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文明崩壊について

 セーブポイントから英斗達は地上に帰還する。帰還した英斗達を待っていたのは、熱烈な歓迎であった。


「おい、英斗! やるじゃねえか!」


 パーティ『ジャイアンツ』の工藤など、今までタワー内で会った人達も英斗達を祝福する。皆、自分で踏破は難しいと考えていたのか嫉妬もあまりないようだ。

 大勢の者に英斗達は囲まれ揉みくちゃにされる。


「おい! おまえら歓迎は良いが、叩くんじゃねえ!」


 伽藍は叩かれたのか大声を上げている。

 騒がしいタワー前に突然、閃光のような光と共にシャッター音が響き渡る。


「遂に、東京ダンジョンタワーを踏破されたんですね! インタビューよろしいですか!」


 明るい声で怪しい笑みを浮かべながら、カメラを持つ新聞記者が話しかけてくる。


「どうする、神龍様が待ってるのよね?」


 高峰が英斗に囁くように言う。


「俺が引き受けてやる。俺はあいにくこの世界の秘密とやらにそんな興味もねえからな。お前達だけで行ってこい。ここでお別れだ」


「伽藍……今まで本当にありがとう。伽藍が居なきゃ俺達は踏破なんてできなかったよ」


「助かったわ。また会いましょう」


 二人の言葉を聞き、伽藍は少し気恥ずかしそうにする。


「別にお前らのために踏破した訳じゃねえんだ。礼なんて要らねえよ。だが、楽しかったぜ。なにか困ったことがあったらいつでも来いよ」


 伽藍はそう言うと、大型肉食獣が獲物を捕捉したかのように新聞記者を捕まえる。


「他の奴らは忙しいんだ。話は俺がしよう」


 その圧力に屈した記者は首を大きく縦に振りながら、名残惜しそうにその場から去る英斗達を見ていた。




 英斗達はセレナーデの言う通り、西へ移動した。二キロほど移動したところで、人型のセレナーデを見つける。


「お疲れ様です。無事にスキルを得られたようですね」


 セレナーデは穏やかな声色で言う。


「はい」


「少女もともにタワー踏破に貢献してくれたみたいですね。感謝しています」


「そ、そんな……」


 高峰もセレナーデの神々しい雰囲気に当てられたのか、少し緊張しているようだ。


「セレナーデ様、お言葉通りタワーを踏破いたしました。この世界がなぜこうなったのか、何があったのか、教えてください」


「分かりました……ではお話ししましょう。まず私達はこの世界の者ではありません」


 セレナーデから衝撃の事実が明かされる。英斗もある程度予測はしていたが、ようやく確信を得ることができた。


「や、やっぱり……異なる世界から来たのですか?」


 英斗は驚きつつも言葉を紡ぐ。


「はい。異なる世界から我々はやってきています。その世界では二人の神が争っていました。ユースティア神とメシス神です。メシス神は魔物や魔人などをつかさどる神で、今回魔物や魔人を地球に送り込んだのはメシス神です」


「な、なんでそんなことを!」


 英斗は大声を上げる。神だかなんだか知らないが、いい迷惑である。


「メシス神は魔物や魔族が人を殺すことで力を得る神なんです。そのため私達が元居た異世界では魔物と人間の激しい戦争が行われ、その結果人類の殆どは死に絶えました。これ以上力を得られなくなり困ったメシス神は考えました。別の世界で殺せばいいと。その標的になったのが地球です。そして、異世界の魔物や魔人が地球に転移させられたのです」


「そ……そんな理由で魔物達は送られてきたの? ふざけないでよ!」


 高峰も怒りを隠しきれずに近くのポールに蹴りを入れる。魔物達がやってきた理由はなんとも身勝手な、笑えない理由だった。


「ユースティア神っていうのは何をしてたんですか? 人類が滅ぼされるのをただ見てたですか?」


「違います。ユースティア神は人類側の神でした。異世界では人々に魔法や力を与えていました。ユースティア神は人々が魔物達を討伐することで力を得るのです。残念ですが、異世界では人間側は破れてしまいましたが。貴方達にスキルを与えたのもユースティア様です」


 セレナーデは否定しつつ、再び衝撃の事実を伝える。

最近リアルが忙しいので、隔日更新に致します。楽しみにしてくださっている方には申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

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