表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

278/279

終戦

 その一撃を受けたレガシーは、火炎に包まれる。その姿は火災にあった人間のような生々しさがあった。だが、レガシーの顔は笑っていた。


「ハハハ、お見事。俺はじきに死ぬだろう。この戦は君の勝ちだ」


 炎に包まれるも堂々としたレガシーは、王の名に相応しい風格があった。


「さっさと死ね。俺に魔法具を渡してな」


「君の目的は宝具か。メシス様には申し訳ないな。まさか人間にやられるとは。俺に勝った褒美だ、受け取れ」


 レガシーは燃えゆく自らの胸に手をあて、胸についていた宝石を取ると、英斗に手渡す。


「これが宝具グロワールだ。人間の英雄……よ」


 そのままレガシーは炎に包まれ、燃え尽きていった。英斗の手には緋色に輝く宝石が残る。

 英斗の体が、熱くなる。レベルアップである。三度熱くなったので三レベル上がったようだ。


 目の前には大きな宝箱がドロップする。中には、レガシーが纏っていたような黒いローブが入っていた。


『死王のローブ L(レジェンド級)

 死王を倒した英雄に送られるローブ。そのローブはあらゆる魔法から身を守るとともに、全ての状態異常を無効化する』


 英斗はそのローブをマジックバックにしまうと、ビルの屋上に翔ける。屋上で拡声器を手に叫ぶ。


「死王は討ち取った! この戦い、我々の勝ちだああああああ!」


 英斗の叫びは福岡市に居る市民に響き渡る。既にレガシーが生み出した半分以上のアンデッドはレガシーの死と共に消えていたようで、元から居た魔物だけが残っている状態である。


「勝ったんだ!」


「生き残ったぞーーー!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 市民は勝利の報告を聞き、雄たけびを上げる。この日、九州の地獄が幕を下ろしたのだ。







 それから町はお祭り騒ぎあった。皆笑顔で生き残ったことを喜び、肩を抱き、笑い合っている。

 そこらじゅうで皆が笑顔で食べ物を頬張っている。


 英斗は、有希とナナ、織也と合流する。


「英斗、仇を取ってくれてありがとう」


『英斗があんな骸骨に負ける訳ないもんね!』


「九州を、ありがとう」


 皆から礼を言われ、英斗は恥ずかしそうに頭を掻く。


「どういたしまして」


 英斗は照れつつも、素直にお礼を受け取った。


「やっぱり、英斗。つよかったんだなあ」


 なぜかいる玉閃に英斗は、目線を向ける。


「なんでいるんだ、玉閃? 恭一郎から、見張れって言われたのか?」


「うっ。まあそんなとこだ。実はいざとなったら、有希さんだけ助けるよう、言われてたんだ。ぎりぎりまで姿を出す予定はなかったんだが、有希さんの危機で、思わず割り込んでしまった。あんな化物と戦うとは思っていなかったがな」


「私一人だけで逃げるわけないでしょう?」


「知ってるよ。だから、俺も戦ったんじゃないか」


 玉閃もそれくらいは理解していたらしく、仕方なく魔族と交戦を決意したらしい。


「まあ、有希を助けてくれてありがとうよ」


「恩人の娘さんだ、それくらいはするさ」


 玉閃はここが落ち着いたことを確認すると、今回の結末を報告するため名古屋に戻っていった。


「英斗、魔法具は手に入ったの?」


「ああ。これだ」


 英斗は皆にグロワールを見せる。


「確かに魔力は感じるわね。もう壊すの?」


「いや、一旦セレナーデに見せようと思う。他の魔道具の詳細な場所を探すためにもな」

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、


『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!


評価ボタンはモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
[一言] イフリートを引き合いに出して考えてたから意外とあっさり勝った印象 イフリートが特別規格外に強いボスだった感じかな
[一言] 色々亡くしたものもあるけども 一先ずはゆっくりしてくれって言いたいね☺ 皆お疲れ様☺
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ