第四十三 話・剛毅果断、なれども波高し(新装備と斜め向こうの展開と)
『ネット通販で始める、現代の魔術師』の更新は、毎週火曜日と金曜日、日曜日を目安に頑張っています。
以前、マルムティーを飲んだらレベルが上がった。
それなら、ドラゴンの肉を食べたなら、どれぐらいレベルが上がるんだろう。
以前にもワイバーンとシーサーペントの肉を食べたことがあったけどさ、その時は全く変化がなかったんだよ。
だから、今回はと思って期待していたんだけれどね。
はい、全く変化ありません。
そもそも、俺のレベルの上がる原因がいまだに不明なのに、どうやってこの先、生きていけばいいのやら。
まあ、無理しなければ人類最強なんだろうけれどさ、いくらステータスが高くてもスキルがないと身を守れないわけ。
……
…
射手座☆午後九時Don't be late。
「いや、今日は日曜日で、間もなく午後三時だ」
「ユータロ、なんで俺の心の中が読めた?」
「いや、時計を見て鼻歌歌ったらバレるから」
午後二時半にみんなが集まったので、いよいよ本日のメインイベント。
新型装備のお披露目会です。
「相変わらず、乙葉君の加護には驚かされるわよね」
「格好いい装備だといいですね」
「まあ、オトヤンのことだから拗らせたデザインだろう?」
失礼な。
確かに拗らせたかも知れないけれど、俺の意図を全て汲んでくれるはずがないでしょうが?
「さて。それじゃあ公開しましょう。この俺の最新装備を‼︎」
即行で空間収納からカレーとシチューの入った寸胴を取り出すと、カナン魔導商会の画面をオープンする。
荷物の受け取り先は空間収納に設定してチェスト工房に切り替えると、納品ボタンをポチっとな。
『ピッ……支払い対象を確認しました。このまま支払いますか?』
「イエスだ‼︎」
『ピッ……魔導強化外骨格の納品に成功しました。なお、メンテナンス代は無料サービスとなります』
おお、ついにきたぞ‼︎
空間収納の中にしっかりと装備が送られてきた。
「では……魔導強化外骨格、換装ッッッッ‼︎」
──キュイーン……シャキーン
装着したのは、真紅のローブと、スーツ上下でした。何処となくDr.ストレンジにも見えないこともない、なんてアヴェンジャーズなデザインである。
「どうよ‼︎」
「……魔法使いのローブだね? 貴族だね」
「赤くて綺麗ですし、金糸の装飾が素敵です」
「素材は……青生生魂? 竹内文書に伝わる幻の金属ですか?」
おお、この肌触り、この新品のビロードの香り。
じつに高級な素材を厳選して作られたって違うから、これは違うから‼︎
「あ、あれ? 俺の強化外骨格は?」
「それじゃないのか?」
「これなの? なんかこう、ヒーローみたいにババーンってなるかと思ったけれどさ、違うのかぁ」
少しがっかりした俺ちゃんだけど、ふと、空間収納を確認してみる。
ほら、やっぱり取説あったよ。
「ふむふむ……こうか? 『零式・覚醒解放‼︎』ッッッッ」
『OK master. Release the zero seal 』
──シャキーン‼︎
音声サポートが聞こえたと同時に、一瞬でローブとスーツの形状が変化し、全身を覆う鎧に姿を変えた。
見た感じだと戦隊モノのヒーローというよりは仮面ライダーに近く、それでいてスタイリッシュな、何処となく鎧であった名残のような部分がある。
牙狼とか、そういうイメージが近いかなぁ。
「おおお、実に勇者系装甲な外観だなぁ。勇者ロボ系と仮面ライダーの融合?」
「か、かっこいい‼︎」
「……うん、実用的な外骨格のようね。なんていうか……時代を先取りした感じかな?」
「オトヤン、UGMにでも入隊するのかい?」
「いや、MATだ」
三者三様の意見をありがとう。
つまり格好がいいのね? これで妖魔を退治したらいいのね?
『Time out. Seal type zero』
──プシュゥ
突然、魔導強化外骨格から声がしたかと思うと、元の魔法使いモードに戻ったぞ?
取説を見ると、あらかじめ魔力カートリッジに魔力をチャージする必要があるらしい。
「……時間制限付きか。まあ、見た感じだと、普段のその姿でも問題はないみたいだが」
「まあね。ちゃんとして魔力チャージすると8時間は稼働するみたいだよ。ということで俺のはできたから、次はみんなの分だね」
「俺も同じ感じで頼むわ。黒系で、もう少し生物的なやつで」
「わ、わたしは、いまはパスかな。それを着て、戦うには、わたしは早いかな」
「私は、乙葉君が最初に着ていたローブのような感じで」
「あ! それなら私も先輩と同じデザインでお願いします‼︎」
よしよし、それなら次々と注文を入れてみよう。
問題は支払いなのだけど、どんな食材を注文されるのか気になって仕方がない。
なので、注文書に『今回の支払いは、何がよろしいですか?』って書き加えておいたよ。
みんなの分の支払いについても、都度高額査定が見込まれそうなアイテムを持ち寄って査定することで話はついている。
俺は別に構わないんだけどさ、みんなが気持ちよく使いたいっていうのなら、みんなの意見に任せることにしたよ。
「よし、これで完了。あとは支払いがどれだけ来るのかだよね? 多分確認のメールが来ると思うから、楽しみに待っていて」
「はい、どんなのが来るのか、ワクワクしますね」
「次はどんな料理を注文されるのかしらね。私たちがわかる料理なら助かるのですけれどね」
「まあ、最悪は注文して取り寄せるしかないけどな。という事でオトヤン、何かわかったら連絡よろ」
オーケィ。
カナン魔導商会は毎朝晩チェックしているから大丈夫だ。それよりも、問題なのは要巡査に対しての対応だよね。
……
…
「それじゃあ、本題に入ろうか。要巡査への対処についてなんだけれど、あの人が警視庁公安部特殊捜査課、通称、第六課所属で、裏から手を回して俺とユータロを監視しに来たのは確定だよね」
「オトヤンの話に補足を入れるとすると、その第六課は俺たちをどこかの組織に所属しているって思っている。高校生がここまでの力を持つはずがないって思っているんだろうからな」
話を切り出すと、新山さんも瀬川先輩も真面目な顔で考え始める。
この切り替えは大切だよね。
遊ぶときは遊ぶ、真面目に考えるときは考える。
「最悪のパターンとしてはですね、乙葉君が彼らに拐われるということも考えられますわ」
「え? 乙葉君と築地君の二人じゃなくて?」
「ええ。確か、第六課は乙葉君と築地君の自宅まで行っているのですよね? その状態で築地君を拐う可能性は極めて低いかと思いますわ」
どうして? と思うけれど、祐太郎の親父は議員であり、しかも直接親父さんと第六課の御影警部補は話をしている。
妖魔について知っている祐太郎の親父を敵に回し祐太郎を拐うということは、第六課としても悪手であると言えよう。
けれど、俺の両親は夫婦揃ってアメリゴ。
動物学者の親父と昆虫学者のお袋、お手手繋いでアメリゴの研究機関に出向中。
つまり、俺に何かあったとしても、親父たちはすぐに気づくことはない。
「そ、それなら、今日からでも乙葉君を護衛してあげないといけないですよね?」
「まーてまてまて。新山さんスティ‼︎ まず第一前提、俺は拐われないぞ?」
「「「 何故? 」」」
俺には絶大な自信がある。
一つは魔法の存在。
俺は自分でいうのもなんだけれど、魔法が使える。
最悪は、魔法の箒に乗って飛んで逃げることもできるし、第二聖典の盾系魔法があるから身を守れる。
二つ目は、身体能力。
現時点での、俺のステータスは変態的におかしい。
そこにSBリングで125倍にでもしようものなら、おれはマーベルの主人公にもなれる。
因みに125倍発動に必要なMPは12500。
200ポイントで2倍、300ポイントで3倍という計算のようだ。
100ポイントだけだと、俺の体の皮膚が強化されて、ぶっちゃけ打たれ強くなる。
そして三つ目。
俺には、相手の動きが分かるゴーグルがある。
予め第六課をターゲットに設定しておくと、ゴーグルに反応が出るようになる。
これで潜伏していようが襲撃してこようが、常に先手を取ることができる。
「……とまあ、この三つの切り札でなんとでもなるでしょ?」
「オトヤン、125倍は何分間持続できる?」
「何倍にしても、一度の発動で10分間。ウルトラマンよりも待ちまっせ‼︎」
「ラノベのお約束ですけれど、相手に魔法を封じるアイテムがあったら?」
「まあ、そのときは魔法は使えないよね?」
「ゴーグル、壊されたら?」
「無力化するね……やばい、不安になってきた」
そんな可能性はまずないと思うけれど、何かしらの対策は必要なのかなぁ。
「そ、それよりもさ、俺以外のみんなのことを考えないと。身を守るものは注文したんだし、あとは加護の卵をどうやって覚醒させるかだよね?」
そこだよ。
そう、そこが一番大事なんだよ?
「そこだよなぁ。俺は闘気として覚醒したし、ブライガーの加護を得ている。けれど、新山さんも瀬川先輩も、加護の卵は未覚醒なんだよね?」
「は、はい……ごめんなさい」
「あら、そう言えば話をしていなかったわね。私は、加護の卵を手放したのですわ」
──コン
突然の瀬川先輩のカミングアウト。
そして先輩は、右手の中に、直径10センチ程度の水滴型の卵を作り出した。
「そ、それは?」
「私の中にあった加護の卵ですわ。加護を授けてくれる神の名前はオーニ・ソプター。この世界の精霊を統べる統合管理神だそうです」
「「「 え? どういうこと? 」」」
いつのまにか神様の加護を断ってますよ。
なんで? なんでなんでなんで?
「私は、元々、貴腐神ムーンライトの加護を得てましたよね? つい先日ですが、神託で私に選択肢を授けてくれたのですよ。ムーンライトかオーニ・ソプターか、どちらかの加護を選びなさいと。
ですから、私は、私を助けてくれたムーンライトを選択しました。そしてこのオーニ・ソプターの卵は、私が信頼できる誰かに授けることが許されましたから」
おおっと、そんな事になっていたなんて。
「瀬川先輩、因みにだか、ムーンライトの加護ってなんだ? その眼鏡がそうなのか?」
「ええ。築地君の言う通り、この眼鏡が加護媒体よ。そして、これが私の能力ね。深淵の書庫、発動ですわ」
──ヒュィィィィーン
突然、瀬川先輩の周囲を球形の魔法陣が取り囲む。
その内部表面には、様々な国の言語が記されていた。
「これが私のスキル、深淵の書庫です。指定した書庫の情報をもとに、対象空間エリアの情報をこの中に映し出すことができます。まあ、まだレベルが低いので指定できる書庫が小さいのですけれどね?」
「……あの、例えばですけれど、指定した書庫が国立図書館だとしますと、先輩の深淵の書庫は、そこから情報を得ることができるのですか?」
はぁ?
ナイス質問だ新山さん。
「その通りよ。深淵の書庫とは、いわばスーパーコンピュータで、情報ベースをもとにした魔法的超解析能力と思ってくれればいいと思うわ」
「うわ、チートすぎる。それってつまり、先輩が望むものをその中に映し出すことができると?」
「ええ。その代わり、私は戦う力はないのよ。超解析能力、これが私の力ね」
か、カッコいい‼︎
それじゃあ、よくあるラノベでいうところの知識担当じゃないですか‼︎
先輩の方が賢者らしい、所詮俺は一人賢者タイムが得意技な存在なんですねうるさいわ俺が悪かったわ。
「あの、先輩、因みに現在指定できる書庫の大きさは?」
「……文学部の部室程度ですわね。試しにここに来る前に部室を指定したら、次にレベルが上がるまで変更できなくなっちゃって……ごめんなさい、今の私の深淵の書庫はラノベや文学、神話特化型なのよ」
おおお?
それってレベルが上がって指定書庫の大きさが変わるまでは、瀬川先輩はラノベの神様なんですね?
あと、部室の本を増やすことで、まだまだ可能性が広がるようなので全然OKです‼︎
「まあ、スキルのレベルを上げればいいさ。さて、そうなると新山さんの覚醒をどうするかなんだけれど、裏技のデパートのオトヤン、何かあるか?」
「鍵がないから無理。それでさ、俺が思うに、加護の種類も鍵の解放に影響していると思うんだ。新山さんのスキルは治療魔法、いや、神聖魔法だと思うんだけれど、これってずばり神の加護なんだよね」
綾女ねーさんのアドバイスを参考に、新山さんに最適解を探してもらうしかない。
「え? あ、そうですね。癒しの力は神の加護なんですよね?」
「となると、どの神が加護を授けてくれるのか。それがまだ見えないということか」
「そそ。それでもって、三人に加護を与えてくれている神様って、俺たちの知っているブッダやイエッサ、天照大神とかのメジャーな名前じゃないんだよ、ユータロのブライガーもそうだし先輩のムーンライト、あとはオーニ・ソプターっていったっけ?」
つまり、俺たちの知らない神様の加護を貰っているということ。
「え? それじゃあ、私はどうしたら覚醒するの?」
「「 普通に生活していれば? 」」
これが俺と祐太郎の意見。
だってさ、神様は俺たちを見ているんだよ?
日々の行動を見て、そして時が来たらヨシって加護をくれるような気がするんだよね。
正しき心の持ち主に、神はその手を差し伸べるってね。
「た、正しき心かぁ……そうだね、きっとそうだよ‼︎」
「オトヤン、また考えているのが声に出ているぞ」
「え? マジ?」
「「「 ええ(うむ) 」」」
あら〜、それはお恥ずかしい限りで。
まあ、何はともあれ、新山さんの覚醒、注文した防具の到着待ち、この二つは確定事項。
あとは、第六課の人たちがどう行動してくるか、それが問題だよね。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
日本国永田町・国会議事堂地下。
一階にあるとある壁に向かって、一定手順を踏むことにより生まれる地下へと続く階段。
そこを降りていくと、表には公開されていない位相空間へと辿り着く。
そこには、古き時代に、とある妖魔によって作り出された『もう一つの国会議事堂』が存在する。
と言っても、建物全てではない。
正面向かって右側、参議院にあたる部分のみがそっくりそのまま復元されている。
そこにある本会議場では、築地晋太郎が数名の議員たちと話し合いを行なっているところである。
「あのですね、いくら築地さんに頼まれたと言っても、今更妖魔についての情報を公開するのは危険極まりないと思いませんか?」
「菅野さんのおっしゃる通りです。妖魔の存在については百害あって一利なし、そんな存在を今更公開してどうするというのです?」
野党第一党の国権民進党の菅野と燐訪議員が捲し立てるように叫ぶ。
「一利なしじゃねーだろうが。あんたらだって妖魔をボディガードとして雇っているじゃないか。古い盟約で妖魔と人間のとの間には、不可侵に近い盟約が結ばれている。けどよ、その盟約に人間を引き渡すっていうのを決めたのは、あんたらが与党だった時代だよな?」
与党第一党の日本自由党総裁、天羽太郎がべらんめい口調で菅野と燐訪に問いかける。
だが、二人は口を閉じて天羽を睨みつけているだけである。
「築地さんよぉ、なんで妖魔のことを表に公開する必要があるんだ?」
「今のうちに公開しておいた方が、数年後に来る妖魔の大氾濫に対応できるのではないかな? 裏の歴史書に記されている妖魔の大氾濫、それがあと数年以内に起きるのはもう確定事項であり、そんなことが起きたら、どうやって誤魔化すつもりなのかお二人には教えてもらいたいものですな?」
天羽ではなく、敢えて菅野と燐訪に問いかける。
「そ、その時が来たら、大氾濫を起こした妖魔の責任者と話し合いを持ってですね?」
「ええ。何も今、妖魔について公開して不必要に民衆に不安を煽る必要はないと思うのですよ」
「……お前さんたち、頭の中に花でも咲いているのか? 飢えたライオン1万匹が東京都に放たれて、それを止めるのに責任者に話をして収まると思っているのか?」
「そ、それは可能性であって、実際に起きていることではないじゃないか‼︎」
「まあ、そこまで言うのなら、こっちも切り札きるぞ? 良いのか?」
天羽がニィッと笑って菅野と燐訪を見る。
「切り札だと?」
「どんな切り札があると言うのです?」
「俺たちの持っている妖魔に関する情報を全て公開する。その上で、俺は解散総選挙を宣言するさ。俺たち与党は対妖魔関係についての政策を提案するから、お前さんたちは好きにすれば良い」
──ゴクッ
思わず息を飲む菅野と燐訪。
「まあ、その日が来たら、ワシも持っている情報を公開させてもらうよ。うちの息子を拐った妖魔についての情報、当時の野党の行なっていた『人間を売って妖魔の力を得ている』議員たちの情報。どっちもマスコミには美味しい話だよな?」
築地が重い腰を上げて告げる。
「解散総選挙? そんな事をするなら此方も本気で行きますよ?」
「次の与党には、私たちがなります。そして国を治める。良い機会ですよね?」
「まあ、お前さんたちの時代に妖魔の大氾濫が起こるだけだ。そうなったら、日本国第一党として、責任持って日本を守れよ?」
ギロリと睨む天羽。
万が一にも、本当に大氾濫が起きたとしたら。
その時になって動いても何もかも遅すぎる。
今、この日本で妖魔に対処できる存在は、警視庁特殊公安課のみ。
それも、魔術が使える者はたったの二人であり、しかも呪符という媒体を用いる事でどうにかできる代物である。
妖魔と戦うための装備については、古い遺跡からの出土物を解析して、かろうじて作り出された『退魔法具』のみ。
それも数は少なく、各都道府県の特殊公安課に一つないし二つあるだけ。
「そ、それなら、アメリゴに協力体制を求めるのは?」
「阿呆が。大氾濫が発生したら、それは日本だけじゃない。世界各地にも転移門が開く可能性がある。歴史的に日本だけが妖魔に狙われていたんじゃないのは知っているだろうが」
妖魔の被害は日本だけではない。
それこそ世界各地にも同じような事件は起こっている。
それらを誤魔化すために、妖魔の存在は全て統一された言葉に纏められている。
Unidentified Mysterious Animal
謎の未確認生物と。
例えば南米のチュパカプラ
アメリカのビッグフットやモスマン
ベネズエラのモノス
オーストラリアのヨーウィー
これら全てが妖魔であり、実在する。
「各国にある対妖魔組織に協力を要請してですね、日本に部隊を派遣してもらうというのは如何かと?」
「各国の対妖魔部隊は軍隊だぞ? 特にアメリゴは国が妖魔を研究しているレベルだからな。日本は遅いんだよ」
「それもこれも、あんたら野党が妖魔と不可侵条約という名前で、犯罪者を『生贄』として送り続けていたせいだろうが。まあ良いや、近いうちに妖魔については公開する。これは与党としての決定事項だ」
築地と天羽が立ち上がるが、菅野と燐訪は真っ赤な顔のまま、二人を睨むだけである。
「そ、それなら、お二人はお気をつけください。陰にいた妖魔の存在を表に出すとなると、それをよしと思わないものたちがお二人を狙う可能性がありますので」
口元の笑みを隠す事なく、菅野が二人の背後から話しかける。けど、天羽は築地と笑いながら廊下へと出ていった。
「釣れたかな?」
「ああ。こんだけでっかい釣り針を放り込んだんだ。逆に釣れないはずがねえだろうなぁ」
静かに地下参議院本会議場を後にする二人。
それを見送ってから、菅野はスマホを取り出して、何処かに連絡をしていた。
誤字脱字は都度修正しますので。
その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。
⚫︎今回のわかりづらいネタ
石○記憶 / たがみよ○ひさ 著
あと四つのシークレットネタあり。
●現在の乙葉の所有魔導具(Eマークは常時装備)
魔導強化外骨格(空間収納内、換装可能)
センサーゴーグル(空間収納チェスト内、換装可能)
(TS/鑑定/アクティブセンサー)
E.WMワイズマンリング(換装可能)
(耐熱・耐打撃・耐斬撃・吸精に対するレジスト、アクティブブースト、透明化、フライ、レジストストアー×1チャージ)
E.身代わりの護符、(換装可能)
・空間収納チェスト内
魔法の箒(換装可能)
中回復ポーション×2
軽回復ポーション×5
病気治癒ポーション×1
錬金術道具一式
・カナン魔導商会残チャージ
9億8500万クルーラ
●築地所有の魔導具(Eマークは常時装備)
センサーゴーグル(TS/鑑定/アクティブセンサー)
E加護の卵『31/100、左手ブレスレット型』
E魔よけのネックレス
E魔闘家の指輪(耐熱・耐打撃・耐斬撃に対するレジスト、透明化、レジストストアー×2チャージ)
・収納ポータルバッグ内
魔法の箒
大回復ポーション ×5
中回復ポーション ×25
軽回復ポーション ×5
病気治癒ポーション×5
ブライガーの武術書
●新山所有の魔導具(Eマークは常時装備)
Eレジストリング(耐熱)
E魔よけのネックレス(装備)
Eサーチイヤリング(鑑定、サーチ)
Eパリ・コレの腕輪(衣服6着登録)
・収納ポータルバッグ内
空飛ぶ絨毯
加護の卵『25/100、未覚醒、未固定状態』
病気治癒ポーション×1
軽回復ポーション×5
ダイエットドロップ×三瓶(36粒)
魔導書(契約済み、未覚醒)
●瀬川所有の魔導具(Eマークは常時装備)
Eレジストリング(耐熱)
E魔よけのネックレス
E加護の卵『25/100、未覚醒、眼鏡型』
Eパリ・コレの腕輪(衣服6着登録)
・収納ポータルバッグ内
魔法の箒
軽回復ポーション×5
ダイエットドロップ×三瓶(35粒)
魔導書(契約済み、未覚醒)
心写カメラ(鑑定、サーチ、感情看破)