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お出かけ?

4話

葉月が俺の部屋にきて一夜すぎた。


俺はあのあとご飯食べて、風呂へ入りそのままの勢いで寝てしまった。


俺は想像以上に疲れていたらしい。


「はぁー、よく寝た。」


ふにゃ、ふん


何やら声が聞こえる。


おかしいな。


俺は一人で寝てたはずだが


って、ああ


こいつ俺のベットで寝てやがる。


まさか俺昨日の夜こいつと一緒に寝たのか?


まだ、女の子と一緒に寝たことがないというのに初めてが葉月になるなんて。


流石に1000歳も年上だと恋愛感情も芽生えない。


ふにゃ、あーカプッ


「うっ、おい勝手に血を吸うなよ」


ふにゃ、ふん


「おい、ふにゃふにゃ言ってないでさっさと起きろ」


俺はこいつから布団を剥ぎ取る。


「おい、優よ。妾から布団を剥ぎ取るとは良い度胸じゃないか。」


「そんなこと言ってないで早く起きろ。」


「もう起きておるだろう。そなたには目がついておらんのか?」


葉月が不貞腐れたように言う。


「はいはい。」


「おい、そなたは高貴である妾に対して少し不敬ではないか?」 


「勝手に人の血を吸うやつに言われたくない。」


「むむ、じゃがそなたの血はなかなかに美味であるぞ。少なくてもこの数100年ではトップクラスのうまさじゃのう」


なんか別に嬉しくないような


「不服か?少なくとも血がうまいということは良いことじゃと、妾は思うがの」


立て続けて葉月が話す。


「それで、優よ。今日は何をするのだ?やはりそなたは高校生ゆえ、青春でもするのか?」


葉月はウキウキなようで目を光らしている。


俺はため息をついて返答する。


「今日から夏休みなんだ。だから一ヶ月学校へ行くことはないし特にやることも決まっていない」


葉月は少し拍子抜けした、と言わんばかりの表情で少し落胆している。


「そなたは、リア充ではないのか?」


吸血鬼がどこでリア充なんて言葉学ぶんだ?


とっくに死語だと思っていたが


「ああ、そうだ。俺は別にリア充でもなければ、青春をしてるわけでもない。」


「なんじゃ、つまらんな。それなら妾が、そなたをリア充にしてやろうか?」


何を言ってるんだこいつは?


何かすごく変なことをさせられそうだ


「別に俺は今リア充になりたいとは思っていないよ」


「なんじゃ、逆バリ、というやつか?確かにそなたは、他の人と比べてひねくれてるような気がするのう。」


「確かにひねくれてるのかもな。」


「そなたは、学校ではモテておらんのか?妾から見ても、そなたの顔は十分整っていると思うがの」


「知らないよ、そんなこと。」


何やら葉月は考え込んでいる。


「ふむ、そなたにやりたいことがないというのなら妾の言うことを聞いてくれんか?」


「どうしたんだ?急に。」


「そなたが、ただ家でゴロゴロしてるのは勿体無いと思ってな。」


確かに夏休みを棒に振るのは勿体無いと思うけど


「何をするんだよ?」


恐る恐る聞いてみる


「そなた、妾とデートしないか?」


は?


「妾とデートしろと言っておるんじゃ。二度も言わせるでないわ」


で、デートだと?


人生初デートがこいつだと?


「お、俺デートなんてしたことないけど」


「ふん、別にただ妾が外に出たいだけじゃ。そなたは、ただ妾のそばにいるだけで良い」


「なら、デート、だなんて言うなよ。」


ふふっ、と笑って葉月が言う。


「そなたも、恥ずかしがることがあるのだな。デート、と言ったら方が気合いが入るであろう?」


それもそうかと言って、俺は出かける準備をする。


まさか夏休み初日から、家の外に出るなんて思いもしなかった。


もしかしたら、これは俺にとって良い変化なのかもしれないな。


「優よ、少しにやけておるが何か良いことでもあった?もしかして妾と出かけるのが嬉しいのか?」


「そうかもな」


俺がそういうと、少しだけ葉月は頬をあからめたような気がする。


こいつ、もしかしてちょろいのか?


「ちょっと葉月に聞きたいことがあるんだけど」


「な、なんじゃ。言ってろ」


「お前、1000年生きてるとか言ってたな。てことはさぞ恋愛経験は多いんじゃないか?」


葉月が少し恥ずかしそうに言う。


「わ、妾は高貴な身ゆえ、誰とも交わらなぬ生涯なのじゃ」


「つまり、お前も俺と同じで恋愛経験0かよ」


「そなたと、一緒にするでない。そなたと違って妾はモテるからなあ。遊びに誘われたことだってあるのだぞ。」


俺は呆れたようにいう。


「はいはい。強がりはいいって。そもそも、お前が高貴な存在なら皆んな遠慮しちゃって近寄りがたいんじゃないか?」


ぐきっ、という音が葉月から聞こえた気がする。


「優よ。つべこべ言わずにさっさと出かけるぞ。」


もしかして、照れ隠しなのか?


1000歳は超えてるとはいえ、見た目相応なところもあるじゃないか。


早く来い、と葉月は手招きしている。


「ああ、早くいく。ちょっと待ってろ。」


そう言って、俺と葉月は家を出たのだった。












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