プロローグ
選んで頂きありがとうございます!つたない文章かと存じますが、ストーリーは少しばかり自信がありますので、それを文章に起こせるように精一杯頑張ります!長編にはなるとは思いますが、3話まででもいいのでどうかお付き合いください!
※今回は、世界観を起こしただけなので読み飛ばしても構いません。
どんな世界であっても地が、海が、空があり、命が根付いている。
生命には『魂』が宿っており、宿り主が死亡してしばらく経つと魂はその肉体を離れ、ある場所へと向かう。
現世はその場所と命の川によって繋がれ数多の矛盾の生じる関係によって成り立っており、死神や鬼など現世との関係を上げれば切りがない。
数多に存在する現世の中心点にして、いかなる空間からも逸脱した場所。
手を伸ばせば届くのに遥か遠くに存在する亜空間。
あの世とも言われるその場所の名は、
『魂国』
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現世より昇天した魂は最初に、時空の歪の入り口と出口の役割を果たす『命の川』を通過することになる。
極稀にその歪を経由して魂国ではなく他の世界、つまり異世界へと流れ着いてしまうことがあるが、人々はそれを『異世界転生』と呼んでいる。
通常であれば魂が命の川を越え魂国へと入った瞬間に、魂としてのデータ、つまり記憶が消去されるのだが、この場合記憶が消去されないというアクシデントが発生してしまう。さらに言えば命の川を通り、魂国の空間点をかすめた事によって魂国を維持する不可解なエネルギーが大量に流れ込み、魂としての性能が格段に上がるという事態まで発生する。
転生者が無数の強力なる力を持っているのはこのためだ。
多くの魂は何事もなく魂国に引き入れられるのだが、その場合は前世の肉体が有していた能力だけが魂として引き継がれ、魂国で生まれた前世と同じ種の新たなる生命体へと潜り込む事となる。
しかし、運悪く魂が潜り込まれなかった生命体は魂国で新たなる生命として成立することができず体が崩壊、つまり死んでしまう。
結論から言えば、生命が誕生するのはどこの世界であっても奇跡であることにかわりはないのだ。
基本的に魂国には現世に存在するありとあらゆる生物、物質が反映されており、魂国において魂が余るということは現世で何らかの種族が絶滅しない限りありえない。
また、魂の数の総数は不変であり、1つの世界で生命体の総数に変化があってもその変化は他の世界と連携しており、魂国とつながるすべての世界でみてみれば生命の総数は、どれだけ細かく量ったとしても絶対にかわっていない。
そうなると生命の起源の理論が成り立たなくなるのだが、その点については矛盾していると言葉を濁しておこう。
ここまで、魂が魂国に入り新たな生命体に宿ると説明してきた訳だが、その後はどうなるのか?
魂国にて2度めの人生を送った後、魂は肉体と共に消えてしまう。正確には、エネルギーの塊である小さな粒子となって離散するのだ。
離散したエネルギーは空中へ地中へ、そして生命の体内へ染み込んでゆき、この魂国を形成する源と同時に新たなる魂の糧となる。そうして魂国内でエネルギーは循環し、新たなる魂は生まれていくのだ。
さらに魂国において忘れてはならない重要な要素がもう1つある。
『天使』と『悪魔』、
魂を管理し、同時に生命体の中で唯一魂を持たない異形種族の存在である。
この2種族は魂を管理するという唯一種族全体として役割を義務づけられた存在であり、魂国の中で最も重要な種族とも言われている。といってもその義務に束縛はなく、たまにやってくる割の良いアルバイト程度でしかない。
また、この2種族だけは他の種族と組織器官が根本的に異なっていると言える。
まず天使には頭の上に白く輝くリングが、悪魔の頭部には2本の角が生えている。もっとも、魔族にも角が生えている種族はいるのだが、それは体内の魔力放出のためだったりと必ず用途がある。しかし、魂国内ではそれがないと生きていけないということ以外、この不可解なリングと角のことは用途や目的など何1つとしてわかっていないのだ。
他にも翼を出現させるなど特徴はあるものの、何より謎なのは『魂』をその身に宿さないということだ。
魂国で肉体をつなぎとめる役割をこなす魂なしに、どうやって存在し続けることができているのか。
無数の謎を、この2種族はかかえているのである。
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魂国では独自の文化を発展させ、技術だけでいえばどの現世よりも発展しているといえるだろう。
星の数ほどの種族の中で、現在繁栄している種族は『ドワーフ』『エルフ』『人間』『獣族(人)』『魔族』『巨人族』『妖精族』の7種。
現在彼等は2つの大陸を『区』として分割することによってお互いの世界を住み分け、国家間の干渉を封じている。
なぜそんな事をしているのか。
それは今から1700年以上前、魂国史上最悪と言われる第6次魂国大戦がその7種の間で勃発したからだ。
第6次魂国大戦。
歴史書『魂国大史』の一節には、
{過去に起こりしいかなる戦も、この惨劇にまさるものなし。
真、血を血であらう惨状なり}
と綴られている。
皆が子供の頃から武器を手に取らざるを得ず、無数の魂達が戦乱の中で無意味に死んでいったこの戦争。
終結までに60年、死者の数は1000億人を遥かに凌いでいたと伝わっている。
この戦争によって古代文明を含む多くの技術や書物は失われたものの、現代では更に多くのものが進歩している。
また、未だにそれぞれのいざこざが絶えないものの、戦争がきっかけで作られた『区』のおかげで遥かに長い時を何事もなく均衡を保つことができているのも事実だ。
『区』はそこに住むそれぞれの種族にとってだいたい平等になるようにわけられており、『北国大陸』と『南国大陸』の2大陸を分割した『区』は11区である。
まず『北国大陸』を分けるのは『巨人区』と『妖精区』の2区で、大陸を東西に隔てている。しかし、現在は互いに歩み寄ったことで、区境は殆どないに等しいほど緩和されているといっていいだろう。
次に『南国大陸』を分けるのは、『人区』、『エルフ区』、『神区』、『獣区』、『ドワーフ区』、『魔人区』、『天使区』、『悪魔区』、そして『平和区』の9区。
ちなみに『南国大陸』のほうが『区』の数が多いのは、単純に『北国大陸』よりも広いからだ。
そして、『南国大陸』もまた、区としての役割を薄れさせつつある。エルフとドワーフや人と獣人など仲の悪い種族もあるものの、これは考え方による違いによる反発であり1700年前の因縁はもはやなくなりつつあったのだ。
しかし、人は歴史を繰り返すと言う。
そして、それぞれの隔たりがなくなり、再び1つにまとまろうと歩み寄り始めるとき、眠っていた虎が目を覚ますがごとく世界は戦乱の炎と混沌の渦につつまれてしまうものだ。
もしかすると、はっきりと隔たれ敵同士でお互い睨みを効かせ合っていたときが、1番平和なのかもしれない。
魂国歴 5059年
ーー第7次魂国大戦 勃発
その年、世界は再び戦火の海へと投げ出されてしまったのである。
後にこの大戦は、『終結の天界戦争』と称されることになるのだが、
これから始まるのはその6年後、魂国歴 5065年の物語である。
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ではまた次話で。