日記
20XX年11月某日
間も無く日付が変わろうとする時間ではあるものの、金曜日のこの日街は相変わらずの喧騒に包まれている。
ネオンの光と熱気やら有害物質やら、蒸発したアルコールやらのせいで淀んだ夜空に星は一つも見当たらないが、この日満月を迎えた月だけが、流れの速い雲の隙間から妖しく光を放っていた。
週末の開放感から喧騒の中心となる繁華街では様々な人間模様を見ることができた。
アドベントクランツに最初の光がもう間も無く灯るこの時期、年末の所謂クリスマスに向け、なんとかワンチャンモノにするべくもがくモノ、年末最後の実績を上げるべく謙るモノ。間も無く手にするボーナスありきで己の欲望に忠実に生きるモノ。そういった人々から根こそぎを奪い取ろうとするモノと言った様々な欲望が渦巻いていた。
無数にいる人、人、人。
繁華街から駅に向かう1組の男女。
何度かのアタックの末、ようやく二人での食事に漕ぎ着けることができた男性は今日の時間の中でよっぽどの手応えを感じたのか、このまままだずっと一緒にいたいという想いを隠しつつ、今日がいかに楽しかったか、次はどこに行こうかなどと赤ら顔で仕切りに女性に話しかけている。
女性はご馳走になった食事と少し無理をさせてしまったワイン代分は、と精一杯の笑顔で男の話に耳を傾けながら、この週末取りだめした、更新されたテレビ番組、動画チャンネルを如何に効率よく消化していくかに想いを馳せていた。
結論から言うとこの二人はこの後結ばれる事になる。
男性の猛烈なそれでいて誠実なアタックは徐々に女性の心も徐々に男性に対し好意的なものに変化していった。そして彼女が風邪で寝込んでしまった日、それを知った彼が慌てて彼女の部屋に訪ねてきた時の、よっぽど慌てていたのか鼻から垂れ下がっていた見事な青っ洟と彼女が無事だと分かった時に見せた安堵と真剣さが混ざった表情と、頭ポンポンが決定打となり、見事ゴールイン、その後男女二人の子供に恵まれた。
子供のうちの長男が高校の入学式を迎えた日、遅刻寸前慌てて家を飛び出し交差点で居眠り運転の大型トラックと激突。
事故の原因は自分にあると突如現れた時間を司る自称「神様」によって「死か異世界転移」を迫られする事になる。
転移した異世界で、人々は魔王に一人一人が全く異なる言語しかつかうことができなくなる呪いをかけられていたが、長男がたまたま持ち合わせていた「ポケトー●」とたまたま幼い頃から趣味で勉強していた「エスペラント語」とこれも趣味の「蒟蒻栽培」の技術を活用し世界を平和に導いたりするのだが、残念ながらそれは別の世界で語られるかもしれない物語となっており、ここに登場する男女もその子供も今回の物語の主役ではない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
。。。
よし今日はこれくらいでええやろ
GW中日労働が僕を待っている。。
心底テレワークで良かった