同居?
3話
「優よ、そういえばもう夜遅いぞ。家に帰らんでよいのか?」
完全に忘れていた。そういえばもう夜の10時を回ってる。
ピコン
スマホに通知がなる
「あっ、やべめっちゃ母さんから連絡が来てる。早く帰らないと。てか葉月はっどこに帰るつもりなんだ?」
「妾に、変える場所などないわ。ふむ、強いて言うなら日本全土かのう。」
日本全土?
一体こいつは何を言っているんだ?
「そういえばさっき、始祖様とか言っていたな。葉月って本当はすごいやつなのか?」
「本当は、とはなんじゃ。さっきからそう言っておるであろう。妾は、すべての眷属から尊敬されておる。」
それって自分で言うことか?
「そんなにすごいなら、なんで葉月は死にかけてたんだ?」
「・・・」
「別に言いたくないならいいけど」
「ふむ、そなたは妾はの恩人であるからな。妾の気が向いたら話してやろう」
ピコン
母親からの連絡がくる。
「あっやべ。めっちゃお母さんキレてる。早く帰らないと」
「優よ、」
少し物怖じ下に葉月が俺に話しかけてくる。
「そなたの家について行ってよいか?」
「は?」
「だから、そなたの家に住んでよいのかと聞いているんじゃ。」
俺の家だと。
年の差約1000歳とはいえ、見た目はほぼ同年代なんだぞ。
普通に考えてやばいだろ。よくよく見たら葉月だいぶ可愛いし。
「いや、俺の親絶対許さないと言うか、そもそも拾ってきた女の子を家に住ませるのってちょっと世間的にやばいのでは」
「なんじゃ。昔は皆歓喜の声をあげて妾を家に泊めてくれたんじゃがな。やはり今の人間は生ぬるい。」
だから生ぬるいってなんだよ
「そうじゃな。では家を教えてくれ。妾は空中を飛べるゆえ、そなたの部屋の窓から侵入する」
「はぁー、そこまで言うならわかったよ。ついてきてくれ。俺の部屋は二階にだから窓から入ってくれ」
葉月は、よし、といって俺についてきた。
「よしついた。俺が部屋に入ったら窓開けるからそこから入ってきてくれ。」
「うむ。」
ドアを開ける。
「ただいまー」
ドアを開けると、母さんがおり、怒った表情で立っていた。
「ちょっと、優、遅いじゃない。何してたの?」
「いやー、ちょっと緑原たちとカラオケに行ってて・・・」
「はぁー、まあ明日から夏休みだから今日のところは許してあげる。今後は遅くなるときは連絡して。」
「はい。すみません」
わかったならよし、といってあ母さんは許してくれた。
「御飯もう作ってるから、食べてね。今日はつかれたから私はもうすぐ寝るね。」
「はーい。」
俺はすぐに自分の部屋に戻った。
そして、俺は窓を開ける。
そしてその瞬間、黒の翼をまとった葉月が空を飛び窓から入ってきた。
「本当に空飛べるんだな。」
「どうだ、妾のことを少し見直したか。」
そうだな。たしかに自分の力で空を飛べるのはすごい。
「で、これからどうするんだ?本当にここに住むなんて言わないよな?」
さっきはその場のノリで言ったようなものだ。
だって普通に考えて16歳の男子高校生と、1000歳を超えているとはいえほぼ同年代の見た目の美少女が同居する、というのは俺にとって難易度が高い。
「なんじゃ。そなたは妾に道端で野垂れ死ねとでも言うのか。ソナタがそれほど冷酷だったとは。」
「そこまで言ってないだろ!」
ふん、といって葉月はそっぽを向いた。
「そなたは、妾に名前までつけたのじゃ。責任を取ってもらわないと困る。」
なんだよコイツ。
ツンデレ属性に加えてメンヘラも患っているのかよ。
女の子とほぼ喋ったことがない俺からしたらかなりハードルが高いぜ
「でもなぁ。そう長くお前の存在を隠し通せるとは思わないんだよな。俺の両親、変に感が鋭いし。」
「ふむ、そのことなら妾に秘策がある。なにせ妾は吸血鬼の王なのだ。不可能などない。」
そういった瞬間俺の目の前から葉月は姿を消した。
「おい、どこ行ったんだよ。」
「妾がどこにいるかわからんか?ふふっ」
「おい、早くでてこいよ。」
そして、シュッと俺の目の前に姿を現した。
「び、びっくりした。いきなりいなくなるなよ」
「ふふっ、そなたの焦りようが少し面白くてな。少しからかってしまった。」
いきなり消えて、いきなり現れるのは少々心臓に悪い。
「その、いきなり消えたりするのはびっくりするから何か別の方法はないか?」
自分でも無茶なことを言っているのはわかるけど、流石にこれでは俺に心臓が持たない。
「そなたは注文が多いな。ならこれならどうじゃ?」
コンコン
ドアが鳴る音がした。
「まずい、お母さんだ、早く隠れて。」
「入るわよー」
お母さんがはいってきた。
まずい。
はずきが姿を隠せてない。
「もう、優ったら部屋でグズグズしてないで早くご飯食べなさい。もうとっくに冷めちゃってっるわよ」
あれ?
お母さんが葉月に対して何も反応を示さない。
もしかして見えていないのか。
「お母さん、俺の後ろになにか見える?」
「何いってんの。カラオケで歌いすぎて幻覚でも見えてるんじゃないの?さあ、早くご飯食べなさい」
そう言ってお母さんは部屋を出ていった。
「葉月、これは一体どういうことなんだ?お母さんには葉月が、見えていなないようだったけど。」
「そなたの言うとうり、そなただけに見えるように気配を消したのだ。」
「吸血鬼ってえそんな事もできるのか。すごいな。」
俺は、葉月に尊敬の眼差しを向ける。
「ふむ、さすがの妾も特定の誰かだけに姿を見せるというのは難しい。だからある秘策を使ったのじゃ。」
ごくり
「その秘策とは、妾の血を少量、そなたの体内に入れる、ということだ。こうすることで妾の気配をそなただけに妾を感知することができるのじゃ。」
おいまじかよ。
自分の血液を人の体内にいれるなんて。メンヘラの域を超えている。
「なんだ、その不満そうな顔は。妾の血を貰うことは大変光栄なことであるぞ。もっと喜ぶが良い」
そんな事も言われたって喜べるかよ。
他の人の血液が自分の体内にあるなんて。
「まあ、これで両親にバレずに済むならいいか。」
「優よ。今日からよろしくな。」
「ああ、こちらこそ」
これが俺と葉月との同居生活の始まりだった。
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