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VS白獅子

 元々2m近かったレオであるが、今では2.5m近くまで巨大化している。そして全身が筋肉で覆われており、野獣のような鋭い目が英斗を見つめている。おそらく、力と引き換えに知性が低下しているようだ。

 英斗が構えようと動いた瞬間、レオが一足飛びで目の前まで現れるとその爪が振り下ろされる。

 メディラアントの盾で防ぐものの全く受け止めきれず、地面に叩き付けられ、そのまま回転しボールのように吹き飛ぶ。


「ガハッ!」


 英斗は口から血を吐き、左手を見る。完全に骨が折れていた。盾だけでは威力を殺しきれなかったのだ。

 だが、レオは待つことなく咆哮による衝撃波を放つ。規模が今までと違い、周囲にある建物も軒並み破壊されてしまった。

 英斗は翼を生やし、なんとか難を逃れる。


「畜生、馬鹿力め」


 英斗はマジックバッグからポーションを取り出し、手にかける。なんとか骨折が治癒し、動くようになる。10m程上空にいるものの、そこはレオの射程圏内であった。

 空中で衝撃波を躱しつつ今後の戦略を考える。単純な力だと今までで一番と言ってよい威力であった。

 英斗は飛びつつ距離を取ると、地面に着くと同時に大量の樹木を生み出す。瞬く間に小さな森ができた。レオは雄たけびと共に木をなぎ倒しながらこちらへ向かってきていた。

 英斗は自分と同じ見た目の自動人形(オータマータ)を生み出し、森に紛れさせる。その間に地面の中に大きな空間を生み出す。10秒ほどで、6m四方の空間が完成する。

 中々の魔力消費に汗をかくと、レオが目前まで近づいていた。


「一瞬で分かったのか!?」


 自動人形には目もくれず、英斗の元へ現れる。人間より遥かに優れた鼻を使い、英斗を嗅ぎ分けたのである。

 鉄の壁を三重で展開し、盾にも鉄を生み出し一撃を受け止める覚悟を決める。


獅子累々(ししるいるい)


 レオの振るった拳は鉄を全て砕き、盾ごと英斗を吹き飛ばした。幾重にも生み出した木を自らなぎ倒しながら、英斗は地面に転がる。ただ受け止めきれると思い違いをしていた自分を恥じた。

 盾のお陰で体の原型は保っているものの全身に激痛が走っている。立ち上がる頃には、レオは既にサッカーボールを蹴るかの如く、蹴りを構えていた。今度は魔鉄で三重の壁を生み出す。


獅子嚇(ししおど)し」


 そのまま英斗は壁ごと上空に20m以上蹴り飛ばされた。


「ガハッ!」


 一瞬意識が飛びかけるも、意識を取り戻すと、そのまま翼を生やす。


「駄目だ……近づいたら勝負にならん。動物系スキルはあそこまで近接戦闘が強いとは」


 頭から流れる血を拭き取りつつ、赤ポーションを頭部にぶっかける。英斗は覚悟を決めると、レオが放つ斬撃を避けながら一気に距離を詰める。レオの近接の範囲に入る直前に、フラッシュバンと遮光ゴーグルを生み出すと、バンをレオの目元に投げる。閃光が辺りを覆い尽くす。


「グッ!」


 レオは目を押さえつつ、鼻を使いがむしゃらに爪を振るう。英斗は距離を取ると、ガスマスクを生み出し装着すると、ある気体をレオの鼻付近に生み出す。


「グウオオオオオオ!」


 今度は大きな悲鳴を上げた。今英斗が生み出した物はエタンチオール、世界一臭い物質としてギネスブックにも載った物質である。

 ライオンの嗅覚は人より遥かに優れており、その刺激臭にバランスを崩す。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「々」という字を含む場合にはルビの「()」かっこが途切れてしまいますので、「|《》」を使うとたぶん使えるようになると思います。
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