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三幹部 がしゃどくろ

「デスナイトだ! それにリッチもいるぞ!」「六郎、そんな隠し通路があるのか!?」


 英斗は六郎の先ほどの言葉に驚き、六郎に詰め寄る。


「落ち着けって。あの城は死王が造ったんだが、その際地下に逃亡用の隠し通路も作ったらしい。なんかロマン? って言ってたな。北側の森の中に出ることができると聞いた。北の森はそんなに広くない。そこを使えば奴等の意表をつけるはずだ」


 これは大きな情報である。その通路を使えば、邪魔な魔術結界を無視して本丸をつくことができる。


「一週間後の大規模侵攻までに、必ずその入り口を見つけたいな」


『そこからいっきに攻める!』


「私もそんな地下通路があるとは知らなかったな……」


「今日はもう暗くなってきた。明日から探そう。六郎、戻らなくても大丈夫なら、一緒に来るか?」


「ああ。俺は偵察を任されているからいつも戻らなくても大丈夫だ。頼む」


 英斗は人型の自動人形(オートマータ)を生みだし、福岡にいるフユの元へ向かわせる。大規模侵攻を伝えるためだ。

 英斗は住処のビルに戻りつつも周囲を警戒する。


「英斗、どうしたの?」


 その様子を見て、有希が声をかける。


「いや……なんかみられてるような……」


「本当? どこかで偵察が見ているのかも。住処がばれないようにした方がいいわね」


 英斗達は住処がばれないように、遠回りをしながら帰路に着く。








 翌日、朝から北の森へ向かっていた。その森は大量の巨大樹で出来ており、崩壊後に出来たことが分かる。人の太腿よりも太い巨大な蔦に締め潰されたアパートが、苔だらけになっていた。


「ここだな。地面も苔で覆われているし、地下通路の入り口を探すのも骨が折れそうだな」


 千鶴が地面を見ながら話す。


「そうですね。手分けして探しますか。ん?」


 突然、遠くから爆発音が聞こえる。


「彼らが攻め入ったのかもしれんな。どうする?」


「うーん……。今後のために、敵の戦い方くらいは見ておきたいですね。逆方向ですが、見に行ってみますか。もしかしたら、城門を突破して死王にまで届くかもしれないですし」


 英斗達はその戦いを見るため、南門へ向かう。









 南城門の前方三百メートルほど先には、既に激闘が始まっていた。戦況は福岡ギルド部隊の方が優勢である。


「やはりここが奴等の穴よ! いっきに城門まで攻め込むぞ!」


「「「応!」」」


 態度は悪いが精鋭を名乗るだけあり、皆素早くアンデッド達をなぎ倒し、進んでいく。


「炎連刺突!」


 隊長である馬に乗った金髪の男宗梧(そうご)は、レイピアに炎を纏わせアンデッド達の体にいくつも風穴を空ける。


「竜牙旋風」


 レイピアに巨大な竜巻を纏わせると、前方のアンデッド達を切り刻んだ。その威力は凄まじく、一帯のアンデッド達が消しとぶ。


(やはり一体一体はさほど強くない! いける!)


 宗梧はこの手ごたえのなさに勝ちを確信する。

 精鋭部隊はアンデッドの包囲網を突破し、城門近くまでたどり着いた。城壁の周りの掘りには水が溜まっており、城門へ行くには前の道路を渡らなければならない。城門前にも多くの兵がいるが、宗梧はそれも突破する自信があった。


「ここを抜ければいっきに城門を越えられる! 皆、行くぞ! 背後に気を付けろ!」


 今まで大きな罠は何もなかった。宗梧は罠があるならこの道路にあると考えていた。


「あれを使う! お前ら、道を作ってくれ!」


 宗梧は大声で叫ぶと、レイピアに魔力を集中させる。城門を破壊するための渾身の一撃である。

 仲間達もそれを察しているため、アンデッド達をどかして道を作る。


「全てを粉砕しろ! 灼炎風龍撃!」


 宗梧のスキルは『魔法剣士』。様々な魔法を使える剣士である。宗梧は炎魔法と、風魔法を融合した混成魔法こそが切り札であった。

 灼熱を纏った竜巻による刺突。S級魔物すら一撃で屠る必殺技である。


 その一撃は門に直撃し、大爆発を起こした。かに見えた。爆風が収まった後には門の前には巨大な骸骨、がしゃどくろが立っていた。損傷しているものの、その身体はどんどんと再生している。城門にその一撃は届かなかったようだ。


「ずいぶん暴れてくれるじゃねえか! ここはレガシー様の居城よ。お前らはおよびじゃねえぜ?」


 がしゃどくろの言葉と同時に、大量のアンデッドが部隊の背後に現れる。



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