGMも流している。ジャズだ。落ち着いた夜には丁度いい。


 一通り楽しんだ後、お風呂を出て、少し涼しい脱衣場の空気に晒される。柔らかくて柔軟剤の匂いがするタオルで体を拭く。

 最近は寒くなってきたからもこもこのパジャマだ。テッテレー。あったかいもこもこの靴下とふわふわのスリッパを履いて、夜の準備は万端である。


 お風呂を出たら、夕飯が出来ていた。今晩はピラフである。パイモンが担当であった。


「ごはん出来てますわよ」

「うん!ありがとう」


 皆でいただきますをして、可愛い食器でご飯を食べる。


「また写真は焼いておきますね。そこのアルバムに貼っておきます」

「ありがとう!見るの楽しみ」


 日常の楽しみである、アスモデウスの撮った写真を見るのは。


 洗い物を片して、おやすみなさいをした。今日は沢山歩いたから疲れた。疲れはね、酷くはしないけどそこそこ疲れられるようにはしておいたのだ。疲れもまた日常のスパイスである。


 最近毛布も出した。最近は寒いのだ、少し。

 ピンクの毛布と可愛いお布団にくるまって、穏やかに眠ったのであった。

久しぶりの入浴シーンでしたねー!いつぶりでしょう。お風呂が心地よい季節になってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ