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超一流ヴィランの俺様だが貴様らがどうしてもというならヒーローになってやらんこともない!  作者: 阿弥陀乃トンマージ
チャプター2

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第15話(3)ちょっとしたオフ会

「モウスグ、オソレザンデス……」

「思ったよりはおどろおどろしい雰囲気じゃないわね」

 車窓から周囲を眺めてドトウが呟く。舞が苦笑する。

「偏ったイメージを抱きがちなのよ、日本人もそんなところあるけど……」

「……目的地ってここなの?」

 モニターを覗き込んだアイスがジンライに尋ねる。

「なんだ、今更」

「てっきり霊場の方かなって思って……」

「なにか問題があるのか?」

「いや、かえって都合が良いね。ウチもそちらに用事があるから」

「用事とはなんだ?」

「まあ、それはいいじゃん」

「……トウチャクシマシタ」

「ここは……学校?」

「ああ、『恐山学園』だ」

 ドトウの問いにジンライが答える。

「ここに学校があったとは……」

「城郭内の学校に通う人が驚くことじゃないでしょう」

「そう言われるとそうなんだけど……」

 ドトウの言葉に舞が苦笑いを浮かべる。ジンライが進む。

「ちょ、ちょっと待ってジンライ。もしや……」

「そのもしやだ。この学園の敷地内にMSPの石を使った石碑が建っている」

 舞の疑問にジンライが答える。

「そ、そうなんだ……」

「どうやら俺様たちの方が先に着いたようだな……」

「そうね、怪しげな連中は見当たらないわ」

 ジンライとドトウが周囲を見回す。舞が首を傾げる。

「それならどうするの?」

「警戒が解かれるまではここにいた方が良いだろう」

「仕掛けてくるのを迎撃するって形になりそうね」

「ああ、だが、そんな気配が今の所微塵もないな……」

「……暇ね、お兄ちゃん」

「そうだな……ちょうど湖沿いだ。キャンプでもして待つか」

「学園の敷地内でそんなことしたら、私たちこそ怪しげな連中でしょう!」

 舞が声を上げる。ジンライが首を捻る。

「ふむ……だが、何故だ?」

「……それは結界さ張っているからです……」

「⁉ 誰だ⁉」

 ジンライたちが声の先に視線を向けると、セーラー服を着た三つ編みを二つ結びの髪型をした女の子が立っている。少し赤いほっぺたが特徴的である。アイスが首を傾げる。

「貴女はもしかして……」

「はい、わは(みね)(しげ)りんごです」

「おおっ! りんごちゃん、会えて良かったよ~」

 アイスが抱き着く。りんごと呼ばれた女の子は嬉しそうだが、少し戸惑う。舞が問う。

「アイス、知り合い?」

「うん、SNSで知り合ってさ~。ファム・グラスのファンだって言うから……」

「え? アンタ、SNSやってんの?」

「地元ヒーローたるもの、情報発信は欠かせないよ~。人気も大事な要素だからね~」

「そ、そういうものなの……」

「で、DMをくれて、何度かやりとりしてたら仲良くなってね~じゃあ、会おうよって……ただ、りんごちゃん、本名でSNSをやるのはネットリテラシー的におススメしないよ~」

「貴様には言われたくないだろう……」

 ジンライが呆れる。ドトウがりんごに問う。

「ファム・グラスのどこが好きなの?」

「え? そ、そうですね……なんといっても凛々しいところですかね……」

「うん」

「後は優雅かつ強いところ……」

「うんうん」

「さらに、あのキャラクターが具現化したかと思わせるような外見……」

「あ~! ま、まあ、その辺にしておこうか~!」

 アイスがいきなり声を上げる。舞が首を傾げる。

「どうしたのよ?」

「な、なんでもないよ、ははっ……」

「……まあいい、結界とはつまりバリアの類か?」

「は、はい……邪な気持ちを持った者はこの学園の中さ入ってこれません……」

 ジンライの問いにりんごが答える。ドトウが笑みを浮かべて呟く。

「銀河一のヴィランさんが入ってこられているのにね、見かけ倒しかな~?」

「うるさいぞ、ドトウ……。そういうことなら、俺様が来るまでも無かったか……!」

 学校の校舎のサイレンが鳴る。そちらに視線をやると、武装した兵士が数十人、学園の校舎で暴れ始めている。りんごが驚く。

「あ、あいっしぇー⁉ ど、どうして⁉」

「あれは人気スマホゲームのザコキャラだね……学生のスマホから侵入したんだ」

「ゲームのキャラクターに乗り移れるとは、やはり奴らの仕業か……」

 ジンライの呟きにアイスが頷く。

「うん、様々な次元を移動することの出来る多次元犯罪組織、『ミルアム』だよ」

「吹けよ、疾風! 轟け、迅雷! 疾風迅雷、参上! 邪な野望は俺様が打ち砕く‼」

 ジンライが疾風迅雷に変身する。舞が叫ぶ。

「ど、どうするの⁉」

「一気にケリをつける! 『メタルフォーム』! 『ホーミングマシンガン』!」

 疾風迅雷がメタルフォームになると、マシンガンを発射する。多数の弾丸が飛ぶが、すべてが弧を描き、兵士たちを正確に射抜く。ドトウが感心する。

「全弾追尾機能付きのマシンガンとは……校舎を壊さずに、ザコを一掃したわね」

「ふん、ざっとこんなものだ……」

「誰かと思えば君達か……」

「⁉」

 校舎の上に重武装した兵士が立っている。アイスが声を上げる。

「その声はミルアムの幹部、プロフェッサーレオイ!」

「ここで出会うとはな……君との戦いも毎度それほど面白くはない……ご退場頂こう!」

 レオイがバズーカ砲を構える。アイスがポーズを取って叫ぶ。

「フリージング! ファム・グラス、参上! 愛すべきこの三次元の世界はウチが守る!」

 アイスがファム・グラスに変身する。レオイがそちらに向けてバズーカ砲を発射する。

「ふん!」

「なんの! 『アイスボール』!」

 ファム・グラスが手をかざすと、バズーカ砲の砲弾がたちまち凍り付く。

「むっ⁉」

「重火器類はウチとは相性が悪いよ~研究不足だね~」

「ふ、ふん、それならば、奥の手だ! 出でよ!」

「なっ⁉」

 学園に近い湖から巨大な竜が出現する。ジンライが舌打ちする。

「あまり詳しくはないが、あのゲームのボス級キャラか。手こずりそうだな……」

「……わに任せて下さい」

 りんごが前に進み出る。アイスが驚く。

「りんごちゃん⁉」

「変化!」

「‼」

 りんごが巫女装束のような恰好に変わったことにジンライたちは驚く。りんごが叫ぶ。

「『めんこいイタコ』参上! わに会ったら、そこでへばな!」

お読み頂いてありがとうございます。

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