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挑戦者

 英斗がダンジョンに来て、1か月の月日が流れた。英斗達は魔物を狩り続けレベル45に到達した。


「ようやくこれを生み出せるようになったか……」


 地上で死んでいるウィルワームを横目に英斗は呟く。最初は逃げながら戦っていた英斗達だが20階の生態系の頂点と言ってもいい強さになっていた。

 ナナは戦いながらも、たまに1匹で空を見つめている時があった。


「アイテムもこの1か月で充実したしな」


 英斗はこの1か月で魔力回復ができる青ポーションも宝箱から入手していた。今では青ポーション中級も生み出せるようになった。青ポーションも魔石同様、一定時間に使用できる数は限られているが、魔力回復は戦闘においてなくてはならない大切なものである。


「たくさん魔力使いそうだから大量に作っておいたよ」


 その数、10本を超える。


「少し長かったが、再びドラゴン退治といこうか」


「ワウ!」


 待ってましたと言わんばかりにナナが鳴く。英斗再びの挑戦である。 前回と違い今回はリヴィス用に戦略も練っており、挑戦者として集中力を研ぎ澄ませていた。




 英斗は再び扉を開ける。そこには前と変わらず、この空間の王として君臨するリヴィスの姿があった。


『久しぶりではないか、月城よ。前回の敗戦で尻尾を巻いて逃げたと思ったぞ』


「良いこと教えてやるぜ。最後に勝った奴が勝ちなのさ」


 英斗はそう言いナナに騎乗すると、リヴィスに向かい走る。英斗は炎を纏った鉄の槍『炎鉄槍』を生み出し、回転を加えて放つ。

 リヴィスはその爪で炎鉄槍を弾き飛ばす。弾き飛ばされた炎鉄槍は壁に突き刺さり壁を溶かす。


『少しは鍛錬してきたようだな』


「もう自慢の龍鱗(ドラゴンスケイル)じゃ受け止めてくれないんだな、寂しいよ」


『抜かしおる』


 リヴィスは尻尾で英斗達を薙ぎ払おうとする。英斗はより硬い魔鉄でできた壁を二重で生み出す。

 その一撃は1枚目を粉砕したが、2枚目の壁にヒビを入れたところで止まる。リヴィスの一撃を確かに止めたのである。

 またナナは冷気を相手全体にぶつけ、動きを鈍くさせるように努めていた。


 確かに前よりは強くなっている……あの狼もうざいのう、とリヴィスはナナを睨みながら思う。

 英斗もまた前回より手ごたえを感じていた。英斗は早くも勝負をかける。


「巨大人型兵器(イグニールS)!」


 再びイグニールが生み出されるが、今までと大きく見た目が変わっていた。全長は7m程と小型化している上に、左手に剣を、右手に盾を持っている。そして全身が鉄より硬度のある魔鉄製に変更されている上、空を飛ぶ。小型化は魔力の問題で小さくなってしまったのである。

 因みに余談であるが、『彗星のイグニール』内でも一瞬イグニールSは登場する。強化されたという形で剣と盾を装備するのだが、あまり人気が出なかったのか、すぐに消えてしまった機体である。


『前より強くなっておるのが分かるわ。早くも奥の手を切ってきたか』


 リヴィスはその爪をイグニールSに向ける。イグニールSは盾で攻撃をいなしながら袈裟切りを放つ。その一撃は手に止められたものの、血が噴き出す。

 リヴィスとイグニールSの激しい攻防が始まる。

 英斗は青ポーションを飲み、魔力を回復させると地面から大量の木の根を生み出す。リヴィスを囲うように巨大な樹木が大量に生み出され、いくつかはリヴィスに巻きつき始める。


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