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有志を募るって大抵負担偏るよね

「おっ、若い奴がいるじゃねえか。新入りか? かわいい犬連れてるな」


「ワフー!」


 そのうちの一人が声をかけてくる。


「はい、こんにちは。皆さんは外で魔物を狩ってたんですか?」


英斗も笑顔で挨拶を返す。


「ああ、周りの治安維持やレベル上げのためにな」


「レベル上げ?」


 英斗は知りつつも尋ねる。


「なんだ、知らねえのか? 魔物を狩ると、俺たちのスキルや身体能力が上がるんだよ」


「ああ、なるほど」


「まるでゲームのようだよな。あんたはまだレベルアップしたことないのか?」


「いや、2回だけありますね」


 英斗はしれっと嘘をつく。


「へえ、俺はもう7回くらいあるぜ」


 男は胸を張りながら笑顔で言う。


「そうなんですか、スキルのことよく分かってないんですが、ここなら何か分かってる人はいるんですか?」


「いや、どうだろ。ここの署長なら何か知ってるかもなあ」


「なるほど。そういえばここ皆、戦ってるんですか? 皆戦ってるようには見えないんですが……」


 英斗のその質問を聞くと、5人組が皆怒りながら英斗に迫る。


「見えないよな! 実際戦ってるのは100人くらいなんだよ! ほとんどはただ文句を言ってるだけで動かねえ奴等なんだ!」


 外で戦ってる人たちはやはり不満らしい。だが、警察官たちも皆にむりやり戦わせることに躊躇しており、現在は有志のみが戦ってるようだ。


「オークとかオーガ倒せる人いるんですか?」


「オークをソロで倒せるのは3人だけだろうなぁ。オーガは無理だ。多分な。皆で戦っても分からん」


 男が諦めた顔で言う。


「おお、いるんですね」


「うちは2つの隊があるんだよ、A隊とB隊。A隊のリーダーは警察官の大和(やまと)さん。スキルは『剣士』なんだけど、もともと剣道の有段者でめっちゃ強いよ。B 隊のリーダーはまだ女子高生なんだけど、スキルは『双剣使い』でその子も2つのナイフでオークをなます切りにしてたよ」


 話を聞く限りやはり戦闘向けのスキル持ちは強いらしい。


「俺もそろそろ1人で行けると思うんだよなあ」


と1人が言うと、仲間の1人が、頭を叩く。


「馬鹿言うな。怪我するとあの坊主の世話になることになるぞ」


「お医者さんいるんですか?」


 英斗は医者もしくはそれに準ずる存在が居るのではと思っていたが、その読みは当たっていた。


「医者もいるんだけど、うちに1人『治癒師(ヒーラー)』のスキル持ちの坊主がいるんだよ。魔法で治せる力があるんだけどその坊主の性格が良くなくてな、あんまり関わりたくねえんだ」


「それなら、野乃花(ののか)さんの薬草のほうがいいわ」


「確かに」


 そう言って、皆が頷きあう。どうやら野乃花という人は『薬師(くすし)』のスキル持ちで薬草を作成して怪我人に配布してるらしい。

 英斗は後で薬草を貰って自分で作成できるか確かめようと決めた。これは大きな収穫である。


「回復役がいるのはでかいですねー、割と命がけですからね魔物狩り」


 英斗は実感を込めて言う。


「けど、大怪我は治せないからもう何人も死んでんだよ……」


 5人組の1人が呟く。


「それは……」


「まあ、こんな世界になっちまったから仕方ねえよ。そういやうちのTOP3の最後の1人なんだけどそいつはまだ中学生のガキなんだけどな。炎使うスキルで、火力がやばいんだよ。オークの丸焼きがでたら多分そいつの仕業だな」


「炎使いですか、強そうですね」


「まだ子供なんだけど中々のスキルだよありゃ。お兄さんも若いから外回りに回されるよきっと。A隊は近いうちに遠征するらしい」


「遠征?」


「世田谷区に謎の巨大建造物ができたらしいんだ。それを見に行くらしい」


「それは……わくわくしますね」


 英斗も男なので謎の建造物という言葉にテンションが上がってしまう。


「男なら、わくわくするよな! 兄ちゃん、それにしてもスキルなんて調べてどうするつもりなんだ?」


「いや、気になって。こんな不思議な力おかしくないですか? スキルは一点物なのか、同じ物は複数あるのか。上位互換はあるのか、進化するのか、疑問だらけですよ」


 英斗は言う。


「上位互換は多分あるぜ。1日で出てったんだけどよ、ある男のスキルは『剣豪』っていうスキルだったんだ。そいつはうちの大和さんよりはるかに強かったんだ……。その男は『ははっ、こんな雑魚がトップじゃここも知れてるな』って言って即行出ていっちまった……。おそらく『剣豪』は『剣士』の上位互換だと思うぜ。そいつは剣を握ったことすらなかったらしいんだ」


「やっぱりあるんですね、上位互換。色々ありがとうございます」


 英斗は頭を下げる。


「おうよ、またな!」


 5人組は笑顔で返事をする。良い人達であった。

 こうして英斗は5人に礼を言い、警察署内にある薬草を貰いに行く。

 英斗が向かうと建物の前で、警官に止められてしまった。

皆様のおかげで日間ローファンタジーランキングで50位に入ることができました!

これもブックマーク、評価してくださった方のお陰です!本当にありがとうございます!


もちろん日々見てくださっている方もありがとうございます!これからも更新頑張りますので宜しくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「おうよ、また飲もうぜ」 急に酒飲んでたみたいになったのは何故ですか? そのような描写はない気がするのですが…
[気になる点] 薬師を「くすし」じゃなくて「やくし」と読ませるのはなにか意味がるのでしょうか?
[気になる点] 「おうよ、また飲もうぜ」 飲食に関する記載は一切ないようですが、 何を飲みながら会話していたのでしょうか?
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