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名探偵英斗(仮)

 空き家に戻ると、ボロボロになっている英斗に驚くナナ達。


『えいとどうしたの!?』


「先生、ぼろぼろじゃん! なにがあったの?」


「いやー、なんというか……。連続殺人犯と間違われて、レオに襲われてたんだ」


 と苦笑いで言った。


『えいとがそんなことするわけないじゃん!』


「えっ!? 大丈夫なの?」


 そう言ってナナ達が走り寄ってくる。


「先生……服ボロボロじゃん。ごめんなさい、私が頼んだせいで……」


 梓が申し訳なさそうに言う。


「いや、梓が襲われなくて良かったよ。だが、おかげで明日から犯人捜しをしないといけなくなった。見つけられなかったら俺が犯人と言われたよ」


『ひどい……たたかう?』


 ナナが思ったより好戦的なことを言う。英斗が犯人呼ばわりされたのが、気に入らないようだ。


「できればあまり戦いたくないなあ。勿論見つからなかったら、戦うことになるかもしれないけど」


「私も、探すの手伝う!」


 梓も張り切っている。


「そういえば、ワンピースは取ってこれなかった。すまない」


「それどころじゃないよ!」 


 英斗はこうして犯人捜しに強制的に参加させられることになった。






 次の日から、英斗達は皆で犯人捜しのため情報を集めることになった。梓は、再びサイの姿に戻っている。


「せっかく元の姿に戻れるようになったのに、いいのか?」


「あの姿だと、誰か分かってもらえないしね。それに、初めてあの姿を見せるときは、ちゃんとした格好もしたいし」


「そうか……。ナナ、梓についてやってくれ。1人じゃ今のここは危険だ」


『わかったー。あずさはわたしがまもるよー』


 こうして二手に分かれて情報を集めることにした。まずは昨日の殺人があった現場に向かう。現場までの道のりを歩いていると、今までよりさらに他の人からの視線を感じた。レオは約束を守っていると考えていたが、どうやら昨日レオと戦闘したことは広まっているようだ。

 これでは聞き込みも難しいかもしれないな、と溜息を吐く。現場に着くと当たり前ではあるが既に死体は撤去されていた。アスファルトに血がこびりついてる箇所がおそらく犯行場所だろう。付近を探るもやはり殺した武器等は見つからない。

 おそらくスキルだろう、と考えていたので仕方ないがこれでは絞りようもない。だが、一点だけ不自然な点があった。2つの電柱になにか糸を擦り付けたような傷があったのだ。高さは160cm程である。ただ傷ついただけかもしれないが、高さ的にも糸か何かで首を飛ばした可能性は捨てきれなかった。

 糸系のスキルか、蜘蛛の獣人は居るのか、それとも糸を使う武器なのか、英斗は思考の海に沈んでいった。

 だが、これだけでは情報が少なすぎると感じ、やはり聞き込みを行うことにした。だが、先ほどの予想通り話しかけようとするとすぐに逃げられてしまう。

 まるで野放しの殺人鬼に話しかけられたかのようなリアクションであった。


「ひ、酷い……。冤罪かけられた人ってこんな気持ちなのかな……」


 と凹みながら誰か話を聞いてくれそうな人を探す。しばらく歩いていると、レオの姿が見えた。昨日殺し合ったのに話かけて良いか考えるものの、他に聞けそうな者も居ないため意を決して話しかける。


「昨日ぶりです。今犯人捜しをしているのですが、あまり情報が無くて……。皆、私が話しかけようとすると逃げるんですよ」


「まあ……俺は何も話してないが、昨日の戦闘自体は気付かれてるから仕方ないだろうな。情報なんてたいしたものは無いぞ。あったらこっちが捕まえてるさ」


 白々しいことを言うな、と言わんばかりの目を向けるレオ。


「昨日の死体を見てもいいですか? 何か分かるかもしれません」


「……すっかり探偵だな。まだ燃やしてない、来るといい」


 そう言って、レオは死体を安置している建物へと案内してくれた。室内に入ると、綺麗な木箱に亡くなった人が寝かされており、その顔には白い布がかけられている。

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