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第二話-どうしようもなく平凡-

主人公を取り巻く世界の説明みたいなお話の回です。大雑把ですけど。。

どすっ!


僕、熊谷海人はいたって普通の高校生だ。

ルックス、頭、運動能力から何から何までが平均値をとるという記録は、いっそ奇跡と称してもいいぐらいだと友人から言われた経験もあるほどだ。

しかし、僕はそれについて昔からつらい思いをしてきた。その思いの直接的な原因は兄の存在にある。

なぜなら兄は世間一般にいういわゆる天才だったからだ。兄の数々の武勇伝を挙げだしたらきりがない。たとえば、学生時代に所属していたバスケ部おいてはキャプテンとしてチームを全国大会に導いたりだとか、最近のことでいうと今年春、京都にある全国屈指学力を誇るみんなの憧れK大学に首席で入学したこととか。そして僕はその出来のいい兄と比べられることに耐えられなかった。親や近隣の人たち、あるいは友人たちにことあるごとにあれやこれや言われることが気にくわなっかたのだ。とはいっても、僕自身は兄のことが嫌いなわけではないし、純粋に兄の人柄に憧れる部分もある。そこは分かって欲しい。


兄弟といえば僕には妹もいるのだが、まだ小学4年生なのでポテンシャルがどうこう言うのはよしておいて、そもそもその妹に対し今まさに言うことがあるのだ。


「う、うぅ・・・も、もう少、し、やさしく、お、おこしては、くれないか・・・星香(ほしか)


11月11日金曜日朝6時33分、僕は腹部にもろに受けた強烈な一撃によって目を覚ました。さっきの鈍い音はその際に発したものだ。

ベットの上でのたうちまわっている僕に星香と呼ばれた少女はいった。


「おにぃちゃんがいつまでたっても起きてこないからでしょ。因果応報よ」


僕はその言葉を聞きながら少しずつ落ち着きをとり戻してゆく。


「はぁはぁ、ひどいな・・とりあえず、おはよう」


「はい、おはよう。朝ごはんできてるからはやくきてね」


星香はそういうと早足に部屋を出て行ってしまった。

僕はその姿を見送って、痛むお腹をさすりながら制服に着替えた。そのまま居間の方まで行くといい匂いがした。見てみるといかにもな洋食が皿に盛りつけてあったので、僕の食欲がそそられるかのように思われたが、いかんせん、先ほど妹に殴られたお腹の調子がまだ完璧ではなかったのでなんだか損をした気分になった。


食卓にはすでに家族がそろっており僕が一番最後に席に着く形になった。

一番最初に口を開いたのは母だった。


「あっ、そうそう言い忘れてたわ、海人。私たち今日から三日間旅行に行ってくるから、お留守番お願していい?」


それはまた随分と急な話だったが、不都合があるわけではなかったので二つ返事でその役目を引き受けた。

そのあとは特ににこれといった事があるわけもなく、定時に家を出て、定時に電車に乗り、少し飛んで定時に放課後を迎えた。

放課後だからといってやはり僕には特別やることもなく、そのまま帰ろうかと思っていた時に後ろから声をかけられた。


「なあ海人、今日暇か?」


その声の主の方を向くと、そこには風間俊之(かざまとしゆき)立っていた。

僕はその御誘いを快く受け入れた。暇なので。





”僕の生まれ育ったところは退屈だったけど、やっぱり平凡っていうのはなかなかどうしていいものだったんだなって、なんで気付かなかったんだろうな。そんなことを今になって思うよ。”

ここから!ここからですよ、面白くなっていくのは!



・・・いや、まだかな?

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