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戦闘開始

2019年 1月14日 単位の表記を修正しました。

太陽がほぼ沈む空はいつもなら薄暗いはずだったが今は違っていた。


光球がいくつも宙に浮いているのである。


エリナはホヤンスク北北東の空を見つめていた。

これから蝶形の魔虫モスラスが襲来するのである。


北方からの先遣隊員の命を賭した知らせとそれに続くゴルビー参謀長からの情報で、ホヤンスクの防衛司令部はすぐに手を打った。


武人たちや住民に指示を出し防衛体制を固めたのである。


ホヤンスク防衛臨時司令官のグスタフ大佐の方策は以下の通りだった。


モスラスはできるだけ城外で討ち取り、城内への侵入を防ぐ。

そのため、弓手と障壁を張って身を守れる魔法師を組ませ、城外で魔虫を迎え撃つ。


もしも撃ち漏らしたら、城壁で食い止める。

ここでは、弓手ではないが弓術の嗜みのある武人を当てる。

槍術も有効だ。

所々に結界を張っておく。


城内に侵入された場合は、速やかに剣士たちが魔虫を排除する。


大群に対しては苦しい戦いになると思われるが、光明はモスラスとの戦闘にもなれた大魔術師が到着していることである。


大門へのルートはゴルビーたちに任せておける。


ゴルビーからの知らせによると魔虫は秩序ある移動で北北東からホヤンスクに迫っているらしい。


果たしてどこを狙うのか?


グスタフは思案し、北と東の守りを固めることに決した。


城外に配置する弓手と魔法師の舞台は、ホヤンスクの北東に展開し、柔軟に北や東に移動できるようにした。


60人ほどをひとかたまりにそれぞれ二つのチームを編成し、それぞれゴーリキー少佐とエリナ大尉に任せていた。


エリナはホヤンスクの北東のやや南に位置する場所で魔虫の襲来を待っていたのである。


輜重隊が矢の束を今も移送していた。

大群は百の位をゆうに超えるであろう。

矢の数は足りなくなる可能性も考慮しなければならない。


今回はできるだけ遠隔魔法で複数のモスラスを倒す。


魔法攻撃は遠距離のみ火属性、中距離からは氷結の冷凍系や土塊、氷解などの物理系を使う。

魔虫を寄せ付けぬ為の風系魔法も有効だ。


モスラスを焼くと有毒なガスを発生させるらしいから火属性の魔法は遠距離で風上にある場合に限られるのである。


魔法で撃ち漏らしたらものは矢で攻撃する。


それでも滅せられなければ、一時的に結界を張って鱗粉の毒を防ぎ、機会を見て攻撃を再開する。


このような戦闘方針がチームに共有されていた。


「近づいてきたぞ!」


耳がいい犬型獣人が叫んだ。


低空を飛ぶ浮いた黒い塊が夕闇の中ゆっくりこちらに迫ってくる。


「最初に火の属性魔法を出来るだけ遠距離で放て。100メトロエペまできたら火は使わず、氷結、氷解、土塊等の魔法攻撃はを仕掛けよ。

70エペぐらいになったら長弓での攻撃を。

50エペを切ったら短弓での攻撃を許可する」


ブオーン、ブオーン


不気味な羽音が聞こえてくる。

魂に不快感をもたらすような鈍い音だった。


上空5エペ(約5メートル:1エペ≒1メートル)ぐらいを飛んでいるのではないか。

やけに低く見える。

撃ち漏らしたら自分たちに食らいついてくる怖ろしき魔虫。


大群だった。

地平の横一列がどす黒く動いていた。


「火の魔法を撃て!」


エリナの声が響く。

数人のエルフ魔法師が詠唱をなし、そして大きな火球が打ち放たれた。

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