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【書籍化】ネット通販から始まる、現代の魔術師  作者: 呑兵衛和尚
第七部・災禍の赤月、或いは世界滅亡へのカウントダウン

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第四百四十八話・(再生の儀式と、異種合体)

『ネット通販で始める、現代の魔術師』の更新は、毎週火曜日、金曜日を目安に頑張っています。

 祐太郎たちを見送ったのち、俺は魔法の絨毯で帝都ブラウバニアへひとっ飛び。


 道中、帝都へ向かう街道や横道の上を飛んでいたんだけれど、やはり帝都で何かあったらしく立ち往生している馬車とか、帝都方面から引き返してきたような馬車を見かける。

 皆、疲弊しきった顔をして、街道沿いに腰を下ろしたりして身体を休めている。


「……ここまでとは、予想外だな。まだ城塞まで距離があるっていうのに、今からこの様子なのかよ」


 そう呟きつつ、速度を上げて帝都城塞まで向かう。

 そして崩れ落ちた城門の前で絨毯を降ろし中を伺うと。


「……おいおい。一体何があったっていうんだ?」


 城壁内部に生まれた巨大なクレーター。

 今は大勢の人が中に降りていき、瓦礫の撤去や掘り返しといった作業を繰り返している。

 幸いなことに、俺がいる場所では腐臭や死臭といった匂いは漂ってこない。

 何が起きたのかわからないが、この事象に巻き込まれた人は少ないのかもしれない。


「とりあえず、内部の調査からだな。ゴーグルゴー……俺の知る魔力波長の魔族を探してくれるか?」


 そう命令すると、ゴーグル内部に浮かぶ矢印が幾つもに分割し、一斉に中心を指し示す。まだ距離があって確認できないのだが、そこに白桃姫たちがいるのはほぼ確定だろう。

 絨毯を上昇させて矢印の指し示す方に向かうと、ちょうど帝都中心部、元王城があった場所の手前で虹色に輝く壁を発見。

 天啓眼てんけいがんと接続されているゴーグルでしか視認できないらしく、まるで妖魔特区を包み込む対物理障壁のようなものが広がっている。


「これが、結界か……」


 恐る恐る右手を伸ばす。

 そして結界に触れると、予想外にやわらかい手触りに思わず手を引いてしまう。

 同時に、天啓眼てんけいがんが結界の強度などを計算、以前の俺では中和すらできない特殊な結界であることは理解した。

 そう、以前の俺なら。

 試しに両手に魔力を流し込み、結界に突き立てて左右に開こうとするものの。

 両手がするりと結界を越えたものの、どうやら空間が歪んで何処から外に突き出したような感覚がある。


「……完全に歪められているのか。いや、この結界自体が俺には見えるものの、他の人には見えていないんだろうなぁ。だから普通に歩いても結界に引っかかることなく、そのままするりと通り抜けていくんだろう」


 この結界の中に何かある。

 それが分かったのなら、やることは一つ。


「聖徳王の秘術より、越境の四の発動を承認。醴泉の神聖力を持って、我を彼の地へ誘い給え!」


──シュン

 天球儀に記されている【聖徳王の秘術】、その中から【位相空間、並行世界】へと繋がる道を作り出す秘術を発動。

 残念ながら、空間魔術の基礎のまた基礎しか理解していない俺では、永続的な道を作り出すことは不可能。

 だから、発動した瞬間に無理やり結界の中に飛び込むと、空間収納チェストから強回復薬を取り出して急いで飲む。

 位相空間への強制介入により、俺の全身の皮膚が焼け爛れ、神経が剥き出しになりそうになっていたから。


「……ふぅ。これはきついわ。今の俺のスペックでは、聖徳王の秘術の1%も具現化することなんてできないのかよ……」


 ステータスを確認し、外傷が回復したことを確認。

 そしていま一度、目の前の光景を確認。

 先ほど、クレーター化した帝都中央では見えなかった、崩れ落ちそうな王城がそこにある。

 そして俺の侵入に気がついたのか、大勢の騎士がこちらに向かって駆けつけてくると、俺に向かって剣城を引き抜き身構えた。


「貴様は何者だ!! 白桃姫様が作りし結界壁の中に侵入するとは、貴様も伯狼雹鬼(はくろうひょうき)の手の……おお? この魔力波長はまさか?」


 駆けつけた騎士たちの最前列で、俺に向かって刃を向けた『嫉妬のアンバランス』が、俺の魔力に反応して動揺している。

 だから、空間収納チェストからワイルドカードの仮面を取り出して装着すると、体内の魔皇紋に魔力を送り込み発動する。


「お……おお、この魔力はやはり、『可変なる銀のワイルドカード』さま。まさか、人間だったとは」


 その場に跪こうと身構えるアンバランスに、俺は手を差し出して制する。


「いや、まあ、そこは気にしないでくれると助かるんだけどね。それよりもアンバランスさん、この状況について説明をお願いできますか?」

「畏まりました。ですが、ここでは満足に話もできないてしょうから、王城尖塔にて体を休めているプラティ・パラディの元に向かいましょう。奴は、この王城襲撃について最前線にいたのですから」

「そ、そうなのか。それで白桃姫もそこにいると?」


 そう問いかけると、アンバランスが言葉に詰まる。

 いや待って、その沈黙は勘弁してくれ。


「プラティ老師が知っているんだね。急いで案内して」

「畏まりました」


 事態は一刻を争う。

 そんな感じしかしない。

 それよりも白桃姫、無事でいてくれよ。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。


・この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

・誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。



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