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抗争開始

 夜が明け太陽が顔を出し始める頃、加地は中野ギルドで部下達に指示を出していた。


「小柳、お前はあそこで配置についてろ」


「はい」


「エバと、他の野郎どもは俺と一緒に来い。(さかき)、お前んとこのクランはあいつらが逃げねえように見張ってろ。他のクランは、杉並区に乗り込んで農業スキル持ちを攫ってこい」


「ほ、本当にするんですか? おとなしく彼等を解放して協力したほうが……」


 自信なさげに言うのは、20代後半の女性(さかき)可憐(かれん)である。中野区のNo.2クラン「鋼の盾」のトップであるが、すっかり自信を失っているようだ。


「ああ!? いまさら何、日和(ひよ)ってんだ! 食うものもねえ、って困ってたのはお前も同じだろう。あいつら働かせて作った飯食っといて今更下らねえこというんじゃねえ!」


 加地の怒鳴り声を聞いて、榊は委縮する。


「お前ら、あの雑魚どもに中野区の強さを教えてやれ」


「へい!」


 掛け声とともに、皆配置につくため動き始める。決戦の時は迫る。








 同じく朝英斗のマンション前には弦一と凛、そして青犬クランメンバーが集まっていた。


「青犬の人達は、別行動で頼むよ。救出後は事前に伝えておいた空き家に集まろう」


 予め英斗は中野区にある空き家に救出後集まるよう伝えていた。


「ああ、任せろ。必ず救ってみせる!」


 尾形が笑顔で言い、青犬クランは旅立っていった。


「弦一、如月さんの2人は多分戦闘を任せる。弦一は一度戦ったことあるから分かるが、如月さんはどれくらい戦える?」


「レベル30以上はありますのでご安心ください。月城様の剣としてお役に立ってみせます」


 凛は熟練のメイドの様に、優雅なお辞儀をする。


「そうか。勝てないと思ったらすぐに逃げるようにな。命大事にだ」


「かしこまりました」


「月城さんとの初めてのカチコミですから、俺も張り切っちゃいますよ」


「弦一、お前も無理すんなよ」


「了解です」


 その後英斗達は、中野区へ向かう。襲ってくる魔物を蹴散らしながら、30分ほどで中野区にたどり着いた。

 だが、加地が50人以上の部下を連れて、道路を封鎖していた。


「よう、昨日ぶりだな。中野区に何の用だ? 他の区の者に勝手に入ってほしくないんだが?」


 飄々と加地は言う。


「なに、うちの区の者を返してもらえたら帰るさ。そこをどいてくれるか?」


「いや、知らないねえ。とっとと帰りな、帰らねえならこっちも考えがある」


 そう言うと、一斉に武器を握る。


「白々しい真似はよせ……。そこをどけ、無理やりにでも通らせてもらう」


 英斗から殺気が溢れる。


「ハハハ、雑魚がいきりやがって。お前らいけ」


 その言葉と同時に、部下達が襲い掛かってくる。だが、加地はそのままどこかへ走り去ってしまった。


「月城さん、行ってください。こいつらは俺が相手します」


 そう言って黒炎を纏う弦一。


「私の相手はあんたよ、そこのメイド服。あんた初めから視線が目障りだったの。私が殺してあげるわ」


 エバは苛立ったように凛に言う。


「いいでしょう、メイドの強さを教えてあげましょう」


「お前ら任せた! ナナ、行くぞ!」


「ワウー!!」


 英斗はナナに騎乗し、その場を走り抜ける。どうやら初めから英斗を止めるつもりは無いのか、すんなりと中野区の者は道を空けた。




「お前ら雑魚どもがいくら居たって相手になんねえよ。とっとと失せろ」


 弦一は黒炎を球状にして、真正面に放つ。すると、雄二も同様に炎を球状にして放った。2つの火球が混ざり合い爆ぜる。


「なんだ、クソガキ。お前も炎使いか……。だが、普通の炎で俺に勝てるかな?」


 弦一は同じ炎使いに興味があるのか、興味深そうに言う。


「1対1なら分からないけど、こちらは50人以上いるんだよ! 周りを見てみな」


 雄二と話している間に、多くの中野ギルドのメンバーが弦一を囲っている。


「はは、来いや」


 弦一は両手に炎を纏わせながら笑う。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「弦一、如月さんの2人は多分戦闘を任せる。弦一は一度戦ったことあるから分かるが、如月さんはどれくらい戦える?」 せめて弦一、如月の二人に一本づつでもポーションを渡してあげて欲しいな。…
[一言] 続きが読みたいです。更新を楽しみにしてます。
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