表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

146/279

曲者揃い

 正午になると、妻夫木が前に出る。円形の机には妻夫木を抜いた九人の男女が座っている。


「それでは皆様、今から二十三区ギルド会議を始めたいと思います。本日は私を含め、十人のギルドマスターにお集まりいただきました。他のギルドは、既に滅んでいたり、来る余裕がない、交流する気がない等様々な理由で辞退されました。来て頂いた方々に感謝を申し上げます。皆、まずは軽い自己紹介から始めます」


 妻夫木は良く通る声で流暢に話している。妻夫木、英斗、レオ、榊、高峰と順に自己紹介をする。


 レミナが立ち上がって、優雅に礼をする。

「こんにちは、皆さん。天笠(あまがさ)レミナです。今日は素敵な会に呼んでもらえて嬉しいわ。流石に皆強そうでわくわくしちゃう。私は強い男が好きよ。誰よりも強い……そんな男がね」

 皆を見ながら微笑むと、そのまま着席した。


 そして次の男が立ち上がる。30台前半の真面目そうな男である。


「私は、品川ギルドマスターの小林(こばやし)武彦(たけひこ)だ。元々は自衛隊に所属していた。自衛隊が失われた今も、市民を守ろうとする気持ちは変わっていない。今回の会議により、この困難を乗り越えられることを強く願っている」


 そうはっきりと言う。英斗は正義感の強そうな人だなあ、とぼんやり聞いていた。隣には刀を持った男が待機している。彼の懐刀といったところであろうか。 


 続いて立ち上がった男のはモデルのような長身に、綺麗な顔をした二十歳前後の男である。


「僕は、乙丸(おとまる)(てん)です。文京ギルドマスターをしています。小林さんと同じ気持ちで、23区一丸となって、今回の事に当たれたらな、と思っています」


 爽やかな笑顔で言った。


「じゃあ、次は俺だな」


 そう言ったのは全長190を超えた大男である。肩幅も広く、全身は鋼鉄のような筋肉に覆われていた。短い黒髪を上げていて、口元には髭が蓄えられている。


「俺は、伽藍(がらん)獅堂(しどう)だ。なぜか江東ギルドマスターなんかになっちまった。ダンジョンタワーは楽しみにしてる。既にちょっと覗いたんだが、今までのダンジョンより規模が大きい。俺が必ず踏破してやるから、安心してくれ」


 と堂々と言い放った。一方、英斗は伽藍の強さを肌で感じていた。

 こいつ、相当できるな……。レベルも俺よりかなり高い気がする、と英斗は考える。

 この中でもトップクラスの強さを感じた。


 そして最後の男が立ち上がる。その男は、スーツを着た30代後半の男である。全身からは暴力の匂いが立ち上っている。明らかに堅気の男ではなかった。顔には大きな切り傷があり、その鋭い眼光は、そこらへんのチンピラなど一睨みで殺せそうなほどである。


「俺の名は、九頭竜(くずりゅう)洋二(ようじ)だ。別にうちは今回の件で困っちゃいないが、面白そうだから来た。以上だ」


 そう言って、席に座り煙草に火をつける。英斗が驚いたのは、九頭竜の後ろに居た男である。そこには中野区で見た狙撃手(スナイパー)、小柳がいた。


 あいつ……あのヤクザの部下だったのか……、と英斗は驚く。


 英斗と目が合うと、小柳は目を逸らす。英斗が既に知っている者も多いが、様々な長が揃ったといえるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
[良い点] 今夜も楽しく拝読させて頂きました(^^) 渋谷編の最後に出てきたのが多分迦藍だと思いました! いつか英斗とのバトルになるなと土器土器してます!! [気になる点] 先生がいず滅を読んでたと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ