気ままに!メアリーちゃんと一緒
メアリーちゃんと過ごす短編集です。
「お嬢様!コーヒーでございます♡」
「ありがとうメアリーちゃん!」
メアリーがコーヒーを持ってきてくれる。
私の好みはミルク1つ砂糖1つだ。程よく甘くなるのでいい。
スプーンで混ぜて、コーヒーのついたスプーンを口に含んだ。
「あっく(あっつ)」
「お嬢様!?」
舌を火傷した。思いのほか熱かった。
「お水なのです!熱すぎたのです」
「ありがとう、メアリーちゃん」
メアリーがお水を持ってきてくれた。コーヒーよくは冷まして飲んだのであった。
メアリーちゃんは甘めのコーヒーが好きである。あと、少し猫舌なので、よく冷まして飲む。
コーヒーは豆から挽く派だ。その方が香りが良くなるのだ。
「美味しいのです!」
「美味しいね」
笑顔溢れる、楽しいティータイムであった。
〜〜〜
今日はメアリーと一緒にお買い物に来ている。
「ちょっとこれ買ってくるのです!外で待っててなのです」
「分かった!」
ということで外で待った。暫くすると、
「お嬢様、可愛いのです、お茶行かないのです?」
と、お買い物を終えたメアリーがふざけて話しかけてくれた。
私はもう嬉しくって笑顔になった。
「んふふふふ」
「お嬢様、嬉しそうなのです」
メアリーは、(安いのです…)と思ったのは言わないでおいたのであった。
〜〜~
なんとなくペットが欲しくなったシュナ。しかしペットは責任が大きい。メアリーちゃんにお手をしてもらう事にした。
「メアリーちゃん、お手」
「ぱしっ」
「…おかわり」
「ぱしっ」
「口だけで言って動かないなんて怠惰な犬だね」
「んふふ、テレビがいい所なのです」
「そっかぁ」
メアリーちゃんは気ままな猫だな、と思ったのであった。
〜〜〜
メアリーちゃん達と一緒にテレビを見る。所謂刑事ものがやっていた。
「メアリーちゃんみたいな可愛い子が警察だったらさ、なんでも自白しちゃうよね」
「そうなのです?」
メアリーは、ちょっとチョロくないか?と心配になった。
「じゃあ、逮捕なのです!お嬢様♡」
メアリーは、ふざけてそう言った。
シュナはポカーンとしてしまう。
「え、えへへ、なんちゃってなのです」
メアリーは恥ずかしくなって赤くなった。
すると。
「逮捕してくださいっ!」
シュナは両手首を差し出して、頭を思い切り下げた。
「いっそ逮捕されたい…」
「だ、駄目なのですお嬢様」
メアリーは慌てた。シュナの事だから悪いことなんてしないだろうが、主人が逮捕されるのは困る。
「魔性の女ですわね〜、メアリーちゃん」
「パイモンちゃん程じゃないのです」
「2人はベクトルが違う可愛さだよね」
「そうですね。2人とも美人ですが」
アリトンが褒める。
「パイモンはハニートラップとか上手そうだよな」
「あら、お望みかしら」
「違ぇって、面白いこと言うなよ」
オリエンスとパイモンはそういう関係じゃなさそうだ。
「メアリーはハニートラップは出来るのか?」
アメイモンが聞く。
「仕事と割り切れば行けるのです」
「そうか」
メアリーちゃんのハニートラップ。仕掛けられたい過ぎるな。
「今度やってよ、ハニトラ」
「お望みとあればなのです!夜にでもやるのです?」
「あら、私もやりたいですわ。色気では負けないですわよ」
「両手に薔薇だね」
「良かったですね、我が君」
私の心の寿命が伸びる気配がした。
その夜、2人が寝室に来た。
「体触ってもいいから知ってる事を教えて欲しいのです?」
「ほら、知ってるんでしょう?私達の可愛さに免じて教えてくれないかしら?」
メアリーは私の右手を頬に当てて上目遣いで聞いてくる。パイモンは私の左手を大きな胸に当てて、聞いてくる。
「はわわわわ」
私は真っ赤になって狼狽えるしかないのであった。
「喜んでくれたかしら」
「それはとっても」
「次はお嬢様の番なのです!」
「えぇ、そうですわ」
私の番が来たらしい。
私はネグリジェの胸元を下げて、2人に詰め寄った。
「ねぇ、私体が熱くなってきたみたい。2人とも、相手してくれるかな?それとね、教えて欲しいことがあるんだけど」
と言った。
パイモンは口に両手を当て、メアリーちゃんは顔を手で覆った。
「刺激的過ぎるのです…」
「えっちですわね…百億万点ですわ」
上々な反応である。私は満足した。
「楽しかった!それじゃ、おやすみなさい」
「えぇ、楽しかったですわ。いい夜を」
「おやすみなさいなのです」
楽しい女子会を終えて、楽しい気持ちで寝付いたのであった。
〜〜~
少し肌寒い、涼しい日だった。まだ8月だというのに。
ここ最近は雨続きである。パラパラと硝子に雨がぶつかる音が、リラックス効果があって良いのであった。
今日は雨の日のお散歩をする。
シュナは人間の頃から雨が好きだ。日焼けしないし、自分が雨に包み込まれた様な気分で安心感と特別感がある。
シュナは、お気に入りの傘とレインコートと、レインブーツを履いて公園に来ていた。
傘はスノーホワイトの布地にパールグレーでお花柄が描いてあるもの。
レインコートは白い布地に薄いピンクや水色で草花の刺繍が端に施されている。ケープっぽい形で可愛いのだ。
レインブーツは黒。端にレースが付いていてゴシックっぽい雰囲気だ。
レイングッズを可愛くすると、雨の日のお出かけも楽しくなる。
メアリーちゃんの格好も可愛い。安定のピンク色のレインコート。白いレインブーツ。傘もホワイトで、端にフリルがついている。布地はツヤツヤしていて、パールのように反射して七色に煌めく。
街中を歩いていると、お菓子屋さんを見つけた。折角なので買っていこう。
「そこのお店でケーキ買ってこうよ」
「いいのです!」
お店に入る。
「いらっしゃいませ〜」
店員さんが笑顔で出迎えてくれる。
「こちら新作です〜」
「わ〜可愛い!」
それは瓶詰めのケーキだった。種類は、ショートケーキ、ベリーケーキ、ザッハトルテ、カシスモンブラン、チーズケーキ。それから季節限定でサツマイモケーキと無花果ケーキがある。
2人で一緒に人数を指折りで数えながら、ケーキの種類と見比べる。
「家に7人いるから、1種類ずつ買うと丁度いいね」
「ピッタリなのです!」
ニッコリと顔を見合わせた。
店員さんがトレーをもって近づいてくる。
「試食どうぞ〜」
「ありがとうなのです!」
「ありがとうございます」
スイートポテトの試食だった。食べてみると、ねっとり甘くて美味しい。さつまいもが香り高い。
「美味しいのです…これスイートポテトも買いたいのです」
「そうだね、買ってっちゃおう」
冷蔵庫に入れておけば1日くらいは持つし。
「この瓶詰めのケーキ1つずつと、スイートポテト7つ下さい!」
「お買い上げありがとうございます」
因みに私はチーズケーキを狙っている。チーズケーキが好きなのだ。
お買い物を終えて外に出ると、晴れていた。空には大きな虹が。
「わー、綺麗!」
「綺麗なのです〜!虹がパワワ〜なのです」
目をキラキラさせて、虹を見る。暫く見とれていた。
地面の水溜まりにも虹が反射していて、雨上がりという感じで綺麗だ。
「帰ったら美味しいカプチーノをお淹れするのです!」
「ありがとう!楽しみ」
最近はカプチーノにハマっている。いいミルクを使うと、コーヒーの苦味とコク深いミルキーさが合わさってとても美味しいのだ。
「公園までお散歩するのです」
「うん!お散歩楽しいね」
ニコニコと穏やかに話す。
「ここにね、鳩の餌があるよ」
「あげたいのですー!鳩さんモグモグさせるのです」
鳩の餌やりをすることにした。ここは餌やりOKの公園である。前世は地域によっては禁止されている所もあったので、よく確認するのが大事である。 私も、また今度掃除のボランティアにでも参加しよう。
メアリーちゃんにも餌を渡した。
「鳩さんもぐもぐー…わ、わわ!大変なのです!」
鳩がメアリーちゃんに群がる。メアリーちゃんは鳩に襲撃されて鳩まみれになった。
因みに私も襲撃されている。視界が鳩。
モフモフ!モフモフ!バサバサ!
効果音が付くくらい鳩まみれである。
メアリーちゃんは驚いて餌を持ったまま固まってしまっている。
やがて、餌がなくなって鳩が去っていった。
「た、大変だったのです」
「凄かったね。でも可愛かった!」
「可愛かったのです!」
なんだかんだ楽しかったのであった。
家までゆっくり歩いて帰った。
「お帰りなさいませ、我が君」
「ただいま、アスモデウス」
今日もアスモデウスが出迎えてくれた。
帰ったら手を洗ってケーキを食べた。写真も撮っておいた。
私は狙っていたチーズケーキが食べれた。狙ったケーキの要望くらいは通る立場である。
「ん〜美味しい!」
滑らかなクリーム、酸味と甘みのバランスが取れていてとても美味しい。クッキー生地もザクザクほろほろしていて、いいアクセントになっている。
思わず笑顔になる。
「美味しいですわね〜」
「な!」
「ですね」
「うむ」
皆も幸せそうな顔をしている。
メアリーちゃんが美味しいカプチーノを淹れてくれた。ケーキと良く合う。
メアリーちゃんはベリーケーキを食べていた。ベリーが好きらしい。ピンクの似合う女の子である。紅潮した、ケーキで膨らんだ頬が可愛いのであった。
やっぱりオヤツがあると日常の幸福度が違う。こんなに笑顔になれる事があるって幸せだ。
幸せなティータイムを終えたのであった。
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