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警察署へ行こう

 それから2週間ほど、レベル上げを行い、12まで上げることに成功した。身体能力や魔力の最大値もあがり、もうオークを安心して倒せるレベルまで成長していた。


 そしてナナはなんと柴犬くらいのサイズになっていた。


「ナナ、お前やっぱりこっちの犬じゃなくて魔物なのかもなあ……かわいいからいいんだけどさ」


 ナナを撫でながら英斗は呟く。


「ワウー!」


 ナナは幸せそうに尻尾を振っている。


「今日は少し遠くの警察署に行こうと思うんだ。行こうか、ナナ」


 ナナはもうゴブリンくらい倒せる強さを持っており、英斗の相棒として成長していた。


「ワフー!」


 1人と1匹は警察署目掛けて歩き出す。


「あそこか」


 英人たちが20分ほど歩くと、警察署が見えてきた。急遽突貫工事でバリケードを作った跡がある。


「今更新しい人がくるなんて珍しいな、ようこそ。我妻警察署(あがつまけいさつしょ)へ」


 門を守っている2人の警察官のうちの1人が挨拶をする。


「今までは家に隠れてたんですが……」


「そうか、何か身分証はあるかい?」


「いや、何も持ってきてないです」


 英斗はこんな状況で身分証の提示を求められたことに少し滑稽さを感じた。


「そうか、すまないな。管理の意味でこちらの紙を記入してくれないか?」


 そういって、渡されたのは白い紙。


「ここに、名前、年齢、性別、そしてスキルを記入してくれ」


 やはりか……、本命はやはりスキルだろう。スキルを把握することで住民を管理するつもりか。日本人らしいというか、こんな状況でもここはいまだに秩序を保っているのはすごいな、と英斗は感心した。


「ツキシロ 24 男 石生成」


 と記入する。警察官がそれをみると少し残念そうな声色で訊ねてくる。


「何か君のスキルを証明できるかい?」


 それを聞き、英斗は手から10㎝程の石を生成する。レベルは3で通すつもりであり、力を大分セーブするつもりである。


「なるほど、わかりやすいね。ようこそ。食べ物なら警察署の1階で1日2回配給しているからよかったらもらうといい」


 そう言って、英斗は中に入れてもらった。英斗の目標は情報収集だ、様々な人に声をかける。


「あらー、新しい子? まだ若いわねー。貴方もすぐ化物狩りに呼ばれるかもしれないわねー」


 おしゃべり好きなおばちゃんを見つける。


「えっ、化物狩りって何するんですか?」


「よく知らないけど警官や若い人がたまに化物の肉持ってくるのよ。変なの食べさせないでほしいわあ。税金もらってるのに本当もっとしっかりしてって感じよぉ」


 おばちゃんは溜息をつく。


「それに配給も1日2回だけなのに、変な乾パンみたいな非常食だけなのよお。あんた何か食べ物持ってない? 外から来たのよね?」


 おばちゃんの話を聞いて眩暈がした。どうやら警察はこんな人たちを大量に抱えているらしい。この警察署は長く持たないだろうなあ、と感じた。そして動ける若者達がこの中年達を命がけで養わないといけないのだ、これは文明崩壊前の日本と何も変わっていない。


「いやー、うちももう何もなくて来たんですよ……」


「はー、残念ねえ」


「すみません。自衛隊とかは来ないんですか?」


「自衛隊もちっとも助けに来ないのよ。普段役に立たないのに本当嫌だわ~」


 英斗はこれ以上の会話は耐えられないと、お礼を言ってその場を去る。どうやらこの警察署には現在700人ほどの人がいるようだ。


 前方から、狩りから帰ってきた若い5人組が現れる。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読んでて思うんだが・・・文明崩壊前がどうのとなんで文明が崩壊したと主人公は思ってるの?その根拠とは? あらゆる電波が途絶えてるとか?
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