サンドラ
有希とナナは、サンドラと激しい攻防を繰り広げていた。有希は全身を甲冑で固めており、輝く槍と盾を持ちサンドラに迫る。
目にもとまらぬ槍での連撃を放つも、サンドラはその槍を僅かな動きで躱しきる。
(やっぱり接近戦も強いわね)
有希は周囲に武器を大量に生み出し、一斉にサンドラに放つ。
「武器をくれるなんて優しいじゃない」
サンドラは放たれた槍をその手で受け止め、その槍を使い無数の攻撃を弾き飛ばす。
「あら、消えちゃった」
有希はサンドラの持つ槍を消し去る。呑気に話すサンドラの背後を狙う気配があった。
サンドラの首を狙い、ナナの爪が迫る。だが、その爪は急にサンドラの手に現れた盾に受け止められる。
『氷結爪』
ナナはその盾ごとサンドラを氷漬けにする。瞬く間にサンドラの体が氷に包まれる。有希はその隙を見逃さず、槍でその氷を砕くために突きを放った。
氷漬けのサンドラから黒雷が四方八方に放電される。氷が砕けると、サンドラはその槍を体を横に傾け躱すと、右の拳に魔力を纏わせ突きを放つ。
有希は盾で受け止めるもそのまま大きく後ろに吹き飛ばされた。
「流石に二対一は鬱陶しい……」
氷漬けにされたためか、少し苛立ったような口調で顔を歪める。
ナナは、左右にステップを踏みながらサンドラを狙い、その牙で襲い掛かる。そのスピードは時間が経つにつれ少しずつ上がっていた。
その速度にサンドラは回避できなかったのか、右腕で受け止める。ナナの牙がサンドラに右腕を貫く。牙が肉を斬り裂く音と共に、赤い血が空中に舞う。
サンドラは左腕でナナの右頬を思い切り殴り飛ばす。ナナは顔周辺を氷の盾で覆うも、魔人の腕力は凄まじく、ナナは盾ごと何メートルも吹き飛ばされる。
「よくも!」
有希が槍を持ちサンドラに襲い掛かる。有希の槍の連撃を躱すと、サンドラはその蹴りで有希の盾を吹き飛ばした。
有希はすぐさま盾を再度生み出した。だが、その一瞬の隙にサンドラの左手が有希の腹部に迫る。
サンドラの左手が有希の甲冑に触れた瞬間、有希の甲冑が消えた。一瞬で重い甲冑が消失し、有希を守るものは普通の服だけになった。
「えっ!?」
有希は突然の出来事に、軽くなった装備に声をあげる。サンドラは防具を失った柔らかな有希の腹部に、魔力を込めた渾身の右ストレートを叩きこんだ。
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