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天人五衰  作者: 月迎 百
5/5

小夜 ーさよー

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなり挑戦しています。


今回で3作目となります。

1作目は異世界(前世・悪役令嬢もの)、2作目はSF(幼馴染の恋愛&聖女もの)でした。


少しずつ書き進められたらと思っています。

読んでいただけたらうれしいです。


 冬至兄さんのことを考えている。

 乗った船が海賊に襲われ、行方がわからなくなっていると。


 私があんな不吉な内容の手紙を書いたからだろうか。  

 でも、冬至兄さんにしか頼めなかった。

 

『私を殺してほしい』


 

 この離れで過ごすようになってもう3年になる。


 あの時、産んだばかりだった天音(あまね)もかなり大きくなったことだろう。


 夫はやさしい人なので、太郎、花音(はなね)、天音の3人を大切に育ててくれるだろう。


 私はもう妻、そして母としての役目は果たせない。

 それなのに世話になって生き永らえているのがつらい。


 何度か自分で命を絶つことを考えたが、いざとなると子どもたちの幼い時の顔が浮かぶ。


 もう3年会っていない。どんなに大きくなっていることだろう。


 夫も舅、姑も、だんだんと私との関りを少なくしていき、私の死を待ってるような気がする。

 離縁は私の実家とのつながりもありできないから、ただ待ってる。


 ただ私が死ぬのを待っている。



 夜、ふと人の気配に気が付くと冬至兄さんが会いに来てくれていた。

 夢かと思った。幽霊になって私の願いを叶えに来てくれたのかと思った。


「小夜、本当に死にたいのか?」

「兄さん、覚悟はできています。なのに、いざとなると自分では死ねません……。

 お願いです。私を殺して下さい」


「……わかった」


 兄さんが私の首に優しく触れた。

 お願いしたくせに、こわいと思った。


 心の乱れを感じ取ったのだろう。


「俺は一度死んで身内の命を喰らう化け物となった。

 小夜、俺に命をくれるかい?」


 いつものようにやさしい、でも震えている兄さんの声。


 うれしくて涙が出た。


 これで私の死はただの無駄な死ではなくなる。


 うなずくと目を閉じた。


「冬至兄さんのためならば喜んで……」

読んで下さりありがとうございます。


まだこちらは連載中ですが、私の頭の中で2作目の主人公のアキラがヴェスの暴走(?)をかなり不安がってまして、礼とアスランがふたりの休暇を切り上げて仕事をさせるようです。


そっちの話が終わったら、こちらの連載を続けたいと思っています。


よろしくお願いします。

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