アポロンといっしょ!①
ずっとラブラブしてます。雑談多いかも。ゆったり時間を過ごして欲しいなと思って。
今日はアポロンとデートをする。一緒に天界の街中を歩くのだ。昼食後から過ごす。
私はとびきりのオシャレをした。
水色のふわふわしたワンピース。足は出す。出してこその強気な女である。私の白くてすべすべの生足が、可愛いワンピースから伸びている。
髪の毛もコテで巻いて、ハーフアップにして水色のリボンをつけた。レースもついている、とびきり可愛くて大きいリボン。
自然な甘さの香水を振り、白のバックを持ち、白のヒールを履いて準備完了である。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃいませ」
玄関を出ると、丁度アポロンが迎えに来てくれた所であった。
「こんにちは、シュナ。今日も可愛いな」
「えへへ、ありがとうアポロン。アポロンもカッコイイよ」
軽く惚気けて、差し出された手を繋いで、転移門を潜る。
アポロンの手は温かくて大きい。男らしさを感じる手なのだ。そんなアポロンの手が私は好きである。
手を掲げて、軽いキスをした。愛情表現だ。
「可愛い…シュナ、お前俺の事結構好きだよな」
「もちろん、大好きだよ」
まず行くのはカフェであった。
「ご注文をどうぞ」
「俺は、季節のモンブランとブラックコーヒー」
「わー美味しそう!私はねー、チーズケーキとミルクティー!」
「かしこまりました。カップルの方にはこちらもオススメです、如何なさいますか?」
店員さんがメニューのページをめくり、一つ飲み物を指す。
「ラブラブジュース…?シュナ、飲んでみるか?」
「いいね!そういうの好き」
「じゃあそれも追加で」
「かしこまりました」
元気に注文を頼む。
「この間ねー、ポペードールが家に来たんだよ」
「へぇ?俺も入れてねぇのに、アイツ入ったのかよ」
アポロンは少し嫉妬する。
「今日見てけばよかったかもね、また後で帰る?」
「いや、今日はいい。俺の家に行こう。ポペードールはなんか言ってたか?」
「えーとねー、」
(サタナ、なんか言ってたっけ?)
『再生します。「アポロンに伝えといて!私が先でしたーwwって」』
「あ、うん。私が先でしたーww、って言ってたみたい」
「アイツマジでいい性格してるよな」
「まぁ愛嬌だよねぇ」
「それはそうだな。何して遊んだんだ?」
「えっとね、テレビゲーム!アポロンもやりに来なよ」
「また今度行かせてもらうか」
「今度ムーサの皆とも遊びたいんだよね。唯理有とも!友達増えたから楽しいな」
「楽しそうなら何よりだな」
「私から言っといてなんだけどさ、唯理有に嫉妬とかしないの?」
「黒の神に嫉妬とかしたら後が怖ぇな」
「そういうものなんだ」
話しているうちに、飲み物が届いた。
「このミルクティー、ミルクが美味しい!アポロンも飲んでみなよ」
「ん?ありがとな。確かに美味しいわ」
「でしょ!」
「これも飲んでみるか…」
「ラブラブジュースだっけ?多分苺の炭酸だよね!」
「おう」
そこで店員さんが話しかけてくる。
「ドリンクを飲んでる姿を写真に撮るのが人気です。いかが致しますか?」
「撮る〜!アポロンもいい?」
「いいぜ?キメてやるよ」
「ふふふ、そのままでもカッコイイのに」
アポロンはキュンと来た。
「キスしてる所も撮ってくれるか?」
「アポロン!?」
恥ずかしいと思わないのだろうか。思わないのかな…。
まぁ私もイベント事は恥ずかしがらずやるタイプなので、似ているかもしれない。
「キュンときたわ」
「そっか…?」
「写真撮りますねー」
2人でハート型から伸びているストローに口をつけた。
カシャリ。
そのまま、席を立ってキスをした。
カシャリ。
写真を撮ってもらったのに、唇が離れない。目を開いて、アポロンの目を見つめる。
きょとん。と効果音が付きそうである。
すると、アポロンが舌を入れだした。
(えっここ人前なのに!?!?)
びっくりしているのも束の間、口内を蹂躙される心地良さで直ぐに脳が蕩けてしまった。舌は上顎を擦り、私の舌を擦り、くちゅくちゅと音が立つ。
口が離れたら、私は直ぐに椅子に座った。腰が砕けたのだ。
腰砕けになりながら、涙目でアポロンを見上げる。キスが上手すぎる、この神は。
アポロンは、見上げるシュナの可愛さでどうにかなってしまいそうだった。愛おしさが栓を抜いたようにとめどなく溢れてくる。
「めっちゃ写真撮っときました。お嬢さんの方も」
「店員さんナイスすぎるだろ。全部2枚ずつ買うわ」
「わ、私も写真欲しい…」
ヘロヘロになりながら呟く。
「シュナの分も買うから安心しろ」
一安心である。
アポロンは、このジュース飲んでる写真家に飾ろう、と思った。
暫くは一緒にラブラブジュースを飲んでいた。
「結構苺味がしっかりしてるよね、ラブラブがコンセンプトなのにちゃんと美味しい」
「そうだな。果肉入ってるし」
だがちょっと量が多い。ずっと間近にアポロンの美形があると、少し落ち着かない。顔がいい。
まつ毛は長いし、肌はちょっと焼けた陶器肌。金色の目がキラキラ輝いている。
「アポロンってさ、イケメンだよね」
「そうだな?シュナも可愛いよな」
自信家で可愛い。
「私これ、好きにいじれるんだよね。美人系にも出来るんだよ」
「俺はそのままのシュナが好きだな。どんな姿でも愛しいだろうが」
とことん惚気けてくれる彼氏である。シュナは多幸感に満たされた。
「ケーキ一口あげるよ。はい、あーん」
「お、おう。」
アポロンは少したじろいだ。シュナは結構積極的である。
アポロンは口を開けてチーズケーキを食べる。
「…美味しいな!」
「だよね!」
「俺のも一口あげるぜ」
アポロンがあーんする。フォークを差し出す彼は愛しいものを見るような優しい表情をしていて、きゅんときた。
ちょっと顔が熱くなるのを感じながら、モンブランを食べる。
「あ、美味しい。栗の味凄くする」
「な。生クリームも美味い」
絶品のケーキである。
「このカフェまた来たいね」
「いつでも連れてきてやるよ。あと頬にチーズケーキついてるぜ」
「あチーズケーキつくことってあるんだ」
「ははwあんま粘性無さそうだよな」
「そうそう」
アポロンが指で掬ってとってくれた。お上品にナプキンに拭いている。案外舐めるとかしないんだな。する時もありそうだけど。
食べ終わったので、お店を出た。アポロンがお金は出してくれた。
「ごちそうさま!」
「おう。俺といる時は財布出させねぇからな」
「ありがたく食べさせてもらうね!」
「シュナの為なら幾らでも奢るわ」
シュナはぺかぺかの笑顔でそう言った。可愛い笑顔のためならいくらでもお金が出せるアポロンであった。
天界の湖に沿って歩く。涼しい風が吹いて、髪の毛を揺らす。手で髪を押さえた。
「大丈夫か?冷えないか?」
「うん、大丈夫。なんかアポロンが湖側歩いてるからさ、そっから吹く風が暖かいんだよね。太陽だから?」
アポロンを見上げながら質問する。身長が高くてかっこいい。
「そうだな。俺太陽神だから体温高ぇし。周りの温度も高くなるし、あと好きなとこの温度上げられる」
「手も温かいよね」
「冬は湯たんぽにしてくれていいぜ」
「夏もくっつかせてね」
「まじで可愛いなお前」
アポロンはシュナの頭をよしよしと撫でた。可愛いものは愛でたいのである。
お店に寄って、お菓子や飲み物を買った。
「アポロンはどんなのが好き?」
「辛いのだな。甘いのも好きだがよ」
「えぇ凄いね。私気分の時以外は辛いの食べれないや」
「そうか。ポップコーン買ってこうぜ」
「うん!」
買い物を終えて、アポロンの家に向かった。天界のオリンポス山にある豪邸である。
「お家ひろーい!」
「シュナの家の玄関も広かったじゃねぇか?」
「人のお家は別な感じだよね」
「そうか」
こういうことでも喜んでくれるシュナは可愛いなとアポロンは思った。またぽんぽんと頭を撫でる。
「リビングこっち」
「おじゃましまーす」
高級感のあるスタイリッシュな家だ。
吹き抜けの高い天井に太陽の模型があった。結構大きい。1mくらいはあるんじゃないだろうか。
「あれなに?」
「あぁ、ヘパイストスと唯理有と協力して作った。そこのスイッチで月に変わる」
「えーお洒落!カッコイイね」
「だろ?俺も気に入ってる」
ドヤ顔をするアポロン。可愛くていっぱい褒めたくなった。
「アポロンって家具のセンスいいね」
「ありがとよ。シュナの教会も、シュナらしくて良かったぜ。可愛かった」
教会も見てくれたのかと驚いた。
「でしょでしょ!可愛いの!教会見てくれたんだ」
「おう。エロスに会ったぜ」
「すごい偶然だったね!」
「まぁシュナんちに1番近い教会にいたからな、分かりやすかったわ」
「そっか」
「ちゃんと活躍してたな。シュナは見たか?」
「うん、見たよ」
テレビをつけて、一緒に見る。私の肩にアポロンが腕を回す。筋肉質の太い腕に囲まれて、私はメロメロだった。
手でアポロンの腕を触ってみる。温かい。
私もアポロンに抱きついた。いい匂いがする。胸板が分厚い。抱かれたい男ナンバーワンである。
「映画見ようぜ、映画」
「いいね!」
お菓子を広げて、ジュースをコップに注いで、準備は万端。
恋愛映画を見ることにした。
上映中。
ふと、アポロンを見つめる。
「ん?どうした」
言いながらキスをしてくれる。そう、キスしたかったのだ。
お互いの顔に手を添える。アポロンは私の後頭部を支えた。
舌が入って濃厚なキスになる。より近くに、より愛し合えている感覚がして幸せだった。
でも、未だに恥ずかしさがあって、むず痒い。快楽で頭がぼーっとする。
キスを終えたらヘロヘロで、アポロンの肩にぽす、と顔を埋めた。頭を撫でてくれるので、眠りそうであった。
ともかく満足したので映画の続きをみる。
間近で何時間も映画を見ていた。アポロンの肩に頭を預ける。時折頭を撫でてくれる。真横に体温がある感覚が心地よくて、一緒にいれるのが幸せだった。
時折頬やおでこにキスをしてくれた。ので私もやり返したら、ちょっとびっくりした顔をした後に、それはもう嬉しそうな顔をしてくれた。
18:00近くになった。そろそろ夕飯の時間である。
「ご飯食べ行くか」
「うん、行こっかー!」
立ち上がって伸びをする。長い間映画を見ていた。幸福に満たされた時間だった。こんな幸せな時間あるのかというくらい。
外に出る。もう日は沈んで、夕焼けだけが残っていた。三日月が出ている。
「月が綺麗だな」
「太陽も綺麗だよ、アポロン」
「熱烈だな。可愛すぎる。愛おしいぜシュナ」
「んふふ」
手を繋いで歩く。目指すはお店である。
月明かりと街灯がアポロンの美しい顔を照らす。
「見蕩れて転けるなよ?」
アポロンがちょっとからかうようにそう言う。
「う、うん。気をつけないとね」
全然転けそうだったので気を付けた。
夜風の涼しい季節となった。星空が綺麗に見えて、幻想的だ。
お店を目指して、歩いていった。




