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残り時間

「詳しく教えて貰えますか?」


「まず、安心して欲しいのは会議に集まった区はどこもまだ滅んではいない」


 妻夫木の言葉に胸を撫で下ろす。


「良かったです」


「だが、どこの区も既にぼろぼろだ。最近タワーの探索者が減っているのは気付いていると思うが、それの影響で流れてくる魔物が増えている。今や各区に2000を超える魔物がやってきている」


「やはりそれが原因ですか……」


 英斗達も魔物を減らしているが、1パーティだけでは限界がある。


「博士と今後の増加を加味して考えたが、後スタンピード4回分が限界だと思う。それ以上となると滅びる区が出てくる……」


 妻夫木は辛そうな顔で言う。


「5日前にスタンピードが起こったから残り時間は後45日程だね。おそらく4回目のスタンピードでは5000を超えているだろう。その次は……」


 博士が付け加える。


「少しずつ厳しくなるとは思っていましたが……分かりました。全力は尽くします」


 英斗はそうとしか言えなかった。実際それまでにどこまで鍛錬を積めるのか。


「君達にばかり負担を押し付ける形になってしまったな。すまない……」 


 


 妻夫木は謝罪をして、博士と共に去っていった。


「思ったより時間は無さそうだな……」


 遊馬が言う。


「ああ。だが、俺達が負けたら23区だけじゃなく関東近郊が滅びる可能性すらある。勝負に絶対と言うものは勿論無いが、勝算のない戦いはできない。なんとかしないとな」


 英斗はそう言って、席を立つ。今後について、明日相談しようと考えながら。




 翌日朝から、『挑戦者』の皆が英斗の休んでいる一室に集まっていた。


「昨日、妻夫木さんから聞いたんだけど、どうやらあまり時間がないらしい」


「私も聞いたわ。むしろうちの区は後4回耐えられるかも怪しいところよ。なんとしても5回目のスタンピードまでに、踏破するわよ。そうじゃなきゃここまで来た意味がない」


 高峰はそう言い切った。


「残り時間を考えると、レベル上げと並行してタワー攻略もしねえとまずいだろうな。レベル上がっても、踏破できなきゃ意味がねえ」


 伽藍が言う。


「リスクは上がるが仕方ないだろうな。時間もない。今日からタワー攻略も進めていこうか」


 英斗達は再びタワーに向かった。


「暑いな……」


 英斗はそう言って、額にかいた汗を拭う。41階は火山エリアであった。

 暗くどす黒い雲が覆っており、周囲は険しい岩肌が露出している。マグマが流れている川から古代魚のような魔物が、顔を出していた。


「フル装備だと熱中症で倒れちまうぜ、これじゃあよお」


 伽藍もこの暑さにイライラしているようだ。


「水分を多く摂るしかしかないだろうな」


 英斗はそう言って、水入りのペットボトルを生み出し、皆に投げる。


「さっさと向かおう。魔物を積極的に狩りながらな」


 遊馬は岩肌に手を駆けながら、岩を上っていく。空中にはプテラノドンのような魔物が英斗達を見ながら声を上げている。


『暑いよお……』


 ナナは暑さに弱いため、既にぐったりしていた。ナナを撫でながらも英斗は先に進んでいく。




 それから1か月は再び魔物を狩り続けながらの攻略が続いた。1か月経った頃には英斗のレベルは77まで上がっており、49階まで到達していた。

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