あと -きざまれるもの-
『跡』 -刻まれるもの-
砂浜に足跡を付けるように
時間の中にあしあとを遺す
ゆっくりとゆっくりと
時の中に刻みつづける
歩みが不規則になって立ち止まる
ふと振り返ると足跡が消えている
寄せて返す波に消されるように
刻んだ跡が消えゆくこともある
それでも消えることばかりではない
波とともに海原に運ばれる小瓶のように
その想いが彼方へと流れゆくこともある
そして見つけた人の心へと留まることも
わたしは歩んだ跡を刻みつづける
時の流れの中に跡を残しつづける
消えてしまってもいい
それは構わない
想いはあるのだ
まだ胸の奥にあるから
言の葉を流す
風のなかに
波の彼方へ
想いを遺す
ここまで歩んできた時へと
その足跡を刻みゆくように
風化して無くなるはずの
消えてゆくだけのはずの
ただそれだけの想い
今はまだここにあり
繁る葉陰のなかで秘やかに
僅かではあっても鮮やかに
あの時の想いという跡を
この場所へと刻んでいる
-蛇足-
安定の中でしか刻むことの出来ない言葉や想いはあるようですね。
それで出来なかったことが幾つもありました。
自らのこと、世の中のこと。
今年は波や風に翻弄されるような、そうしたことが多いと思える年でした。
いなくなったり、離れた人を想うことも多かったように思います。
言の葉を微かに刻むしかできない自分だけれど、
よろけたり立ち止まったりしながらも、
ゆっくりとでもいいから歩み続けたいですね。
ちょっとだけ、そんなことを思いました(*^^*)
また来年もお会い出来たらうれしいです♪(^人^)
それではみなさま、
良いお年をお迎えくださいませ(●´ω`●)