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クエスト

 それから1か月半の月日が流れる。ナナは日々成長しており、遂に全長が250㎝を越え、念話も流暢になっていた。

 そしてあの未曽有の大災害から丁度1年経った7月、遂に恐れていた災害がやってきた。


 再び大きな揺れが起こったのである。その時誰もが思った、あの地獄が再来するのだと。


「本当に来たぞ!」


「もう駄目だ!」


 ギルドに居た者達誰もが悲鳴を上げる。地が裂け、魔物が再び大量に発生するのだと。だが、恐れていたような大地震では無い。すぐに揺れが収まったのである。


「どういうことだ?」


「普通の地震か? なんだ、驚かせやがって」


 そう言って笑う者すらいた。英斗とナナはギルドを出て、周囲を見回す。だが、魔物が発生した様子も、巨大樹が建物を貫く様子も無い。どうやらあの災害の再来ではなかったようだ。


「ナナ、どう思う?」


『う~ん、こんな小さな地震だけでは終わらないと思うけど……』


「だよなあ。セレナーデ様の予言が外れるとは思えない。何かがきっと起こるはずだ……」


 英斗達は周囲を警戒しながら、翼を生やしビルの屋上へ向かう。何か情報が欲しい。


「あ……あれは……?」


 そして屋上から見た景色に英斗は言葉を失った。ここからでも見える大きな光の柱が見えたからだ。だが、あの光の柱の正体には見当もつかない。

 その疑問はすぐ解消されることになる。


『クエスト・ダンジョンタワー踏破が発生しました』


 突如脳内に流れる機械音のようなアナウンス。これは一年前に聞いたスキルの説明と同じ声をしていた。


『世界に100のダンジョンタワーが発生いたしました。ダンジョンタワーからは魔物が大量に発生いたします。ダンジョンタワーを踏破した英雄には比類なき力と秘宝を。放置することは大変おすすめしません』


「クエスト……? まるでゲームじゃないか……。これが、セレナーデの言っていた災害なのか……?」


 英斗の頭の中は疑問符で埋め尽くされていた。何も分からない。だが、おそらくあの見える光の先にはダンジョンタワーがある事は分かった。


『英斗、これが災害なのかな?』


「おそらくそうだろうが……。タワーから魔物が発生するとさっき言っていたが、もしそうならあの光の先から、魔物が押し寄せてくる可能性がある……。ナナ、戻るぞ」

 英斗はビルから降りると、ギルドに向かう。扉を開けると、大声で叫ぶ。


「魔物が来るかもしれない。皆警戒してくれ!」


「「応!」」


 皆も先ほどのアナウンスから危機感を感じていたのか、すぐに呼応する。そして杉並区にはスタンピードに襲われた経験もあり、素早く用意を整える。

 英斗の予想は残念ながら、当たってしまった。突然の地震から、数時間後光の先から魔物の群れが現れたのであった。

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